カウントダウン4・ヘビを探す

ハープソン開始日の7月22日まで、「カウントダウン4」です。

ハープソンでおそらくいちばん情報が少ないと思われる、ヘビについて少し紹介します。

こちらは先日、発見したジムグリというヘビの幼蛇です。30cmちょっとの個体なので、おそらく昨年生まれと思われます。(生まれたてのジムグリは20cm後半くらい)

ヘビはどうやったら見つけられるの?と、よく尋ねられるんですが主に3つの要素が絡みます。

①運
②情報・知識
③努力

まるでスポ根少年漫画のような3点ですが、実際そう感じています。「運」が良ければ、なんの知識がなくてもバッタリとヘビと出くわします。

「情報・知識」を持っていれば、生活環境を予測することで、ヘビに逢える確率を上げられます。例えば、上のジムグリなら

  • ジムグリは暑いのが苦手なヘビ
    →暑い時期には日中出ない、気温の下がりやすい山間の森林地域が良い
  • ジムグリが食べるのは小さなネズミやトガリネズミなど
    →土があって、豊富に昆虫や木の実などが落ちているようなところ(餌動物が住むところ)
  • ヘビは隠れる生き物
    →隠れることができる岩の割れ目、倒木などがあるような場所

…などのように絞り込みができていけますね。

そして「努力」ですね。情報・知識があっても、必ず会えないのがヘビなので、ひたすらいそうな場所をねり歩く。これに尽きます。

愛と友情があれば、なお逢う確率が上がるのかもしれません(笑)でも、正直、生きているヘビだけを探すと、目撃情報はほんとうに、ごくわずかになってしまいます。

ハープソンでは、識別することが出来る状態であれば、死骸でも確認を可能としています。残念なことではありますが、ヘビはよく車に轢かれている姿を見かけます。状態が良ければ、轢かれて死んでいても「ここにこの種類の蛇が生活していた」という証拠になります。

下の写真は、ジムグリの死骸の写真で、アリにたかられているものなので、見たくない方はスルーしてください。(見ても大丈夫な方は、クリックすると大きな画像になります)

轢かれてしまって、一部損傷が激しいですが、ジムグリという種類の蛇だということはわかります。

個人的には非常に残念な記録なのですが、2008年から記録している、個人的に確認した野外のヘビの2/3は道路で轢かれて死んでいたものです。せっかくなので、生息情報として記録して、今後の両生類や爬虫類の生息の役に立つような使い方をしていきたいですね。

また、車を止めて作業する余裕がある場所で見つけたら、もし出来る方は、死骸を道路から路肩へ「よけて」頂けると幸いです。

このヘビの死骸を食べに来ようとした他の野生動物(キツネ・カラス・トビなど)が2次的に交通事故に遭う可能性を下げるためです。野生動物にとっては路上で轢かれたヘビでも重要な餌資源です。場合によっては車にはねられるリスクを負ってまで、食べに来てしまうことがあります。

あと、いろいろ動物に触る機会もあると思いますが、動物を触ったあとは、必ず手を洗うようにしてくださいね。

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カウントダウン5・石狩川のヒキガエル

ハープソン開始日の7月22日まで、「カウントダウン5」となりました!

ハープソンの前後はなるべく頑張って更新できればと思っています。

ここ最近で、石狩川下流でヒキガエルを調べているのですが、
卵、オタマジャクシ、幼体などは確認していたんですが、
個人的にはこれが何ヒキガエルなのかが気になっていました。

成体サイズも見かけることが出来たので、
何が気になっているのか、書いてみます。


北海道のヒキガエルは本州からの移入種ということで、
石狩川流域にも多数見られるようになったことに関しては
とても残念に思っています。
移入のヒキガエルなので、北海道で新たな生息地が見つかると
一応、亜種の確認をしています。

主に本土に生息するヒキガエルは
種名をニホンヒキガエルといいます。

このニホンヒキガエルには2つの亜種が含まれ、
西日本に主に生息する基亜種、ニホンヒキガエルと
東日本に主に生息する亜種、アズマヒキガエルがいます。

上の写真に写っている石狩川下流域のヒキガエルは、
結果的にアズマヒキガエルで、旭川、室蘭、函館、石狩で確認されている亜種と同じです。

亜種を確認しているのは、それぞれ持込み元が違うかもしれないからです。
起源が同じとは限らないんですね。

実は東京都や宮城県、石川県などでは
移入のニホンヒキガエルが確認されています。
ニホンヒキガエル:侵入生物データベース)
このように、移入はどこからでも持ち込まれる可能性があるんです。

で、
ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルの亜種の外見的違いですが、
よく言われるのは
目と鼓膜までの距離(A)と鼓膜の直径(B)で表現されます。

ニホンヒキガエル → A≒B
アズマヒキガエル → A<B(BがAの2倍以上になることが多いとされます)

