ヒメマイマイ

札幌でよく見るマイマイ類として、エゾマイマイ、サッポロマイマイがいます。この2種なら、なんとなく違いがわかるようになって野外で観察してみると、意外に面白いことがわかったりする。エゾマイマイはよく道路を歩く。(そして轢かれる)サッポロマイマイはほとんど道路で轢かれてない。生活場所や行動パターンで違いがあるのだと思う。

で、

 

このマイマイはヒメマイマイ。言うほど小さくはないんだけど、上に出した2種より、カラの渦がきっちりしてる感じ。

ね。歪みない巻きでしょ。

ちなみにカラに黒い筋が入ってないタイプはこちら。
ありあわせ

マイマイって撮ってみると、ヘビと同じようなもどかしさがある。カラに厚みと意外に殻頂も高くて、マクロちょっと面倒。常にゆるゆると動いて、これもちょっと面倒。目が飛び出してるので、(しかも左右別方向に!)ピント面倒。

なんか面白い。

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雨のハープソン・春

ハープソンの期間、道内は寒くて雨(雪)模様で、思わしくない天気の日々が続いていましたねー。両生類はなんとか卵は産んでくれているので、出掛ければ観察することはできるんだけど、出かける気持ちを天候に折られちゃった人も多かったのではないでしょうか。

第二期(夏:6/30-7-9)は天気が良くなることを祈ります!

自分のハープソンの期間の動きは、以下のような感じでした。

4/30。
雨。寒い。釧路のフィールドにひき続いての荒天。

この日は、恵庭公園で北海道エコ動物自然専門学校の野生生物コースの野外実習。限局的な環境だけど、止水や流水のある環境差と生き物を見て歩いて、季節のものを擬似ガイドしてもらう内容でした。

学生さんの力も借りて、無事にエゾアカガエルの卵塊も確認。思いがけないものもちょっといたりして、良かった。今度は暖かい日にゆっくりやりたいね。

家への帰宅途中に雨で出てきたエゾアカガエル成体を発見。車通行量が多くて、車止められずに写真撮れず。残念ながら参考記録。

この件で気分的に不完全燃焼を起こしたので、帰り際の山に入ってエゾサンショウウオを掴む。(産卵待ちのオスを発見)掴んだ肌がすごくスベスベになる。ハンドルを持つ手がスベスベで運転しにくい。サンショウウオの粘液を顔中に塗れば、お肌スベスベになることは間違いない。ただし何か別の衛生的な問題のあるものもたくさん顔につきそう。プルンプルンでもモチモチでもなく、ただひたすらスベスベになる。

5/1・2
なんだかダウン。イベントと、授業の下準備。外はどんより。少し雨。

5/3。
雨。寒い。この日は、滝野すずらん丘陵公園で、エゾサンショウウオの卵を探そう!のイベント。イベント報告はこちら

晴れて、ぽかぽかの陽気でできたら最高なので、来年はてるてる坊主大作戦ですな。

次回の授業のために、産みたてのエゾアカガエルの卵を探しに夜に山に入る。結果、幽霊疑惑が発生。

5/4・5。
どんより雨。寒い…。5/7の実習のためにエゾアカガエルとエゾサンショウウオの幼生を探す。しかし、全く孵化していない。泣きそう。寒いから、卵の中身の成長自体も遅れてるみたいだ。

実習のスケッチのモデルが見つからず、泣いた。全米は泣いてくれなかった。

5/6。
雨。寒い。そろそろ「GW」にキレ始める。

ゴールデンウィークってよォォォ…。『ウイーク』ってのは、わかる・・・ スゲーよくわかる。だいたい休みが1週間くらい続くからな・・・。

だが、「ゴールデン」って部分はどういうことだああ~~~っ!?金色だろーが!太陽出て輝く金だろうがァーーー!ナメやがってこの雨雲、超イラつくぜェ~~~ッ!!雨降ったら金だろうがなんだろうが人間、引きこもるじゃねーか!晴れるもんなら晴れてみやがれってんだ!チクショーーッ!

どういう事だ!どういう事だよッ!クソッ!雨のゴールデンって、どういう事だッ!ナメやがって、クソッ!クソッ!

