スネークセンターで

I went to “Japan snake center”. I held a consultation about the snake which I am investigating. And I took a photograph of a snake.

もう札幌に帰ってきちゃったけど、
関西~関東の締めくくりは群馬県のジャパンスネークセンターだったんだ。

行った日はぽかぽかだったので野生のヘビもいるかなと思ったけど、
カマキリばっかりだったよ。


カマキリsp.

オオカマキリかなと思ったけど、
写真ではカマキリ(チョウセンカマキリ)の可能性も除外できず、
カマキリsp.としておいたよ。

ところで、


カマキリsp.

すごくオデコの「顔」が気になります。
複眼と複眼の間のやつ。

ジャパンスネークセンターでは、
シロマダラの過去の資料をいろいろ見させて頂きました。
先日行った国会図書館と併せて、だいぶ増えたけど、
ほんとシロマダラは資料が多くないねー。

スネークセンターに行ったときは、少しヘビの写真も撮らせてもらいます。
ニホンマムシの変異個体がいるというので…


ニホンマムシ(スネークセンター飼育個体)

これは変な斑紋だね。
銭形紋が消失して、背骨にそって小斑点がならんでる。

ごくときたま、こういう個体が出てくるんだ。
ちなみに2年以上は生きている個体と思われる成蛇なので、
放射能の影響とかそういうことではないんだ。


ハブ(スネークセンター飼育個体)

ついでに撮らせて頂いた奄美大島産のハブ。
ハブと対峙するのは何年ぶり?か忘れてしまうくらいブランクがあって、
危険な距離がつかみにくかったんだ。

ハブの斑紋は、やっぱりきれいなんだよね。
奄美の染物の模様のモチーフになっていると言われてます。
アイヌの衣装の模様ともちょっとイメージ重なるね。

.
Baikada’s main website
Wild Home

動物園で(たまには日記)

たまには日記的にその日のことを書こうかな。

ここんところ、毎日シロマダラの抜け殻と蛇の資料とにらめっこで、疲れてきてました。

じゃあ、実物を見てこようということで、
円山動物園に。(公開初日でした)

あれ、全然ヘビから離れてないな。

ちょうどイベントをやっていて、
北海道希少生物調査会の寺島さんと
爬虫類両生類館の主、本田さんの公演を聞くことに。

でも時間より早く動物園に着いたので、
折角だから公開されているシロマダラを見てこようと向かったわけです。

で、さっそくシロマ。

シロ(ク)マ…。

数年前、シロクマツインズが話題になりました。

いやいや、マダラですよ。

マダラ…。

マサイキリンも赤ちゃんが生まれて最近の話題です。

でも白いマダラじゃないですね。

ということでちゃんと虹彩がグレーで瞳孔が縦長のシロマダラを。


いやいや、ユキヒョウだから。

ユキヒョウもツインズ生まれて話題になりましたね。

大きな子猫でした。

実はユキヒョウのこどもは、生で見れていなかったので、
ちょっとうれしかった。


肝心のヘビのシロマダラ先生は、
案の定お隠れ遊ばれておりまして。

かなり大きく写ってるんだけど見つかりますか?

許してあげて下さい、ものすごいシャイな生きものですから…。

時間になって、講演。

T会長、風邪で少し辛そうだったけど、
聴きやすくて、内容もわかりやすかったよ。
第一発見現場に、居たかったなぁ。

H飼育員のシロマダラの飼育レポートもとても良かった。
スライドにさりげなく忍ばされたネタの数々。
一体いくつあったんだろう…。

シロマダラの卵は、無事孵化して、
20cm未満の幼蛇が2匹生まれましたよ。

2匹の捕獲個体と孵化仔で全部で4匹。
これの形態を今、調べています。

でも、ヘタにいじくると弱りそうなほど小さく細いので(割り箸1本より細いかも)
いろいろ思案しているところですよ。

帰り際に再びシロマダラを覗くと、
別の場所にいました。

展示初日ということもあって、
まだ落ち着いてない感じでした。

今夜あたり、この中を探検して落ち着く場所を見つけるんじゃないだろうかね?

