晩秋へ進む

10月はじめ、日が陰ったり風が吹くとめっきり寒くなりました。寒波が入る関係で、札幌市南区の一部は数日内にみぞれが交じる予報も一部出ています。この時期は調子崩しがちなので、ボチボチ外に出ます。外に出ると疲れちゃうので、良い循環か悪い循環か微妙だけどもね。冷たい空気は気持ちいいです。

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この辺はそろそろ見納めでしょうか。エゾアカガエルの幼体だけど少し大きくりました。今年は山のクリの実りがよく、拾ってるときにたまたま出会った。もう少ししたら越冬に適した場所に移動するんだろうな。今年のクリは、甘みは薄いけど、クリって感じの風味があるので、おしるこの隠れキャラみたいな使い方で良い感じ。

最近また、マイマイがちょっと面白くなってきたのだけど、この間の謎の白いマイマイのことなどが知りたかったので、10月1日に円山公園で行われた森井さんの「カタツムリとナメクジ」のお話を聞いてきました。やっぱり面白い^^

フィールドで見つけたサッポロマイマイのノーマルと

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白いのを一緒に持ってって伺ってみました。

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結論としては、サッポロマイマイで正解でした。札幌では白いタイプは相当珍しいみたいです。(道南では少し出るみたいです)

移動能力が低いので、各地で分化しているので、カタツムリは同種であっても地方色豊かだね。

自分が初めてカタツムリに興味を持ったのは、山形県の飛島というところに鳥を見に行った時に見かけた、トビシママイマイという固有亜種がいて、島ごとに違うカタツムリがいるんだって知ったときから。他にもオオケマイマイとか、広義のカタツムリだけどアオミオカタニシとか、オカモノアラガイの寄生虫ロイコクロリディウムとか、面白くて興味を持ち続けられました。

せっかくなので、もう少しサッポロマイマイの写真を。

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↑ ノーマル

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↑ 白

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↑ ノーマル

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↑ 白くても身はサッポロマイマイに多い縦筋。

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これはちょっと左目が悪い個体でした。

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カタツムリ図鑑によくある角度の写真。

河川敷には爬虫類も。

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ニホンカナヘビももうすぐ活動休止だね。

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寒くなると幼体くらいしか見れなくなるけど、その幼体でもここのところの冷えはきついらしく、あんまり走り回れてなかったな。

釣り竿があったので、竿入れてみると、

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ニジマスが釣れた。久しぶりに20cm超えた魚釣れた^^ もちろん食べた。塩焼きしたけど、醤油に1日つけてから食べたほうが良かったかな・・・?

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白子でかくて、繁殖する気満々だな・・・と思った。(ニジマスは移入種)別の川では大型のサケ科の魚が遡上しとります。

ぱっと見でわかんないけど、

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長めの体してるからサケ(シロザケ)かなあ。@真駒内川→たぶん真駒内川まで遡上できるのはサクラマスという結論になりました(2018.10.03追記)

別の近所の川ではこれがいました。

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サクラマス。(で、いいはずだ・・・)久しぶりにPLフィルターの威力を感じたけど、やっぱりかなり暗くなるから、ぶれるね。

この川の近くの河川のヤブには、タヒバリ系の鳥が見え隠れ。

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あー、この辺の識別はわからんのじゃ~。ビンズイなのかな。セキレイのように、尾を縦にピコピコ振ってた。

公園では相変わらずエゾリスが忙しそうです。今日は仔リスと若めのやつがウロウロしてました。

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昆虫では、大きな森でシロトホシテントウが、さらに白くなって死んでたり

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マッチョで肉肉しい体型のシラミバエ系のやつとかいましたね。

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シドーっぽいのね。この肉肉しい腕で、わしっとしがみついてくるので、たいへん鬱陶しい。

クマゲラ探してたけど、クマゲラはおらず。でもそのかわりに

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ヤマゲラ。久しぶり!

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オオアカゲラも久しぶり!同じ木の上と下にいました。ところでオオアカゲラって

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究極のツリ目だったのね。

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滝野イベントと5月3日ハープソン

今回は5月3日に行ってきたフィールドの記録です。
(※ハープソンの地図のメッシュ番号はこの地図で確認しています)

5月3日 札幌市南区滝野すずらん丘陵公園 メッシュコード644132(石山)

この日は滝野すずらん丘陵公園での、両生類イベント。「エゾアカガエルのたまごを探そう!」でした。今年は公園ではエゾサンショウウオの産み始めが遅くて担当の方々も心配していましたが、無事産卵も進んで、お天気もよく、ゆっくりうららかにイベントが進みました。イベントの開始前に、こんなものがいました。

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コルリ♂。すごく久しぶりに見た気がする…。春先は、こういった鳥が建物に当ってしまったりして落ちていることが多いようですね。この子は、脳しんとうを起こしたらしく、しばらくこんな感じでしたがスタッフさんに後で温めてもらって、イベント開始時に放鳥されました。飛んで行けて何より。