心中お察し下さい。良い子のみんなはこんなこと思っても口には出さないようにねっ。ちょっと心のなか暴れてスッキリ?したかも…。

で、この日は再び滝野すずらん丘陵公園でイベント。

今回は共育フォーラム、滝野すずらん丘陵公園、北海道爬虫両生類研究会の3者で協力して、滝野でハープソンをしました。

自分はとても、「企画」や「進行」が苦手です。このへんに特に自信がないので、講演とかの時にはよく自宅リハーサルするんですね。しかし今回は、共育フォーラムと公園、とても心強いバックアップ。フィールド観察に、そのあと両生類の観察結果を検討する時間を設けたり。雨の中、参加してくれたみなさんも、色々楽しめたんじゃないでしょうか?

野外では、

506takino (9)

ツチガエルの越冬幼生。7cmちょいあります。泥の中で寝ていたようです。

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かなり綺麗な状態のエゾサンショウウオの卵嚢。下はヘドロ状でなく、質のいい枯葉メインのリターなので、卵が綺麗なままの状態なようです。

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エゾアカガエルも安定した産卵。5/3の子供イベントとは違う方面を探してみたのですが、意外にサンショウウオの産卵があちこちで見られます。でも「観察のしやすさ」はかなり厳しい感じかもしれない。

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エゾアカガエルの成体も水中の泥の中から発見しました。たいへん痩せておられます。婚姻瘤(こんいんりゅう)があったのでオスですね。命削って繁殖しているようです。

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コオイムシ類も取れました。

滝野すずらん丘陵公園は、固まった範囲に違った環境があるので、「環境の差」を観察するのには色々やりやすいですね。水の生き物でも、流水・静水・止水の生き物、止水でも深い止水・浅い止水の生き物、いろいろ観察出来ます。

506takino (4)

あと、管理棟などもあるので、講演的なことや、生き物を見たあとのまとめなんかもやりやすいんですね。

506takino (3)

ナメコみたい。キノコは全然識別できないので、ナメコっぽいねー、と話していたんだけど、この朽木は昔、ナメコ栽培のホダ木だったらしく、本当にナメコだったのかもしれない。

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わからん。綺麗なキノコ。

506takino (1)

わからん!絵の具をこぼしたような、多分菌類。

5/7。
やっと晴れ・やや強風

ハープソン最終日だけど、予備日的に設定した月曜日なので、参加者は多くないかも。そこで晴れてくるとは、なんたる呪い。

円山動物園に用事があって出かけてきたのですが、園内で個人的な大事件が!

507maruyama (2)

ヘビヌカホコリ(たぶん)!!憧れ変形菌じゃないっすか!「そのへんにある」というまやかし文言渦巻く身の回りにありながら一切その姿を見たことがなかった変形菌。子実体なのに、キノコっぽいフォルムを全くしていない屈曲子嚢体タイプの変形菌。

園内に転がっていた朽木の下。爬虫両生類館のヌシ、H氏の「このへんの樹の下にエゾサンショウウオが越冬してたことあるんですよね」のヒトコトとともに繰り出された「神の蹴り」によって
転がった朽木の裏には、そんなドラマティックな生き物が転がっていたのです…。

507maruyama (1)

手にとって見れば、こういう状態でして。

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寄って撮れば、まるでプレッツェルですね。

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ヘビヌカホコリのすぐそばには、身が黒い小型のマイマイが隠れてました。小型種なのかな。結構平たい。

ハープソン2013・春
個人調査エリア:5エリア(恵庭・島松山・定山渓・無意根山・札幌)、
別チームでの調査エリア:(清田・大楽毛・山花・遠矢)
個人確認種:2(エゾサンショウウオ・エゾアカガエル)
別チームでの確認種:+2(キタサンショウウオ・ツチガエル)

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釧路一晩隊(ハープソン2013)

ちょっと移動が多かったので、記事の更新が前後しています。

今回は4月27-28日に1泊で釧路に行ってきた時の話。

4月28日からハープソンが始まったこともあって、まずは記録関係の記事をに書いていこうとおもいます。(釧路でのフィールド私感はまた別記事で)ちなみに、調査した場所がどのエリアに当たるのかを調べるのは、こちら(ハープソンの予行2012)を参考にしてみて下さい。

釧路旅は、学芸員のHさんやHHS副会長のTさんと一緒に動く日程だったのでハープソンの個人記録用チーム(ばいかだ)とは別に、「釧路一晩隊」を結成しました。(1泊2日だから…)結果は