なお、絶賛脱皮期間中でした。
とても白いシロマダラでしたよ。

これはアミメニシキヘビの頭蓋骨。
お絵かき用に写真撮ってきました。

でも絵は、超絶下手糞なので
ヘビの頭蓋骨に見えればいい、が最終目標。

帰り際にはシロマダラのぬいぐるみを購入してきました。

鼻が擦れているのかな?何故かピンク色だけど。
あと舌が出てるといいんだけど。

何故か足が生えてるし…。

.
Baikada’s main website
Wild Home

カエルヤさんでお話ししてきました

いままでの講演関係は、子供向け(わんぱく)、一般向け(動物園)、夏休み企画(滝野)とやって来ました。
今回のカエルヤさんでは、カフェトークということにして
子供向けとはまた別に、足を崩してゆるゆるとした感じでお話させて頂きました。

題名は
プロジェクトK~挑戦者たち~ どマイナーな図鑑を作る
で、図鑑を作っていた時の裏話や、苦労した話などを
苦労した本人が笑顔で自虐的にお届けしました。

聞きに来てくれた方々とも距離が近く、
いろんな反応が間近で見れました。

構成は、

自分がヘビを好きになった経緯
図鑑を作りたいと思うようになった経緯
図鑑を作るまで(企画編)
撮影苦労話(両生類編)

休憩(カエルの鳴きまねをして遊ぼう)

撮影苦労話(爬虫類編)

のような感じでお話ししました。

途中休憩を挟んだのですが、
ここに企画を入れてしまったので
聞いてくれていた人たち、休めたのかな…?
というのが反省点でした。

あとは微妙に言い回しがヘタで
…という状況ですね~
みたいなことを連発した気がします。
もっと語彙を持ちたいですね。

 

.
Baikada’s main website
Wild Home

回遊水槽

体調の安定がなく、しばらくフィールドに行けていません。フィールドを楽しむためにはまずは体調を整えないとね。

少し前ですが、おたる水族館に行ってきました。

こちらではキタサンショウウオの人工飼育下で初の繁殖に成功されています。

とある本には、キタサンショウウオの繁殖期(地味色)と被繁殖期(明るい色)で体色の変化があると書かれているものもあるので、今の水族館の個体を確認したらなんとなくわかるのかな、と思って、撮影をさせてもらうのをお願いしました。

その写真は今回はこちらには掲載しません。
(ごめんなさい、またの機会に)

印象で言うと、背中の太い金色の線が、明るいピンクがかった色に
なっている個体がいました。
一方で、繁殖期と変わりなく、背中の太い金色の線が、
地味な茶色の金色を帯びたラインのままのものもおりました。
体色変化は、比較的容易に生息環境で変わる可能性もあるので、
まだどうこの結果を見ていいのかはわからないところですね。

さて、初めて、おたる水族館の中も拝見させていただきました。
外の施設(海獣関係)は今回は見なかったのですが…。

北の魚の展示がとても好きです。

「ホッケの幼魚は緑色をしている」

ホッケ
Arabesque greenling

ちょっとびっくりしました。青ものの魚みたいですね…。


フウセンウオ
Balloon lumpfish

これ系の魚、好きです。コンペイトウとかダンゴウオとか。
3~4cmくらいで、人間から見ると愛嬌があるように見える。
ゴッコ(ホテイウオ)もこれ系の魚だったね。


おたる水族館・回遊水槽

大型の回遊水槽では、今まで見た水族館では大型の渓流魚や、
マグロなど普段から泳ぎ回る魚が展示してあったけど、ここでは
オヒョウ(カレイ)やオオカミウオが回遊している。

オオカミウオが回遊しているところを見れる水族館なんてそうそうないのではないだろうか…。


オウムガイ
Chambered nautilus

オウムガイも生きてるのが展示してあって。
なかなか面白い!