イベントでは、産んであるエゾアカガエルの卵を見ながら、

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エゾサンショウウオの卵嚢もひとつ拝借して観察、(今回は双子はなかったようですね)

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スマートフォンでしか写真撮ってなかったので、twitterの引用ですが、この公園敷地内では一部、エゾサンショウウオの越冬幼生が見られますね。


最後は冬水を残していた田んぼで生き物を観察します。冬水田んぼも年によって水位も違うので、越冬の可否によってか、生き物の相も若干違いますね。今年は例年見られるモノアラガイ類やツチガエルのオタマジャクシは少なかったように思います。

それでも、イベント終了後まで残っていた家族がツチガエルの越冬幼生を1匹見つけていました。

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上からだとわかりづらいので、横から見て目の黒十字模様を確認。

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撮り方が適当すぎて、証拠ギリギリの写真になってしまいました。ツチガエルで自分個人のハープソン3種類目。この日は暖かかったせいか、ニホンアマガエルの幼体がちらほら見つかっていました。

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この大きさのニホンアマガエルは非常に可愛いね。ハプ4種目!ご参加下さった皆さまと、滝野すずらん丘陵公園のスタッフの皆さま、ありがとうございます。この後、石狩方面におつかいがあったので、大きく移動していきました。

5月3日 札幌市手稲区前田森林公園 メッシュコード644152(銭函)

過去に、アズマヒキガエルの写真展示を拝見する機会があり、写真のキャプションで札幌市手稲区の前田森林公園で撮影とありました。ずっと気になっていたので、ヒキガエルの様子を見に行ってみました。(ヒキガエルは北海道では移入種です)結論から言うと、両生類は確認できませんでした。いろいろ、思っていたのと違って、森林の公園というよりは、市民が憩う都市公園でした。(だから逆にヒキガエル持ち込まれててもおかしくないかも、という考え方もできるんだけど)

水場はいくつかあったけど、大きな水路は綺麗に整備されていて、特に両生類は見られず。公園脇の川(用水路?)でも、特に両生類の姿はなく。一番あやしそうな池は、ほとんど水が抜かれていたので、こちらも姿や卵はありませんでした。(少し水の残った湿地があったけど、こちらも何も無しでした)この日、ヒキガエルはたまたまいなかっただけかもしれないけどとりあえず、少しホッとしました。

が、他の両爬も見られなかったので、記録なし。このあと石狩でお使いをしてきたんだけど、石狩へのお使いは、ヒキガエルの駆除個体(冷凍)の受け取りでした。石狩灯台近くの親船周辺で、ヒキガエルの発生が見られており、今年、名無沼という場所に産卵に来る個体を試験的に駆除する活動が行われています。

石狩で冷凍されたヒキガエルの死骸は、このあとは、うちの個人の冷凍庫で冷凍して、専門学校の授業での解剖に使用する予定です。が、駆除個体も5月3日の時点で200に迫る勢いで、うちの冷凍庫が一杯になってしまいました。

外来種の有効利用はするべきではないという考えもありますが(産業的に軌道に乗ってしまうと、「駆除しきってしまうと産業がなくなる」という考えも出てきて、本末転倒になることもあるので…)とりあえず、ヒキガエルは学生さんの知識になってもらう目的で解剖用に保管はしていきますが、毎年、逐一、考えて行かないとならんですね。

せっかく、家から少し離れたところに来たので、ヒキガエルのパトロールをしてみましたが、この日は昼に動いてたこともあり、姿は見られず。帰宅方向で池などがあれば観察して戻りました。

5月3日 当別町スウェーデンヒルズ メッシュコード644163(太美)

少し大回りして、当別町を通過していくと、途中の森に融雪プール状の池があって、水芭蕉もいくらか見られたので、それなりに長期に水があると思って覗き込むと、ばっちり両生類の産卵がありました。

エゾアカガエルの卵塊。

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だいぶ夕方の薄暮状態で、水面の反射がひどくて

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エゾサンショウウオの卵嚢もあるのに写りにくいよ!望遠+PLフィルターがあれば楽だったなー…。

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池をぐるぐるまわって、かがんで角度変えたりして、なんとかかんとか証拠になる程度の写真が撮れたのでよかった。この日はこれで日没試合終了。(夜のヒキガエルパトロールは体力の限界でやめました)次にフィールド出るのは、いつになるかなー。

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Twins ふたご…?

雪がまだ時おり降っている札幌ですが、積もった雪はほとんど消えて、春は確実に進んでいますね。無事にエゾアカガエルの卵塊も見ることができ、今年の両爬は2種類みれました。3種目はツチガエルかヒキガエルあたりになるのかな?(移入種だけれども)

今年の、初見だったエゾサンショウウオの池を見てきました。基本的には警戒心強いので、水草に潜り込んじゃうんだけど、ぼーっとした個体は写真撮りやすいね。

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そしてこの池にも、今年の初のエゾサンショウウオの産卵が見られました。

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とりあえず、産卵があると写真を撮る習性のある自分ですが、撮った写真を整理していて、今回は面白いもの見つけた。自分としては、かなりスゲーレアもの見れた気分なんだけど、一般的に価値があるものなのかどうかはよくわからない…。じつは上の写真にすでに面白いもの写ってるんだけど…。

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これだ!おお、すげえ!生まれて初めて見た!、と思う…!