こんな感じ。クリックすると拡大するので、書くときに参考にしてみてね。4/27日は、ハープソンの期間外なので、参考記録として挙げておきました。

28日からハープソンスタート。なので、28日からを本記録として挙げています。

本記録

  • 遠矢エリア・4/28・キタサンショウウオ卵嚢の写真(IMGP0573.jpg)

IMGP0573

今年のハープソン本記録の1種目はキタサンショウウオでのスタートでした。写真は水中写真です。青光りする卵嚢がとても綺麗ですが、あえて青光りしていない水も茶色い場所で撮ってみました。エゾサンショウウオの卵嚢よりも、中にある卵の1つ1つが小さくて、
数がたくさん入っています。

  • 遠矢エリア・4/28・エゾアカガエル卵塊の写真(_MG_0450.jpg)

_MG_0450

今季のハープソンではこれの記録が一番多くなると思います。確認エリア数がどれだけ計上されるか、楽しみですね。

  • 山花エリア・4/28・エゾサンショウウオ成体の写真(_MG_0571.jpg)

_MG_0571

釧路湿原辺縁部のあたりのエゾサンショウウオですね。運良く、成体が見つかりました。

  • 山花エリア・4/28・エゾアカガエル卵塊の写真(_MG_0058.jpg)

_MG_0058

苔むしていて(正しくはコケじゃなくて藻類っぽいけど…)、緑色になった卵塊。暖かいところにある卵塊が、こんな感じの変化を起こしていることがあります。

以上が、釧路一晩隊のハープソンの正式記録です!釧路は実際には4/27から入ってフィールドをしていたので、期間外の4/27の記録は参考記録として計上しておきましょう。まずは釧路に入る前にちょっと入った阿寒周辺の山。

  • 上庶路エリア・4/27・エゾアカガエル卵塊の写真(IMGP0520.jpg)

IMGP0520

時間差卵塊。上に乗ってる小さな卵塊はごく最近産卵したもの。残念ながら、楽ちん移動出来る範囲にはエゾサンショウウオの卵嚢はなし…。そして夜にはキタサンショウウオの産卵を観察していました。

  • 大楽毛エリア・4/27・キタサンショウウオ成体の写真(_MG_0319.jpg)

_MG_0319

地上は暴風&霧雨のよろしくないコンディション。でも水中はどこ吹く風だったようです。オスが尾を振りディスプレイ中。「大楽毛」は「おたのしけ」と読みます。

  • 大楽毛エリア・4/27・エゾアカガエル成体の写真(_MG_0386.jpg)

_MG_0386

キタサンショウウオを観察しているといつの間にか出てきているエゾアカガエル。雨のためかほとんど鳴いてなかったけど、姿自体はちらほら見ることができました。

以上、釧路一晩隊の成果でした!また別記事で、もう少しじっくり書こうと思います。

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3年前の幽霊

滝野すずらん丘陵公園のイベントのあと、実はハープソンも同時進行中なので、うちの裏山のある無意根山エリアの様子を見に行って来た。自分の住む定山渓温泉地区も大変春が遅れている。道路際にはまだ雪が残っています。桜?なにそれ?この硬い蕾、いつ咲くんですか?1週間前に、調査で行った東北南部はすでに葉桜になろうとしていましたが…。

さて、裏山ですが。気温0℃、みぞれ降ってます。道路以外には、しこたま雪が残っていて積雪は50cmくらいあります。いつもGW後くらいにエゾサンショウウオの産卵が見られる沼までやって来ましたが、

IMGP0639

かろうじて水面が見え始めた状態です。春はまだまだ遠いようです。

IMGP0643

しかし1.5mほど下に、何か発見。

IMGP0649

は…び、びっくりした。エゾアカガエルの卵塊だわ。こんな状態の沼なのに、エゾアカガエルは頑張り始めてたんすね…。いやあ、ちゃんと沼の中も見ててよかったー。こんな季節遅れてても、産卵はあるもんだな…。侮れん。

もしかしたらと、付近も覗いてみる。

IMGP0644

あーあー

IMGP0647

あったよ…。エゾサンショウウオの卵嚢も1対。良さげな倒木の下に産み付けられてる…。いままで雪解け具合で、産卵を見に行ってたから、こんなに早く産んでるとは思いもよらなかった。