他にもたくさん展示してあるのだけど、
私が面白いとおもったところを取り上げているので、
非常に偏っていますが、興味の湧いた人は見に行ってみると楽しいと思います。


おたる水族館・コツメカワウソ

.
Baikada’s main website
Wild Home

緑のどよんどよん(閲覧注意)

先日、H氏がニヤっとしながら、これを見せてくれた。
こ…これは!!ロイコクロリディウム!(いわゆるカタツムリの目に寄生する寄生虫)
動画なので、閲覧注意です。


Leucochloridium-ロイコクロリディウム- 緑のバージョン

.

今回見せてもらったのは、道央産。しましまがグリーンの混じるやつですね。
自分が撮影した札幌産は茶色いしましまでした。


Leucochloridium-ロイコクロリディウム- (手ぶれ修正Version)

.

個体変異か、別種か。宿主は同じオカモノアラガイだと思うけど…。
終宿主はどんな鳥かな?
日本ではどこで記録があるのかな?(一説には北海道と沖縄のみとも聞いたけれど…)

グロいものばっかりで申し訳ないんですが、
グロいモノが好きなんではなくて、単純に面白いんです。
興味をそそる生き物なんですね。私にとって。

しばらく、短めの記事を短期間でupするような更新形式を取ります。

.

Baikada’s main website
Wild Home

は虫類・両生類館オープン記念講演してきました

昨日は、とても長い一日になりました。
円山動物園の、は虫類・両生類館オープン記念講演の一演者を務めさせていただきました。
簡易な内容についてはこちらをご参考下さい。
(フィールドで感じる北海道の爬虫類・両生類

今回の講演は、広い年齢を対象にして準備していました。

本田さんの講演、斉藤先生の講演を聞いていると、
とても聴衆の方々が「ノリが良いな」と感じられる雰囲気があったので、
少々(かなり?)ハメを外した感じの講演会になっちゃったかも知れません。
序盤は結構真面目にやってたんですけどね(汗)

テンション高くなりすぎて暴走しないように気を付けていたんですが
「カエルの鳴きまね」のあたりから、聴衆の方々のやりとりが増え、
嬉しくなってしまい、かなりなお調子者状態になっていきましたね…。

でも、多くの方に「よかったよ~」と言ってもらえたので、
それがなによりのねぎらいとなりました。

しかし、テンション高く時間配分出来なかったのに
予定時間の45分で終わらせられたのが感動でした。
(たまたま終わったら45分でした…)

北海道の爬虫類や両生類のそれぞれの説明、
北海道という土地の出来上がりについて、
季節の移ろいに対しての撮影種の変遷、
トカゲとヘビの違いについて…。

などお話させていただきました。

クイズも積極的に聴衆の方々が参加してくださったので
とても有難かったです!

本田さんのとても慣れた話術と新は虫類・両生類館の設備についてのこだわり、
斎藤先生の手際のよいスライド進行と、「環境と建築物」がこれほど
動物園の「動物」にとって、そして観る「人」にとって、設備の配置や
適した設備などについての講演はとても勉強になりました。

会場の後ろのほうでは、パネルで私の写真を展示させていただいていました。
(こちらは7月3日まで展示されます)

.
Baikada’s main website
StreamLined Syndrome

表紙が完成!

ついに!
最終段階の表紙も出来上がりました。

北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑

まだ本の形にはなっていないのですが、
刷り見本頂いて嬉しくなったので、切り抜いて本の形にしました。
帯もできてきています(^^)。

インディジョーンズがポケットから出しても違和感のない
古代エジプトのヒエログリフ(神聖文字)の載った石版みたいっす。
冒険心をくすぐるような表紙になりました。

なんだかインディ・ジョーンズでテナガカミキリのオスが出てて、
初見の時にそれに気づいて、大興奮してたのを思い出しました。
(すごい憧れの昆虫だったりする)

確か「インディ・ジョーンズ・魔宮の伝説」はインドが舞台なのに、
テナガカミキリとか、おっちゃんが食べてたゾウカブト系とか、中南米系だし
大きなヘビの腹裂いて、小蛇がうじゃうじゃ~ってのも、
インドのニシキヘビ系(卵生)というより南米のアナコンダ(胎生)のイメージっぽいとか、
生き物屋として、突っ込むのが楽しい映画です。