時にはA>Bなニホンヒキガエルもいるように思います。

これを上の写真に当てはめてみると

やや立体なので、それぞれの線の長さが厳密には違いますが、
A<Bで、アズマヒキガエルですね。

個体差などもあり、すべてがこう当てはまるわけではないと思いますが、
今回確認できた複数個体は全てアズマヒキガエルの特徴でした。

「石狩川下流域にはアズマヒキガエルがいる」
ということが確定しましたが、
「亜種ニホンヒキガエルは石狩川下流にはいない」
ということはまだ確定できません。

「いる」と違って「いない」ということは証明は難しいです。

…と、小難しい話になりましたが、
石狩川中・下流、あるいは支流流域にお住まいの皆さん。
あるいはヒキガエルらしき姿を見たことのある道内の皆さん、
ハープソン参加の際にはヒキガエルにも注目してみてくださいね。

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マャッキ!

相も変わらず、よく発生しているマイマイガの幼虫。過去の写真から引っ張ってみる。

目に注目(目じゃないけど…)してみれば、意外と人間的感覚で「可愛い」タイプの毛虫に入らないか?と、よく思ったりした。

やはりそれの魅力を減点させているのが落ち武者ヘアーなのではないだろうか。ほら、これが一般的に可愛いと言われるやつ。ラフ書き。

こいつの体を黒くして、ちょっと斑点つけて、顔に毛を生やせばマャッキ!の出来上がりだ。

ほらほら、こうして見たら、微妙にアリじゃないですか?

…と思ったんだけどさ。なんかダメだ。どこか受け入れられない。

これは可愛い方の顔面。

で、

これが、ややリアルなマャッキ!の顔面。おわかりいただけるだろうか?そう、可愛い路線ではなくて、

むしろこっち路線なのだ。

行け!メロングマイマイガー!たたかえ!メロングマイマイガー!

よいこのみんなは、ちゃんと夜に寝ないと、こんなふうにまともな記事がかけなくなっちゃうぞー。

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ベランダ・ワンダーランド

ここんとこ、外に出て忙しいか、家の中でこもっているかの生活で、家にいる時も「日に当たらんといかん!」と思いベランダの掃除をしたりしてました。

ふと、ストーブの排気管をみると、
おしりがデップリ大きくなった、小さなクモが。

ゴケグモ系だったらやだなー、と思いつつ、とりあえず容器に入れておいて
ネットで検索してみる。

…わからん。

けど、いわゆるメジャーどころのゴケグモでは無さそうだ。

けっこう、Steatoda属のクモ(ゴケグモのような強い毒はない)に
似てるなあと思ってみていたけど、これ以上は分からないや。

とりあえず、北海道ではまだ、ゴケグモの記録はないみたいだし、
放免してあげよう。

掃除していると出てくるのが大量のスコットカメムシと十字系のサシガメ、
ナミテントウの死骸。越冬に失敗したやつ。

これはもう、しかたないね。

そんな中、鳥の卵発見。
巣はなかったから、カラスにでも運ばれてきたか?

住んでるマンションは空き部屋があるので、
頻繁にハクセキレイが上の階のほうでちょろちょろしている。
だからハクセキレイの卵かもしれない…。

と思ったけど、これも画像で検索してみると
ハクセキレイはウズラの卵のように斑が入るのが普通みたい。

サイズはちょうどいい大きさだと思ったんだけど。
斑がとても少ないね。
これもハクセキレイの卵の範囲内なのかな。

なんと、中身が残っていました。
この状態で乾燥しています!!

この卵を持ってきたヌシは、
いったい何をしたかったんだろうか…。

 

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長野・山梨小旅行

Because I wanted to have a rest, I went to Nagano and Yamanashi. But It was rainy and cloudy.

しばらく北海道を出たフィールドをしていなかったので、
沖縄に今年は行こうと思っていたのだけど、
いろいろ立て込んできたので沖縄は中止して、
関東を拠点に長野と山梨の県境付近に行って来ました。

残念ながらお天気には恵まれず、
雨模様と曇模様だったけど、少し羽が伸びました。

両爬は、生きてるのはアズマヒキガエルだけで
ジムグリとアオダイショウの事故死体、この3種類見てきました。
長野山梨以外では、カナヘビ・ニホンヤモリ・アカミミガメあたりが見れましたよ。

 

道の駅で見つけた上の昆虫は、ハムシだと思ってた。
札幌にもいるスゲハムシ(キヌツヤミズクサハムシ)になんとなく似てたから…。
でもそれではなかった。

ネクイハムシの仲間なんだろうか…。
一生懸命調べた。
なんか違う。

その後適当にさまよっていたら、それらしいものが見つかった。

アオハムシダマシ。

くそっ、またダマされた!ハムシだと思った!!