ほえー。

で、写真からも分かる通り、卵嚢まで7~8mくらい距離があって近づけてません。コンデジと強力電灯で頑張ってもらってなんとか…。

で、写真を撮っている姿は、大変「不審者」なわけです。熊が徘徊する沼を、夜に一人でぼーっと見てるやつがいたら、ヤバい人であるのは高確率でしょう。というか、普通の人であるわけがありません。

しかし、その不審者を見つけて声をかけてくれる人が稀にいるんです。めったに車通らないところなんだけど、自分の姿見つけて車停めて、「おーい、大丈夫かー」と。大変勇気のいる行動ですね。声を掛けられる方も、実は肝をつぶしているのだけども…。

サンショウウオの産卵の観察してますー。ご心配かけてすいません!って、「怪しいものではありません」アピールすると、「ああっ!あんた!!何年か前も沼の中に浸かってた人!!」

3年ぶりの再会でした。3年前は、自分が沼に浸かってサンショウウオの産卵の写真撮ってました。夜中に。3年ぶりの思い出話をちょっとしました。

「あんた、沼に入って自殺すると思った!いや、幽霊だと思った!」

あははは、ごめんなさい。毎度毎度…。自分も実はこんな山の中で人間に会うのが怖かったんですけど…、とは言えなかった。本気で心配して声かけてくれたんだもんね。声かけてくれたお兄さんは、山の上にある施設の管理の方みたいです。まず人に会う所ではないから、怖いし心配になっちゃうよね。

2日前にも、うちの管理人のおばちゃんに夜、こんばんは~、と声をかけただけでものすごく驚かせてしまった。

普通に声をかけただけなのに驚かす、「いきなり声かけんなよ!」と逆ギレさせる、「闇に紛れているの?」と存在の薄さを疑われるなど無駄に人を驚かす才能を持っているようです。そして、この才能が対人関係にいい方向に活かされた例は未だにありません。

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雪解けはひきこもり解除の季節

毎年毎年、冬は引きこもりがち。今年に至っては雪が振ってから出たフィールド回数は片手で数えられる程度。だから雪解け始まって、好きな生物群が現れ始めると一気にテンションがあがってしまう。で、毎年上がりすぎて5月病を迎えるパターンなので、クールに春を迎える予定。

腐海の森と王蟲的な雰囲気
珍しくクリックで拡大する画像

春は家の中から始まる。越冬して外窓に張り付いていたショウジョウバエが動き出す。部屋の中でも、スコットカメムシが歩き出す。今年はこの人にも会いました。

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ヒメマルカツオブシムシ。最初はチビタマムシかと一瞬思ったけど体型違うし、うちの中に出るわけないと思ったので、室内害虫あたったらみつかった。なんかこのやり取り、うっすら記憶に残ってたので、去年のtwitter見たら、同じく騙されてた。

家の中にチビタマムシきたー!って少し喜んだけど、ヒメマルカツオブシムシだった…。な、なにか食害に遭ってないかな…?
2011年5月29日 – 11:56

でも、去年も今年も1匹のみ。うちが発生源ではないみたいなんだよね。近隣の部屋で大量発生中なのかな…。
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実は明日から少々出張。タラノメを楽しみに成長を待っていたのだけど、今年はちょうどいい時期に留守にしてそうな感じ。多分、出てる間に狩られてしまいそう。

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で、今年もうちの近くでは無事にエゾアカガエルの産卵が始まりました。中のほうが受精してないっぽいけど、良い感じの卵塊が7つ+。帰ってきたらエゾアカガエルの鳴き声の録音しよ。

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エゾサンショウウオも同じ日に産卵開始。

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メス待ちの待機オスは見かけられるほど、また多数の個体が現れていないけど。

こちらは3対。あとは一気に増えていくことでしょう。

ba (1)

で、もう一つ、好きな生き物が現れた。雪解けで現れた、雪の下にあった朽ちかけの倒木の上。

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ツブツブした微細なもの。変形菌(粘菌)。多くの種類はもっと暖かくなってから動き出すのだけど、一部は「好雪性粘菌」と言われて、雪解け時期に見つかります。3年前に見つけて以来、久しぶりで結構嬉しい。この記事で最初に使った写真は、この変形菌とそれを食べに来たトビムシ達です。