アップにしてみると

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これ。ひとつの卵膜のなかに、2つの胚が!

後ろの卵の胚がたまたま位置構造的に同じ卵内に入ってるように見えてる(アーキテクト)のかと思ったけど、別カットの写真から抜き出しても

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やっぱ同じ卵内に2つ胚がある…。

これ、実は写真撮ってるときには全く気付いてなくて家で写真整理してて、気が付いたのね。鶏の卵でいう、ひとつの卵に2つ黄身が入ってる状態。お得感あふれる幸せ卵だね。

鳥の卵では、2つの胚が排卵された後に同じ殻でくるまれてしまうことで双子卵ができることがある。(二卵性双生児)いろんな動物で胚が分裂中に2つに分かれて双子になることもある。(一卵性双生児)

このサンショウウオの卵は分裂前の胚が2つ入ってるので二卵性の卵なんだろうな。両生類の卵がメスの体で出来上がっていく過程がよくわからないので、これ以上のことはわからないけど、とにかく面白いもの見た。一度の産卵の子供たちをすべて双生児的に言うなら、サンショウウオなんて百卵生百生児みたいなものなんだけど、1卵に2つの胚が入ってる両生類の卵は初めて見たよ。

近日中に、この卵のその後を見に行きたいけど、たぶん、この卵嚢の周りにほかのサンショウウオが卵産みつけてどれがこの卵嚢だかわからなくなってそうだ。

エゾアカガエルとエゾサンショウウオの産卵は、フキノトウが出て少しすると始まるイメージだけど、産卵開始後に出てくる花たちも増えてきた。(いわゆるスプリングエフェメラル)

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エンレイソウや

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キバナノアマナ(かな?)

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エゾエンゴサク。このあたりが池の周りの常連の花。ほかにミズバショウも一部、花をつけてきています。

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シマエナガも巣材を運びながら忙しく飛び回っています。

そして私は、出たり休んだり、それなりのペースで生活しています。とりあえず、いきてますよー。あ、そうだ、あさってからハープソンの期間が始まりますよー^^

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産卵してあった

エゾサンショウウオの越冬幼生で今年の初両生類フライング(4日前)でしたが、今日は札幌市内で産卵確認してきました。半年ぶりに水面下を見たので、最初は水面のキラキラとか、浮遊物でよくわからず、見つけられなかったけど、慣れてきたら

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お?あったあった。

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ここに2対。エゾサンショウウオの卵嚢、お久しぶりでした。色んな所をゆっくり探したら、見えるやつで全部で11対あった。

エゾアカガエルもあると踏んで、池の周りをぐるぐる、ぐるぐる探してみたけど、ない…。ないはずはないと思うんだけど…。捜索範囲をササヤブの向こうまで広げると

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あった!エゾアカガエルの今年初の卵塊。まだ膨れきっていないから、ここ数日の産卵かな。胚がまだ、ツブっとしてて、産みたて感が満載だった。両種とも産卵の自分での確認は今季初。両生類のシーズンインですね。

冬っぽいこれらのメンツはそろそろサヨナラですな。

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マヒワ♀型。

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マヒワの綺麗なオスでした。

自宅の庭の雪もだいぶ解けて、去年の秋に期待して植えたギョウジャニンニクが
いつの間にかいい具合に伸びてきてた。

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先っぽを刈り取れば、また生えてくるけど、株が死なずに取るならシーズン何回くらいまで取っていいものなのかな。2回取って3回めは茂らせてやろうかなー。

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黄色い鳥と赤い鳥

冬になると、いろんな意欲がダウンしていきますが、たまにいい感じの鳥を見てもカメラを持っていない。今年はレンジャクも、キレンジャクよりヒレンジャクのほうが多めに見えて、撮っときたいなとカメラを持ちだしたものの、カメラを持っている日はいないという日々。いまだ今シーズンはまともなレンジャクを撮ってないですね。(撮りに行っていないともいう?)

ヤドリギとか、実らしい実ももう無くなっちゃったから、春にちらっと見れたらまた来年かな。例年、市街地のナナカマドの実は売れ残っていることが多いのだけど今年は早々にみんな食べられてしまった。

今年は道央でギンザンマシコがパラパラ出ていたみたいね。ギンザンマシコのせいかな…?