名前にダマシがつこうが、ニセだろうが、モドキであろうが…、
そんな違いがなくても自分は騙される。

この写真を撮っている時の自分のセリフ。

「わー、カワトンボ…あ、そっか羽が黒いからミヤマカワトンボだねー!」

…たわけがっ

家でよく考えたら体が緑メタリックってハグロトンボじゃん…。

…たわけっ
…たわけがっっ!

今ブログ書いてて、ふと思ったけど、そういう色のトンボ、アオハダトンボもいるじゃん。
撮影時期(6月中旬)からしてこっちのほうが可能性高そう。
アオハダトンボ。
(アオハダとハグロの微妙な形の差は自分にはよくわからない)

ほんと、両爬(国内限定)以外の分野弱すぎるな…。

まーまー、撮ってる時は、識別ウンヌンより
ただ「キレイダナー」と思って撮ってるから仕方ない。

…ということにしよう。

今回の骨休めでの一番のキレイダナは下のこれ。

佐久の岩村田のヒカリゴケ。

びっくりするほど、幻想的でもなんでもない空間にあるのが逆に新鮮だったなー。

しかし、梅雨時の本州はほんとに辛いです。
(真冬の大乾燥・関東も辛いです…)

自分の体は普段から低体温の変温爬虫類系のですが、
湿度に健康状態が左右される、両生類系に移行しつつあるようです。

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滝川市で語って来ました

滝川市での講演、参加者も熱心に聞いてくださって、とても有難かったです。

今回はこの夏に行われる、「ハープソン」についてお話してきたのですが、ハープソンの仕組みもよく話したいし、また、ハープソンに参加してもらうには身近な爬虫類や両生類の紹介は必須で、その内容の割合調整が難しく…。

結局、全部話してしまったので、60分枠が85分にも及んでしまって、来聴者さん、主催者さんに申し訳なかった部分もありました。聞きに来て下さった方は熱心に質問などもいただき、こちらは良い感じの完全燃焼でした。

講演の前には「FM G’ Sky(FMなかそらち)」の取材もしていただき、中空知地区で両生類や爬虫類に興味を持った人が少しでも増えていたらいいなーと思いました。

よく晴れて、行き帰りの車内は灼熱。最近はアイスラテなども飲むようになりました。(普段は暑くても温かいコーヒー)

たきかわ環境フォーラムの、今回の講演のまとめはこちら

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ハープソンって何だ? 北海道の両生・爬虫類たち

I gave a lecture about “Herpthon” & “Reptiles & Amphibians in Hokkaido” at “Minkuru” in Takikawa city.

たきかわ環境フォーラム主催の講演で
2012年6月30日に講演をしました。
演題は「ハープソンって何だ?  北海道の両生・爬虫類たち」です。

【日時】 2012年6月30日(土曜)午後1時半~午後3時
【会場】 滝川市まちづくりセンターみんくる(滝川市栄町3丁目6番28号)
【話題提供】 徳田龍弘さん(フォトグラファー、ライター)
【入場料】 無料(いれたての「季節のブレンドコーヒー」=100円を用意しています。
マイカップをご持参下さい)
【お申し込み】 不要
【お問い合わせ】 終了しました
【主催】 たきかわ環境フォーラム

北海道の爬虫類と両生類の紹介と、
この夏に行われる、「ハープソン」についてお話しします。

講演報告はこちらです。

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faura No.36

I offered the photograph to the magazine.
faura No.36” (Japanese text only.)

北海道の自然を知る季刊誌、faura No.36 にニホントカゲの写真を提供しました。

岸田典大さんのエッセイ、獣野生絵のページに掲載されています。

「徳田龍弘」での提供です。

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探さなければ見つかる

It tends to be found the eggs of Japanese tree frog when I am not looking for it. When I want to take the photo of eggs, It is difficult to me to find it.

撮りたくて焦っている時には見つからず、
どーでもいい時にはよく見つかります。コレ。

レベル5。
形がいびつですね。
沈降タイプ。

レベル4。
よく見れば分かる。
最初に見つけた状態がこれ。
漂流タイプ。

レベル3。
やや発生が進む。
漂流タイプ。

レベル2。
一番わかりやすい。
付着タイプ。

レベル1。
細長タイプ…?

ではなくてレベル2~5がニホンアマガエルの卵。
レベル1はハリガネムシ系の線虫。

この時期、止水でよく見かけます。
ハリガネさん。


ハリガネムシ系

水底を這うハリガネさん。
器用に泳ぐ姿もたまに見ます。

その時はヘビのように蛇行します。

目らしきものもないし、泳ぐための体の作りもこれといって無いようなんだけど
ホント器用。


エゾアカガエル・おたまじゃくしの群れ

これはエゾアカガエルのオタマジャクシ。
日射の強い池で撮ったんだけど、
何かを食べてるわけでもなく、水面付近に密集。
空気をパクパク口に入れてる。

酸欠なのかな?

それとも目に見えないような、水面の何かを食べてるのかな。

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