トビムシが主に食べていたのは下のような状態の変形菌。

c_a

移動体から子実体になり始めたブヨブヨのものに集まってきていました。ここから変形菌は形を変化させていきます。

c_slime_mijyuku (1)

軸(柄)が出来上がりました。こういうランプみたいの、いいよね!

c_slime_mijyuku (1)-2

カミキリが発生した穴の奥にも変形菌。イイダコの卵みたい。

c_slime_mijyuku (2)

徐々に形がしっかりしていきます。

d_slime_pinkumijyuku (1)

子実体の上の方が熟し始めて色づいてきます。

d_slime_pinkumijyuku (2)

雪解け水が常にかかっているので、妖しい感じ。

d_slime_pinkumijyuku (3)

この状態では、そんなに子実体の形が一様でないようにも感じます。融合してたり、かなり自由な感じ。

e_slime_mijyukucya (1)

この色になると、だいぶ形も落ち着きました。個人的にはこの辺りの色も好きです。

e_slime_mijyukucya (2)

素晴らしい!雪解け時期の王にふさわしいとは思わんかね?

g_slime_kanjyuku (2)

完熟するとこうなるみたいです。金属的な光沢が発生して、若干の青み(紫?)があります。種類は、結局わからないんだけど、ルリホコリ系の変形菌ではないかなと思います。

k_slime_hoshi

一部のものが胞子放出状態になってパサパサしてきます。

K_z

胞子を撒き終わったか、胞子を撒けなかったか、どちらにしても使命を終えた感じの子実体。

k_zz

志しなかば(?)で力尽きたのでしょうか?周りのさらに小さなツブツブはトビムシのフンと思われます。

l_kotobi (1)-2

トビムシもよーく見ると、光沢がある。

l_kotobi (2)

横から見ると、なかなかファンタジーな形しています。トビムシ類はトビ「ムシ」と名前がつき、足も6本ですがやや昆虫とは離れた分類位置にいる生き物のようです。

z

真上から見ると甲殻類っぽいです。で、よく見たら右側に別種の大型の黄色いトビムシいたんですね。微小生物、ファンキーで面白いです。爬虫類ももう少しで会えますね!

微小生物の写真はピントがかなりきついです。息止めて、姿勢無理して、雪に埋もれて、だんだんハイになっていきます。

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太い Falco

このフィールドは3月に見てきたものです。遅めにアップしました。場所についてはご容赦頂ければと思います。

今冬は、シロハヤブサを見る機会がありました。かなり昔に、オホーツクで遠くを飛翔する姿をチラ見していたのですが、今回はゆっくり観察することができました。

友人が見かけたという場所に確認に行ったのですが、寒いところを待つ観察をすることになりそうだったので、近くで、あったか~いコーヒーを買っていると、すでにそれらしい姿が上空を飛んでいました。

遠くで見た時、それから図鑑で見ている時は「大きめのハヤブサ」というイメージだったんだけど、やや近い距離で見ると、「太いハヤブサ」がしっくり来る感じ。シロハヤブサ、図鑑の淡色型はびっくりするくらい白いけど、今回見れたのは中間型とよく言われるタイプみたい。

シメたちがたくさん群れていて、それらを狩るためにシロハヤブサは来ていたようです。シメたちも、部分的に雪がなくなった土の上で採餌してて、他の場所は雪で土が出ていないので、そこにいざるを得ない感じでした。シメも大量の群れを形成することで、一部が捕らわれる間に他が生き延びるという戦略をとってるようにも見えます。

シメの天敵はシロハヤブサだけにとどまらず、様々な猛禽に狙われていました。

Otaka

びゃーっと飛んでいったので、見てる時は何が何やらわからなかったけど、写真撮っておいて拡大したら、どうやらオオタカのようです。私の方気にしています。遠くからガン見されたので、ちょっと別の場所に移動しました。

Haya

ノーマルのハヤブサですね。遠くからすごいスピードで飛んできて、すぐ近くの電柱に。尿があるところからすると、お気に入りの場所なのでしょうか?やはりガン見…。居場所ないです。

h_cyuhi

これはチュウヒの仲間。ハイイロチュウヒっぽく感じるんだけど、
自分には識別の決定力がなく、チュウヒ類の茶色マダラパターンが出てくると識別きついっすね。この個体は車で見ている限りは比較的、おおらかに探餌していました。