しかし、多くの映画では気分悪く突っ込むことが多いのですが、
なんかこれは許せちゃうんですよね~。なんでなんだろ。

DVD借りてこようかなー。

…話がそれました。

中身もチラ見せしちゃいます。

オバケの中に見えているのは、アオダイショウの2ページ分です。
(オバケは本の装丁・デザインを担当してくださっている岡田善敬さんの作品です)

北海道には爬虫類や両生類が現在のところ19種います。
少ないのがネックでありましたが、逆に1種1種詳しく扱うことが出来ました。

ちなみにアオダイショウは6ページ分あります!

気になるお値段ですが、税込1575円です。
本屋さんで手に取ったときに「よし、買っちゃおう!」という値段に
かなり近づけたと思います。

発売日はまだ確定していませんが、
3月24日くらいを目指して、ラストスパートしています。

この本を作るのに、実に沢山の方が、
骨を折ってくださっています。

ほとんど完成に近づきましたが、
作成に関わってくださった人たちのためにも、
細かい間違いなどないか、チェックを続けています。

.
Baikada’s main website
Wild Home

祇苗島のシマヘビ

友人に面白い記事を教えていただきました。

シマヘビはどこからきてどう進化したのか

伊豆諸島神津島の東側沖合約1kmにある無人島-祗苗(ただなえ)島-に生息するシマヘビの寿命が30~40年であることを特定し、祗苗島のシマヘビの巨大化が長寿命と良好な成長に支えられていること、また このような体サイズの進化は島嶼に移入後、それぞれの島の餌環境に適応した結果であることを理学部生物学科の長谷川雅美教授と理学部コア・サイエンス・ティーチャー養成プロジェクト 栗山武夫 特任研究員らにより明らかにされました。この成果を報告した論文が “Journal of Biogeography”(英国)に受理され、10月のオンライン版に掲載されることになりました。

東邦大学WEBより

Journal of biogeographyの該当記事

もっと細かい内容は、引用元をご覧になってみてください。

この記事で一番気になったことは最後に触れることとして、
驚きをたくさんもらったので、それを簡単にいくつか。

  • 伊豆諸島のシマヘビが30~60万年前には島に分布していたこと

伊豆諸島は太平洋の沖の方向からやってくる、火山でできた島なので
ぶっちゃけ人間が何かの形で持ち込んだのだろうか?と思ってました。
氷河期に陸続きになったのなら、移動は簡単だと思うのですが、
陸続きになっていないとすれば、たとえ何個体かが漂流にて島に着いたとしても
安定繁殖できるほどの個体数がやって来れるのか、わからなかった。
縄文時代(1~2万年くらい前)だったら、伊豆諸島にヒトは居たみたいだから
人間活動にまぎれて移動できるけど、それよりずっと前の存在ということは
自力で移動したということなんだろうね。

  • 由来が東日本だけでなく西日本個体群も入っていること

単純に考えたら伊豆半島から進入するルートだけど、
西日本からはどうやっていったのかな。黒潮かな…?

  • 主にトカゲ捕食の島(伊豆大島)ではむしろ矮小化してること

たしかに幅広な獲物ではないから、頑張って大きくならなくても
いいのかもしれない。

  • 成長が120cmに達したあとに加速すること

成長期を過ぎてなお、成長期を迎えるのが面白い。

一番触れたいことはやっぱり餌と体の大きさの関係ですね。

以前から祇苗島のシマヘビはとても大きくなるという話を
様々な媒体で見てきました。

この発表もその内容を示していて、
餌の大きさと体サイズには相関を認めていますが、
あえて因果関係は不明と書いています。

巨大化した祗苗島のシマヘビのミトコンドリア遺伝子は、すぐ隣の神津島に生息する小さなシマヘビと全く同じであり、祗苗島の巨大化が短期間で迅速な進化の結果起きたものと推定された