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珍しくカメラ持って出てた。ラッキーの図。

ギンザンマシコは、すごく久しぶりに見れた。網走で10年位前に樹冠をパラパラ飛んでる姿見ただけだったから、結構嬉しいね。

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食べるだけ食べたら、やっぱりいなくなっちゃったね。

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2013年4月の福島

アップして良いみたいだったんだけど、なかなかどうやってまとめたものか…。

ということで、ずっとまとめられなかった4月後半の福島での生物に関する調査について軽くアップです。

福島県は2011年の地震・津波・原発事故など、とても酷い災害が起こり、被災地に関してはもちろんのこと、環境面でも気になることが続いたところでした。今回(2013年4月)、人のつながりのお陰で、福島県内での生物(両生類・甲殻類+魚類少し)の調査機会を得たので、行ってみることにしました。目に見える生物への様々な影響も気になるところです。

仙台空港に降り立つと、とても綺麗で活気もあり、津波が押し寄せた場所だとは思えないほどでした。2年経てば、狭い範囲なら復興するものなんだなと思いましたが、レンタカーを借り、福島県相馬市に向かうに連れて、その考えは改められていきました。

ひっきりなしに土砂や瓦礫を運ぶダンプが行き交い、海岸線の道路の周りはほぼすべて更地。瓦礫こそだいぶなくなっていたが、生き物の匂いのしない、いわゆる荒地が広がるばかりだった。中には、所有者がいなくなってしまったのか、取り壊す金銭的な問題なのか、取り壊されていない家がポツン、ポツンとあり、そのなんとか建っている建築物は地震や津波の影響で大破していた。

地震と津波か?

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1F部分が津波に流されている

0423minamisoma_fukei (4)内側のものは洗いざらいなくなってしまったのだろうか?

周りの更地には、およそ生物のいるような雰囲気はなかったが、塩害に強い植物なのか、草本がポツポツ生えていた。回復への第一歩と思いたい。


今回、宿としたのは相馬市の松川浦にある「いさみや」さん。目の前が松川浦で、例外なくこの建物も津波に襲われていた。目の前の電柱は激しく傾いていた。

いさみやさんでは、津波を忘れないために、写真や津波の押し寄せた高さを示すラインが残してあった。

今回の調査のメインの目的はサンプル採りでした。生き物たちにはかわいそうだが、一定量を冷蔵して研究機関に送り、それらの生物が蓄積している放射線量(Bq)を計測するためだ。

私とHHS副会長のT氏が入った地域では、すでに過去にサンプル採りが行われていて、過去の採集データと照らして対比できる生物、その他の生物を採るのが主な仕事だ。地の利がない2人での仕事だったが、過去の調査地があるので、そこを中心に調査した。また前回調査よりも両爬においてはより種分類を細かくして送ることにした。

生物に蓄積される放射線物質は食物連鎖に起因するものが多いと思われ、同じ「カエル」でも吸盤を持つニホンアマガエルやシュレーゲルアオガエルは垂直な場所も登ることができるため、羽で飛び回る昆虫も食べることができる。羽のある昆虫は幼虫期の生活場も多様(水中・土中・樹上など)。対してアズマヒキガエルやツチガエルのように、アリなどを中心として地上徘徊性の昆虫を食べるものなど餌の住処によって体に取り込まれる放射線物質の物質量も違うはずだと思ったので、細かく分類しました。

結果はおそらく、本年中に公表されると思います(2022年公開終了した模様です)もし、結果に様々な差が出るようなら、興味深いことです。

河川を中心に調査して得られた生物は多岐にわたり、ソート(整理)や識別がかなり大変で寝不足になる日もあったけれど、なかなか充実した作業でした。(不謹慎でしたら申し訳ないです)

調査は4月下旬だったので、ヤマアカガエルやアズマヒキガエルのようなものは産卵も見られたが、見つけたものに関しては、見た目で目立つほど異常を起こしているものは見られなかった。成体も特には異常状態のものは目につきませんでした。

ヤマアカガエルの卵内の胚も育ってる(死んでるのもいるけど)

こちらもヤマアカガエル


ちょうどいい時期だったみたいだね

おそらく繁殖でエネルギーを使い果たした痩せたオスも見つけました。

ガリガリですね

こういうオスは、他の地域でも繁殖期直後では見られるものなので、ご心配なく。

アズマヒキガエル卵紐(らんちゅう)

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アズマヒキガエルの親御さんも池にいた。道路脇で写真撮ってたら、後ろ足で穴掘ってどんどん埋まっていきます。ヒキガエルはじつは後ろ足が穴掘りに適しています。

放射線の影響で、卵・精細胞が影響を受けるものもあるかなと心配していたが、見たものでは大丈夫そうで少し安心しました。

しかし、調査地によっては空間線量(μSV)は決して低くない場所もありました。(除染の目安の値は超えていました)丸一年その場所に座り込んでいる場合には基準値の1mSV/年は、余裕で超えてしまいますが、なるべく効率よく調査をして早めにあがるよう心がけました。

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ほとんどの場所はこういう低い値だけど、線量が高いとされる地域ではやはりしっかり値は高かった。

強く印象に残ったのは、ところどころの道路封鎖。


原発に近づくに連れて南相馬市-双葉町間や飯舘村内で、災害対策基本法による道路封鎖がされていた。


封鎖の先にも、普通に住めそうな家が並んでいるのに・・・。目に見えない影響は、とても異様な気持ちにさせられました。

本州の本格的なフィールドは久しぶりで、改めて勉強になることがたくさんありました。また勉強と反省を活かして次の調査に臨めればと思います。また、9月に調査に行く予定ですが、また緑が増え、生物が増え、行けるところも増えていくことに期待しておきたいところです。