シロハヤブサの行動はよく観察することができて、とても良かった。ずんぐり体型からくる、飛翔の力強さはさすがで、本気の飛翔時は写真の枠に入れるの大変ね。ちょっと遠くから観察しててちょうど良い感じでした。

S_haya (1)

尾羽全開、かっこいい。

S_haya (2)

大きめトリミングだけど、捕まったシメが脱力してます。猛禽に捕まった小鳥やカモは捕まった瞬間から脱力する物が多い傾向に感じるんだけど、直接致命傷を負っていなくても、スイッチが切れるようになっているのかな?

この記事の一番最初のシロハヤブサの写真と顔のヒゲ(?)の様子が違うので、これは別個体のシロハヤブサなのかな。

S_haya (4)

猛禽全般に言えるんだけど、調理(羽をむしる)はどこかに停まってやってる感じがするのだけど、しばしば、狩り成功の直後に、空中で獲物をクチバシでつつきまわす行動も見かけます。絶命させるためにやってるのかとも思ってたけど、狩りの成功でとてもハイになってるんじゃないかという意見もあり。

人間で言えば、スポーツで得点を決めた時のガッツポーズやアピールみたいなものなんですかね。それだったら、なんとなく猛禽たちの気持ちもわかります。

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そのへんのモノ

雪もだいぶ減りました。半年ぶりのちゃんとした歩きフィールドです。

1

例年ならぼちぼち、カエル活動開始時期なので、うちの近くで一番早くエゾアカガエルの産卵が始まるところに寄ってみました。

2

TARAもまだまだ。タラでいいんだよね?コレ。ちょうどいい頃に残されているか、それが一番問題ですな。

3

池…いやむしろ沼だけど、だいぶ表面が開放されてきました。印象的にはすごい水量増えてる。そしてまだ「解ける予備軍」の残雪量も多い。産卵に影響あるかなー。

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肝心のカエルなんだけどエゾアカガエルが3匹ほど、水面に浮いてるのを見ました。おそらくオスですが、まだ鳴く気配ありませんでした。上の写真は、カエルの卵…になるはずだったモノ。何かの理由で水中で死んだメスのお腹からはみ出てしまった卵になるべきだったものが水を吸って膨らんでるもの。

ずーっと待ってたんだけど、一度引っ込んだオスは、出てくることはありませんでした…。まだ繁殖に必死なシーズンではないので、仕方ないか…。正月のオオサンショウウオ&ツチガエルから数えて今年の両爬3種類目。

カエルは諦めて、好雪性粘菌を探してみるも、こちらも見当たらず。

周辺にあった、変わったもの(?)を写真撮ってフィールドリハビリ終了です。

5

ササのマクロ。キレイダネー。

6

枝に黒いブツブツ。粘菌(変形菌)かなと思って近寄ったけど、

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なんか違う…。表面ボコボコしてるけど、なんか違う。

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コレは地衣類なんですかね。不思議なものだらけですな。

9

エゾシカの樹皮はぎ&ツノ研ぎかな?他にもたくさん哺乳類の痕跡がありました。

アライグマの足跡とか
アライグマの足跡とか
アライグマの足跡。

やっぱ両生類集まってくるの待って巡回中なのかな。

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ラストはこれ。キクラゲの類だなこりゃ…。林道に除雪ブル入ったところがあって枝が折れてて、そのへんに落ちてた。キクラゲいいな。キクラゲの入った冷やし中華食べたい。

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気になる上空

はかどっても終わらない事務仕事は、持ち出すに限る。いつもだと、喫茶店に寄生させて頂いて読み物、書き物、調べ物、企画の殴り書きをしている。

今朝は、なんだか朝のうち、気持ちいい薄曇り天気だったので、裏山に行って車内で持ち出しの仕事をしていた。

それほど山奥まで行かなくても、見晴らしのいい小高い丘がある。夏はヨタカがやってくるところなので、お気に入りの場所。この丘の先は雪崩れそうなところがあるので、ちょっと先に進むのは怖いかな。

冬は実りの少ない森なので、ほとんど鳥を見かけることはないんだけど、車内で書き物をしていると、ピーピー鳴く猛禽の声が聞こえてきた。

トビすらもほとんど見かけないところなので、珍しいなと思って見ると、クマタカだった。

久しぶりに見たけど、でかいなー。なんも生き物が目につかない冬山だけどこの巨体を維持できるだけの生き物(餌)は住んでいるはずなんだよね。

鳴かんかったら、気付かなかった。眼福でした。

…で、そのあとはクマタカの出現が気になって仕事が手につかなくなっちゃったので、結果的に良かったのか、悪かったのか…?