という表現はありますが…。

これは「進化して巨大になる遺伝形質を持った」と読んではいけないということですよね?
上の一文と要約を読むと、進化という言葉は使いつつも遺伝子は同じとあるので、
うーん、どうなんだろう。。。

15年も前の時代には、自分は図鑑を見て
祇苗島のシマヘビは遺伝的に巨大化するんだなー、と思っていました。
つまり祇苗島のシマヘビはどう育ててもでかくなると思っていました。

しかし、最近の話では、
大きくなった個体が生き残っているだけ、という説もあり、
正直分からなくなっていました。
(ほか地域の個体でも、祇苗島の環境で育てば
巨大化できる個体もいる、ということなのかな…?と)

今回発表の論文をさらっと読むと、
ああ、やっぱり遺伝的な巨大化なんだな。と思ったのですが…。

寿命が30~40年、神津島では15年とあるのですが、
これは同条件での天寿なのか、
捕獲できる現存の個体の年齢から出しているのかで少し違うかと思います。

例えば
神津島は有人島なので、殺されるサイクルが早く、
年老いたシマヘビが生存できていない
祇苗島は無人島で、天敵(人間)がいないので年老いることができる
という場合には、遺伝的に長命とは言えないのかもしれません。

巨大化についても、海鳥のヒナや卵を食べることができる大きさになると
成長が加速して巨大化するという内容で、
遺伝的に大きくなるといってはいないように思うのです。

ヒナを食べるから大きくなる、と書いてあるのであって
大きくなるからヒナを食べられる、とは書いていないんですね。

ヒナが先かヘビが先か。

読解力がなくて、勘違いでトンチンカンな事を言ってたら恥ずかしいけど、
もっと詳細な部分を日本語で読みたいな。英語だと難しい。。
爬両学会にも日本語で出されないかなあ。

.
Baikada’s main website
StreamLined Syndrome

ヘビのはなし

本日、自身初めてのヘビについての講演をしてきました。

(保健所勤務の頃、レジオネラ菌の講演をしたことがあるけど、
それとはちょっと違う感じかな)

会場準備中に、ミソサザイが衝突(?)して保護されました。
保温されて一度は飛んだから、大丈夫だったかな…?

初っ端から、珍事でした。

講演自体は、自分の自信のある分野だったこと、
子供目線で話を進めようとしたことなどあって、
会場の雰囲気にも助けられ、緊張することなくお話できました。
(下の写真に私はいません。写真撮っているのが私なので…)

会場の前半分は子どもが地べたに座り、
どんどんお話に参加する形式でした。

少し、子供たちには難しい言葉もいくつか出してしまったけど、
即座に子供たちから「~って何?」という反応があり、即、補足したりしつつ。

伝えたいところは聞いてもらえて、
反応の欲しいと思ったところは、いろんな反応をもらえて
お話ししてて楽しかったです。

昔から、人前で話すというのは苦手で、
緊張激しく、ボソボソ早口で進んでしまっていましたが
今回ほど気楽に進められることは初めてでした。

「ヘビのはなし」の副題には
~好きでも嫌いでも気になるやつ~
と銘打ちました。

実際、ヘビ嫌いなんだ~って子供もいましたが、
嫌いとアピールするほど、ヘビに興味を持ってくれているわけで、
自分の仕事は、子供たちのヘビへの純粋な興味を
伸ばせたらいいな~と臨みました。