以下、福島県内での生物写真と短いコメント。

モクズガニ。川に産するカニとしてはとても大きくなる。

ギギギバチ。ナマズ系は見てて和む。普段、川の中を観察することがないから、ギバチに会うのも初めて。大変可愛らしい。自分の好みは純ナマズ系列のようだ。

キジ。大変多くの個体を目にした。放棄された畑が多い、人が少ないなどの震災の影響だろうか。

ツチガエル。北海道では移入種とされるが、東北では在来。地方によって性染色体の性決定機構が違う集団があり、よく言われるXX(♀)-XY(♂)型と、ZW(♀)-ZZ(♂)型があり、しかもそれらが複雑にからみ合って、…と、いうものを読んだことがある。が、遺伝関係はメンデルの基本以上がわからない自分には、まだ理解できない。

コオニヤンマ。トンボ類は、基本的にはヤゴでも識別できる。が、基本情報が頭に入っていないと、どこを見れば識別のポイントになるのかがわからなくなるので、これは場数を踏んだほうが良い。ちなみに、平べったくて腹のでかいこのコオニヤンマのヤゴはかなり異形なので、識別しやすい。

コヤマトンボ。一見、クモのように見える脚の長さのコヤマトンボ。これもかなり特徴的。

スジエビ。いわゆる淡水の透明系のエビ(よくモエビとかカワエビと言われる)のひとつ。やや大型化するのと、脚の長さ(テナガエビ科)、目の位置(でも微妙)で後者のヌマエビ系とは見分けられる。

ヌマエビ。淡水の透明系のエビ(よくモエビとかカワエビと言われる)のひとつ。最初はスジエビとの識別に骨が折れた(色が個体差が大きい)が、慣れてきたら、脚とかチェックしなくてもわかるようになってきた。言葉には出来ないんだけど、触ったりしているうちに、脳がフォルムの違いを覚えたようだ。

スナヤツメ。何度見ても、異形で面白い。まだヤツメウナギ食べたことない。カワヤツメなら食べれるお店ありそう。(スーパーでは売ってなかったよな…?)

アメリカザリガニ。調査でちょっと苦労。淀んでやや「汚な目」の場所を好むのでそういう場所以外では見つけられなかった。

ニホンアマガエル。4月下旬とはいえ、桜の最盛期だったので、寒くて見つけられるか不安でしたが、何個体かは雨の日に路上に出ていました。もちろんまだ全く鳴いていませんでした。

シュレーゲルアオガエル。北海道にはいない、アオガエルの1つ。これも正直、見つけにくいカエル(たくさん鳴いてるのに)。雨の時に道路にいたのを捕獲。そしてやっぱり体重は軽い。

サケ科のほっちゃれ。意外と数があった。遡上数が多いのかもしれないね。

死骸が草に咬みつくわけはないので、誰かがくわえさせて遊んだのかなと思ったけど、

2本の植物による共同作業(頭起こす草と、口を支える草)の合作だったようだ。大したもんだよね。

ウシガエル。4月下旬でも、これはオタマジャクシで越冬するので、簡単に見つかるとおもいきや、これも苦労した種類になった。4月下旬はまだ活動期ではないみたいで、水中の泥の底の結構深いところからだけ採れた。生きたまま持ち運ぶのは、いまや外来生物法にて禁じられているので捕獲場所で冷やして落として、サンプリングでした。

ニホンイモリ。これも北海道に住んでいないので懐かしい両生類のひとつ。

一見、可愛くないし、毒もあるので敬遠しがちだけど、時間をかけて観察してみるとなかなか表情があって、深い生き物。(今は可愛く見えるようになりました)

シマヘビ。爬虫類はサンプリング対象外でした。これは側溝に落ちて登れなくなって出たそうにしてますね。

出してみたけど、不機嫌な顔つきです。そういう顔ですから…。

シマヘビの幼蛇もいました。ちょっと意外だったのですが、枯れたヨシに登っていました。何をしていたんでしょうね…。シマヘビの幼蛇は、あんまり目につくところにいないんですが、意外と立体的に動いていて目につかないのかな。

…とまあ、いろいろな生き物に会いました。一部の生き物には可哀想だけど、放射線量の測定のためのサンプルになりました。

生物を殺してしまうのは決していいことだとは思わないのですが、様々な災害に遭った生き物たちの影響をしっかり調べ、(あってほしくはないですが)万一、今後に災害が起きた時に、人間も含めた、生物環境へどう取り組んでいけばいいのか、を考えるための、資料になってほしいと思います。

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宮古の思い出(2013.5) Part4/4

思い出しつつ、2017年に書き起こしています。

ウミヘビに続き、海の生き物を。

うげっ、と思った人(自分もそっち寄り)も、ちょっとよく見てみて。フナムシだけど、すごいキレイなんだ。思い切って近づいて写真撮ってみると、意外と悪くない顔をしています。