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握手

いい天気の中、ようやく散歩するくらいの時間ができました。

カメラ持って外出たの、今年まだ2回目。なんてこった!

厳冬期に道東、とも考えていたものの、ズルズルと内業に追われるうちに2月も終わりに。ちっとは冬らしいもの、楽しそうなもの見ないとね。

今シーズンで初めてオオワシ見たような。

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すごく遠かったけど、楽しそう(?)でした。本人たちは必死だと思いますが…。握手して仲直り、とはならんですよね。

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初両爬はオオサンショウウオから

年末年始に、皮膚炎、交通事故、インフルエンザと忙しい毎日を過ごしておりましたが、その間にもしっかりと活動しておりましたよ。皆さま、本年もよろしくお願い致します。

年末年始動けず、年賀状も出せない状態で、しかもプリンター不調で赤っぽい年賀状が届くかも知れませんが嫌がらせではありません…。

さて、年末年始は関東で久々にオナガに騒がれながら過ごし、年明けには広島に行って来ました。

広島の安佐動物公園で巳年の企画展としてヘビの写真展を開催してくれました!これは是非顔を出さねばならない!

会場でしばらく、来場者の方々とお話する傍ら、安佐動物公園ならではの施設を見学させて頂きました。その名も「オオサンショウウオ野外保護増殖施設」!日本で唯一、オオサンショウウオの繁殖を継続的に成功している施設です。

とても考えられている良い設備でした。

これは2012年に施設で孵化したオオサンショウウオの幼生。美味しそうです(食べちゃダメです)。

こちらは施設生まれ、施設育ちの個体。ちょっとメタボリック気味に育ってしまっているそうです。

年々、問題化してきている、チュウゴクオオサンショウウオです。広島では、まだ確認されていないそうですが、京都では昨年、衝撃的な調査結果が公表されていましたね。帰化定着と、日本産オオサンショウウオとのハイブリッド化が進み、日本産オオサンショウウオのオリジナリティが危険な状態になっています。

他にも爬虫類館を見せていただいたり、安佐動物公園の皆さまには大変お世話になりました。(写真はビルマニシキヘビの頭蓋骨と)

で、実は、広島に行くということで、中国地方近隣から数名が集まって、飲み会でもしようとなっていたのですが、私が下戸なので、食事会に。しかし、さらに会場でのノリで、夜間フィールドに変更されました…。個人的にはとても嬉しい変更です。

オオサンショウウオの調査関係の設備で「人工巣穴」というものがあり、そこを覗いて今年の初両爬となったのがオオサンショウウオ!

人工巣穴は渓流の横にトンネルがあり、そのトンネルの前に産室があります。そこには基本的に「ヌシ」が1個体入っています。これはオス個体で、年末年始のこの時期は生まれたばかりの幼生を守っているのだそうです。よく見ると上の写真にも上の方に幼生が写っていますね。実際の繁殖時にはこの巣穴に5個体ほどのオスが入ることもあるそうです。

目立たない目で、睨みをきかせて怒っているようです。この個体で80cmくらいあったのかな…。今年の初両爬が、思いがけずお手軽に見れて、嬉しかったのですが私はどちらかと言うとフィールドの方はマゾなので、河床をうろついている個体を探してみます。

しかし、さすがに1月初めはオオサンショウウオでも活動的とも言えない時期で、都合よく歩いているわけがないわけで…。思いがけず、今年の両爬第2号のツチガエルを発見し、(今思えば西日本産ツチガエル、もっとしっかり写真撮っとくんだった…)なかなかホットな気持ちで初フィールドできたのですよ。

そう、河床にこんなのもいたからね。

しかも、もう1個体。

ドライスーツと水中撮影可能装備が欲しかったー。

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