毒がすげえんだぜ!とか、丸呑みシーンとかは
何か純粋な興味とは違うような気がして、あえて今回ははずしました。

みんなが今持っているヘビのイメージと実際とのズレを
少しずつ認識して面白がってもらおうという狙いでした。

アンケートにもたくさん嬉しい言葉を頂き、
やってよかった~と充実感いっぱいでした。

なかじー(中島宏章さん)のコウモリやウサギ探しの講演もさすがで、
子供たちの意外な反応を活かしたアドリブのうまいこと!!ほんと感心します。

ウサギ探しは子供たちには大ウケで、
大人もつい噴きだしてしまうユーモアなど、
掴むとこしっかり掴むのには
改めて尊敬します。

また、一緒にイベントをやるかもしれないので、
それも順調に決まったらアナウンスしますね。

家に戻ると、雪がしんしんと積もったようで、
ポールの上で面白いことになってました。

ここは風が全くなかったのかな。

.
Baikada’s main website
StreamLined Syndrome

目からうろこ

昨日、仕事の関係で講習会に出ていた。
そこで、「探そう!ほっかいどうの虫」の著者の堀さんのお話を聞けた。

ちょっと挨拶も出来て、本当に良かった。

面白い話がいろいろ聞けました。

例えば

アライグマのサンショウウオ捕食の被害。
産卵場に現れて結構な数を捕食している様子。
たくさんの尾が捨てられていて、20本くらいサンプルを見せてもらえた。

ここからは自分の推測だけど、
爬虫両生類学会報 第2009巻第2号、特集:両生類・爬虫類の色彩と色彩変異
三浦郁夫 有尾類の体色の多様性と機能 pp160-169
に掲載された内容から、尻尾だけ食べないことに対して考える。

この論文では色彩や威嚇姿勢による毒について記述されているのですが

「多くの陸生両生類は、捕食者にとって不味い化学物質を、
皮膚にある顆粒腺(毒腺)を中心に体に蓄えている」

としており、また

図を示しながらTail Lash型(尾を付け根から持ち上げる姿勢)という
威嚇姿勢について述べ、
「このタイプのグループは筋肉の発達した尾を持ち、
その尾の背中側の皮膚に顆粒腺が発達する」
「トウキョウサンショウウオやカスミサンショウウオ
などのサンショウウオ属はこのグループに含まれる」
と言っています。つまりトウキョウサンショウウオなどと同じHynobius属に属する
エゾサンショウウオも同じく尾に顆粒腺があり、
アライグマは不味いから残す、と推測してみました。

それにしても普段は散開していて滅多に捕まらないサンショウウオだけど
サンショウウオが産卵に集まってくる場所で産卵前の個体を大量に捕食されたら、
その後の子孫も全滅なわけで、かなり甚大で深刻な被害に
なって行くのは間違いないと思う。

.

それから、もうひとつ、自分では全く想像してもいなかった話。
でも気にすれば至極その事態は予測できるものだった。

酪農と獣医が糞虫を減らしてしまう可能性だ。

イベルメクチンと言う薬がある。
この薬は寄生虫の駆虫薬で線虫や節足動物系の外部寄生虫で効く。

この薬は牛馬などで普通に使われる。
犬でもフィラリアとか、場合によって疥癬に使われたりする。

注射としても利用するが、塗布でも使用されることがある。

この薬は体に入って、最終的には便に排泄される。

酪農で、外で飼育されている牛の糞にイベルメクチンが含まれていると…。
ダイコクコガネやゴホンタイコクコガネで死亡、
コエンマコガネで羽化率の低下などが見られたそうだ。

獣医として、犬にイベルメクチンを投与したことはあるのだが、
犬などそういう、投与対象に対する影響はよく考えたが排泄物まで考えが及んでこなかった。

家畜では人間が食用にする場合は、抗生物質などの場合は投与した動物の肉は
ある一定期間おかないと、薬物が蓄積しているからということで市場に出せないという
ルールはあるのだが、こういう形でイベルメクチンが環境にも影響を与えているとは…。という
大きなショックがありました。

ほとんどの獣医師も、酪農家もそこまで気は回っていないだろうね。

うんこにたかる昆虫や節足動物はかなりたくさんいるわけで、
堆肥にもなって行くであろうこともあるので
これは「酪農地帯北海道」としては意外と大きな問題になりうるのかもしれない。

今はエゾシカが増えて、エゾシカの糞で糞虫も生活できるかもしれないけど、
エゾシカが減って来た時には酪農動物の糞に依存するわけで。。。

こういう問題があることを、全く知らなかった。

ちなみにイベルメクチンを含むある商品の使用注意欄には

イベルメクチンは主として糞中に排泄されるので、
排泄物の肥料化又は浄化処理を適切に行うこと

と明記されていた。

.

Baikada’s main website
Wild Home