なんて種類だろうね。以前ネットで見た、久米島のフナムシもキレイだったけど、これもかなり綺麗でした。

宮古本島でヒメヘビやサキシマスベトカゲを探していたんだけど、あんまりいい感じのところが見つからず、結局見つけることができなかったので、伊良部島に渡ってみた。
2013年はフェリーで行ってたけど、2015年に宮古本島から橋で行けるようになったのね。利便性は上がったけど、いろいろ心配もあります…。

伊良部島ではわりとあっさりサキシマスベトカゲを発見。やっぱり小規模でも森林大事。

あんまり大きい個体の写真が撮れなかったけど、中サイズくらいまでは、わりとたくさん見ることができた。

歩いてて、踏み抜いてしまった腐食した木の中から複数の卵が。ごめん…。たぶんサキシマスベトカゲの卵だと思う。腐葉土とかでカバーして置いたけど、ほんとごめんね。

クワガタも見つけたけど…大きくはない。種類はわからない。

結局、今回はヒメヘビは見つかるに至らず。見たかったけど仕方ないよね。代わりに

ブラーミニメクラヘビは少し見れたけど…宮古本島で。

両爬以外は殆ど行き当たりばったりなので、ほとんど種類はわからない。でもいつか役に立つかもしれないと思うと、一応写真は撮っておく。そして無駄(?)なデータが増えていく…。いずれちゃんと種類がわかったら、書き直しや写真のフォルダ名に種名つけているので直せるように対応はしていきたい。

帰る日も近づいてきており、夜のフィールドも終わりに近づいて来て、下ばかり見て地面系のものしか見ないのも勿体無いので、少し上を見て歩き始めた。その途端、

うぇっ?!キンバト!びっくりした、すぐ上にいた(寝てた?)。可愛いけど、間違いなく迷惑に思われているはず。目をそらさず、大きな動きをせず、遠ざかっておいた。(熊と会ったときのように)

オキナワツノトンボかな。ツノトンボね。トンボの仲間じゃなくて、アミメカゲロウの仲間だけどね。

立木だから踏み抜きはしなかったけど、樹皮の隙間に何かのヤモリの卵は産み付けられていた。こういうのもあるから、樹木を他の地域に移動させると、移動先で見たことのない生き物が発生、という事態も起こりがち。

すごい樹上でギャアギャアバサバサ言ってるので、見てみるとヤエヤマオオコウモリ。

わりと他の個体とコミュニケーションしてるみたい。エサ縄張り争いなのかもしれないけど…。

やっぱ飛ぶと大きいね。Flying Foxかっこいいね。

夜の森を歩き回っていると、今回の旅で一番絶滅危惧が心配されるランクにある絶滅危惧ⅠAが草の上で寝ていた。

しっぽ長い!ミヤコカナヘビです。起きちゃったけど。

2016年には種の保存法でも保護される国内希少野生動植物種の指定を受けています(捕獲禁止です)が、本当に生息できそうな場所が多くないので心配この上ない種類です。出会えて非常にラッキーですが、2017年には宮古島の外来種のイタチのフンからこのミヤコカナヘビの骨が出てきたという報道もあり、環境悪化に加え、踏んだり蹴ったりの生息状態なので、ぜひ、こんな調査もあるので、見かけた人は情報提供してみてください。

森のなかで夜が明けてきました。周りが明けてくると見たくもないものが目に入ってきます。

ゴミマットレス。ひどい。わざわざ森に捨てに来るのか?植物生えてきてるし…。拾って捨てるには一介の旅行者には大きすぎるので、避けて隅っこにたたんで置こうと思ってめくったら

あっ…。ミヤコヒバァ!!(初めて見た)こちらも2017現在、絶滅危惧ⅠBの指定種です。

嬉しい気持ちもこみ上げてくるのだが、さっきまでのゴミに対するやり場のない怒りはどうしたらいいんだ…。というか、マットレスがシェルターになってたんだったら、片付けないほうが良いのかね…。
もちろん、新たにゴミを捨てるのはダメだ。でも、捨てタイヤの下とかに両生類や爬虫類が潜むという事実もある。自然の状態の、こういう隠れ場所に適した地上物がたくさんあることが望ましいけどね。
ゴミ捨て場だと、ゴミの下に集ってきた個体が、廃棄された毒劇物をかぶって全滅する可能性だってあるからね。
爬虫類や両生類が見つかるからと言って、ゴミの不法投棄は一切擁護しません。

しかし、寝込みを襲う状態になってしまったわけだけど、寝込んでいたのも目を見れば納得の脱皮前状態。体色もくすみがちで目も白く濁るこのタイミングでこの動物に出会う運の悪さというか、良さというか…。

やんちゃそうな顔した、いいヘビですな。決定的な種の存続のダメージが行く前に、いろいろ良い方向に行って欲しいです。そしてまたの未来に、目が濁っていないミヤコヒバァの写真を撮りたいものです。(もちろんゴミの下にいないやつね)

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宮古の思い出(2013.5) Part1/4

思い出しつつ、2016年に書き起こしています。

2013年の5月に、久しぶりに沖縄方面に行って動物を見てきました。今回は昔みたいにアイランドホッピングするのは難しいので、宮古島(と、行ければ伊良部島)でフィールドをしてきました。

宮古島は、13年ぶり。当時も他の島に比べると「大きな森がないな~」と言う印象でしたが、今回はもう少し、前より両爬的にいいとこが減ってるような印象を持ちました。(すべてをチェックしたわけではないのですが・・・。)

宮古島の環境は比較的平坦な島のためか、サトウキビ畑に利用されている土地が多く、

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農業用?の池や

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畑作地が多いですね。

所々に、やや小さめの森林が残されています。

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ウタキ(御嶽)などの場所を中心に林が残ったりしています。

旅の過程は、もうだいぶ忘れてきているので^^; 写真を出しながら、4回くらいの更新で、記録を残しておこうと思います。

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アオバズク。南西諸島の夜には比較的よく見るフクロウ系統の鳥でリュウキュウコノハズク同様、電線で見ることが多いです。

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ミヤコヒキガエル。アジアヒキガエルの亜種とされていて、日本では宮古諸島で見られる。大東諸島に移入されてしまっています。日本のヒキガエルのなかでは、小さめの印象。体色のバリエーションは比較的豊富。

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道路にもよく出てくるので、宮古島に行くと毎回結構な数を見ます。

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謎のブリッジでフリーズしてしまいました。

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背中には毒腺のあるイボが多数あるので、背中出して丸まるなどの行動ならわかるけど、弱点の腹を丸出しにしてフリーズするのは・・・よくわからん。

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八重山諸島や宮古諸島に多く見られるヘビ、アカマダラの亜種サキシママダラですが、八重山のサキシママダラより、白い帯の境目がはっきりしてて、頭が薄い色のものが多いです。

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ちょっと黒い斑点部分の色使いがインク切れプリンターのような、霞んだ感じになってます。

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マダラヘビっぽく、頭ひらため。

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つぎはヤモリ。数年経ってると種同定があやふや!

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これはホオグロヤモリ。これは確実。大丈夫。なはず・・・。

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ミナミヤモリ。ヤモリが走ってるとこ写真撮ると、全部指が反ってるんだよね。面白い。

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ミナミヤモリの完全尾かなー。

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ミナミヤモリの若め。

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森のミナミヤモリ再生尾。ヤモリは正直、模様の見た目は参考程度なんだけど、ミナミは背骨に沿って白紋が出やすいね。

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オガちゃん、こと、オガサワラヤモリ。尾を横にくるっと巻く姿も多い。日本にいる個体群は四肢の付け根に黒い点があるね。

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ぱっと見でも、尾の黒斑が目立ち気味。

基本的に夜に行動しているトカゲの仲間はヤモリになるんだけど、夜のフィールドでは昼のトカゲも見れないこともない。

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起きて睨まれてるけど、草に捕まって寝ているサキシマキノボリトカゲや
カナヘビの仲間が見れたりもしますね。

南西諸島では昆虫を見る機会がすごく多いけど、写真撮ってるのはやっぱり、見てインパクトを感じやすいものや撮りやすいもの、それと最終的に好きな分類群に偏ってきますね。

これはすごい好きなわけではないけど、インパクトのある分類群。

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スジグロカバマダラ。群れて寝てるのに出くわす。

ヘビでもマダラは好きだけど、蝶でもマダラが結構撮ってある。

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リュウキュウアサギマダラ、かな?マダラチョウは大きめで目立つところ飛んでいるので目につきやすい。

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ツマムラサキマダラ。これね、羽開いてると、すげーきれいなチョウなんだけど、寒かったのか、全然羽を開いてくれず・・・。

好きな分類群だとやっぱりテントウムシが撮ってあった。

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2013時点で写真整理してたフォルダには「ジュウニマダラテントウ」って書いてあったけど、よく見ると小さい斑点があるし、その小さい斑点の位置をみるとニジュウヤホシテントウと同じだ。

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ニジュウヤホシっぽいなー。宮古に来たから、別の種類だって思い込んでたよ。ありがち、ありがち。

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北海道来たら、この大きさの長いカタツムリを簡単に見れなくなったので、(極小のものはいるようだ)こういうのいると、なんとなく撮ってしまう。沖縄なら普通にいるんだろうけど・・・。

キセルガイの仲間。結構好き。「マイマイがアンモナイトならキセルガイはベレムナイトだもんね。」

って書いてから、久しぶりにベレムナイトの画像見に行ったら、自分が子供の頃に「ベレムナイト」って教わった生き物は画像に全く引っかからず、ほぼイカじゃん・・・、という画像が並んでた。子供の頃にそう聞いていたのは、オルソセラスと言うのだね。訂正しとかないと・・・。

マイマイがアンモナイトならキセルガイはオルソセラスだもんね。

・・・韻も何も踏んでない・・・。

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今回の最後はアシヒダナメクジ。

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いわゆる一般的なナメクジとは分類が遠く、ザラザラしててあんまり粘つかない。かたそう。ナメクジもアシヒダナメクジも、巻き貝の仲間である軟体動物門・腹足綱の動物だけどナメクジは一般的なマイマイと同じ有肺亜綱・眼柄目。アシヒダナメクジはイソアワモチなどと同じ後鰓亜綱・収眼目。

うまく例えられるかわかんないけど、綱の段階では、哺乳類や爬虫類くらいの差の開き。目の段階では、ネコとサルくらい離れてるってイメージかなあ。ちなみにネコと同じ目の仲間には、オオカミもトラもイタチも含まれるので、目より上位の亜綱が違う、というのは相当かけ離れた仲間と言っていいのかもしれないね。

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太い Falco

このフィールドは3月に見てきたものです。遅めにアップしました。場所についてはご容赦頂ければと思います。

今冬は、シロハヤブサを見る機会がありました。かなり昔に、オホーツクで遠くを飛翔する姿をチラ見していたのですが、今回はゆっくり観察することができました。

友人が見かけたという場所に確認に行ったのですが、寒いところを待つ観察をすることになりそうだったので、近くで、あったか~いコーヒーを買っていると、すでにそれらしい姿が上空を飛んでいました。

遠くで見た時、それから図鑑で見ている時は「大きめのハヤブサ」というイメージだったんだけど、やや近い距離で見ると、「太いハヤブサ」がしっくり来る感じ。シロハヤブサ、図鑑の淡色型はびっくりするくらい白いけど、今回見れたのは中間型とよく言われるタイプみたい。

シメたちがたくさん群れていて、それらを狩るためにシロハヤブサは来ていたようです。シメたちも、部分的に雪がなくなった土の上で採餌してて、他の場所は雪で土が出ていないので、そこにいざるを得ない感じでした。シメも大量の群れを形成することで、一部が捕らわれる間に他が生き延びるという戦略をとってるようにも見えます。

シメの天敵はシロハヤブサだけにとどまらず、様々な猛禽に狙われていました。

Otaka

びゃーっと飛んでいったので、見てる時は何が何やらわからなかったけど、写真撮っておいて拡大したら、どうやらオオタカのようです。私の方気にしています。遠くからガン見されたので、ちょっと別の場所に移動しました。

Haya

ノーマルのハヤブサですね。遠くからすごいスピードで飛んできて、すぐ近くの電柱に。尿があるところからすると、お気に入りの場所なのでしょうか?やはりガン見…。居場所ないです。

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これはチュウヒの仲間。ハイイロチュウヒっぽく感じるんだけど、
自分には識別の決定力がなく、チュウヒ類の茶色マダラパターンが出てくると識別きついっすね。この個体は車で見ている限りは比較的、おおらかに探餌していました。

シロハヤブサの行動はよく観察することができて、とても良かった。ずんぐり体型からくる、飛翔の力強さはさすがで、本気の飛翔時は写真の枠に入れるの大変ね。ちょっと遠くから観察しててちょうど良い感じでした。

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尾羽全開、かっこいい。

S_haya (2)

大きめトリミングだけど、捕まったシメが脱力してます。猛禽に捕まった小鳥やカモは捕まった瞬間から脱力する物が多い傾向に感じるんだけど、直接致命傷を負っていなくても、スイッチが切れるようになっているのかな?

この記事の一番最初のシロハヤブサの写真と顔のヒゲ(?)の様子が違うので、これは別個体のシロハヤブサなのかな。

S_haya (4)

猛禽全般に言えるんだけど、調理(羽をむしる)はどこかに停まってやってる感じがするのだけど、しばしば、狩り成功の直後に、空中で獲物をクチバシでつつきまわす行動も見かけます。絶命させるためにやってるのかとも思ってたけど、狩りの成功でとてもハイになってるんじゃないかという意見もあり。

人間で言えば、スポーツで得点を決めた時のガッツポーズやアピールみたいなものなんですかね。それだったら、なんとなく猛禽たちの気持ちもわかります。

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気になる上空

はかどっても終わらない事務仕事は、持ち出すに限る。いつもだと、喫茶店に寄生させて頂いて読み物、書き物、調べ物、企画の殴り書きをしている。

今朝は、なんだか朝のうち、気持ちいい薄曇り天気だったので、裏山に行って車内で持ち出しの仕事をしていた。

それほど山奥まで行かなくても、見晴らしのいい小高い丘がある。夏はヨタカがやってくるところなので、お気に入りの場所。この丘の先は雪崩れそうなところがあるので、ちょっと先に進むのは怖いかな。

冬は実りの少ない森なので、ほとんど鳥を見かけることはないんだけど、車内で書き物をしていると、ピーピー鳴く猛禽の声が聞こえてきた。

トビすらもほとんど見かけないところなので、珍しいなと思って見ると、クマタカだった。

久しぶりに見たけど、でかいなー。なんも生き物が目につかない冬山だけどこの巨体を維持できるだけの生き物(餌)は住んでいるはずなんだよね。

鳴かんかったら、気付かなかった。眼福でした。

…で、そのあとはクマタカの出現が気になって仕事が手につかなくなっちゃったので、結果的に良かったのか、悪かったのか…?

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