シロマダラの調査2017

北海道希少生物調査会に混じって、藻岩山麓でシロマダラの調査をしてきました。なんと取材も来ているということで、シロマダラがバッチリ見つかるといいなあ、と期待して臨みます。

この日は無風で、ジトッと暑い。水場も近いとあって、蚊の大群が襲来する。最初に面倒くさがって、ちゃんと虫除けを完備しなかったのをすぐに後悔した。

常に振って歩いていた手でこの有様。耳の穴とか入ってきて、わややった…。痒みも数日続き、刺している間も微妙に痛みを感じることがあるからタチが悪い。

立ち止まると黒雲のように襲ってくるので、こんなダンゴムシの写真撮るのでも、イライラMAXです。

きれいなオカダンゴムシだった。

で、さくっと結果を書いておくと、残念ながら見つかった生きたヘビは1匹。別チームが岩の隙間でシマヘビを発見していました。その他に抜け殻が、おそらく8匹分。ぱっと見てアオダイショウ、シマヘビとわかるものもあったけど、千切れてるのがほとんどなので、持ち帰って精査することにしました。

まずは

アオダイショウ。比較的長い抜け殻で残っていたので、計測しやすかった。胴の中央付近で体鱗列数は23だったので安心してアオダイショウ確定。

わりとボロボロのものが多かったけど下記も確定。

シマヘビ1

シマヘビ2

この2つは胴の中央付近で体鱗列数19で確定。

鱗にキールが無いか目立たない&総排泄口の前で体鱗列数17は実はシマヘビしかいないので、これもシマヘビ確定。(アオ19、ジム19、シマ17、シロマ15、マム・キールある17らしい)

ほんでこれがマムシっぽい太さあるかも…と期待したやつ。

もうカピカピで張り付いちゃっていたので、少しずつウルカして、体鱗の状況を確認できるようにしていく。

で、細かく観察したところ

目立つキールなし。はいマムシ消えたー。

ぼろぼろで体鱗列数も数えられないし、部位もわからないので、なんとなくシマヘビのような気がするけど、お蔵入り。

その他の抜け殻も1個を除いてお蔵入り。

じゃあ、残りの一個。

薄くて無紋。胴体部37cm分の抜け殻。

キールも無いか、ほとんど目立たない。

拾ったときはジムグリかなあって思ってたんだけど、自宅で洗ってヨレをほぐして乾かすと、数えられるところの体鱗列数は全て17だった。

この部分が胴の真ん中付近ならシロマダラ、胴の後部後半ならシマヘビという2択になった。

この時点で、鱗の質感がシマヘビっぽくないので、ウキウキしてきたんだけど、抜け殻が胴のどのへんなのかを推測するために、いろんなヘビの抜け殻を数えていじり倒して、あーだこーだ検討していくと、光が見えた。

こ、これは胴の中央を含んでいる抜け殻だ…。ということで、シロマダラの抜け殻で大丈夫でしょう、という判断に落ち着きました。

せっかくいじり倒して、あーだこーだ検討したので、来年初めに出る、北海道爬虫両棲類研究報告Vol.005に事の顛末を寄稿しとこうと思う。

7月22日 札幌市南区藻岩山麓
札幌エリア 644142
シマヘビ成体1
シマヘビ抜け殻3
アオダイショウ抜け殻1
シロマダラ抜け殻1
不明抜け殻3匹分

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修正:カメノコテントウとナガカメノコテントウ

最近までちゃんと図鑑を読んでいなかったので、テントウムシが好きでありながら、ナガカメンコテントウというカメノコテントウによく似たものが北海道にいるのを知らなかった。

過去の記録写真に何かあるかな、と思ってあさってみたら、それらしい雰囲気のものがあったので、メモとして残しておきます。

この記事は6/30にいちど前半部分をアップしたのですが、資料不足で、不十分でした。(この記事も不十分だけど…)その後北海道に生息するのは全てナガカメノコでは、と言う情報を確認し、最初の結論の「札幌市で捕まえた2匹はカメノコテントウとナガカメノコテントウでした」という内容に、おそらく誤りを含みそうなので、書き加えて再アップしました。

 

右側、かっちり真上から撮れてないのが残念ですが。
左 2011年9月 北海道札幌市南区定山渓温泉
右 2014年4月 北海道札幌市南区定山渓温泉

手元の資料でナガカメノコテントウについて書いてあったもの(原色昆虫大図鑑 第2巻 甲虫篇)では要約すると

ナガカメノコテントウはカメノコテントウに比べてやや細長い
前胸背板と上翅が接する幅は上翅基部幅の約4/5(ナガカメノコ)
前胸背板と上翅が接する幅は上翅基部幅の約3/4(カメノコ)

だそう。

写真のピクセル数で比率出してみようと思って線引いた。左は比率0.75595なので大体3/4。右は比率0.85714で明らかに4/5を越えてきてる(5/6も越えてる)。

体型も確かに、右のほうが若干細長いようにも見え、これだけで言えば、右はナガカメノコテントウ確定なんだろうな。(写真の個体の体位が傾いているので、参考だけど)

左は…カメノコの条件に当てはまってるけど、他の資料では

ナガカメノコテントウはカメノコテントウより
上ばねの赤色紋は比較的小さく、ときに消失

こういうのもあり、たしかに真っ黒に近いカメノコも見たことあった。写真の2個体も、全国のカメノコテントウの写真と見比べると黒色部が多い。

7月22日追記

しかし、北海道にいるカメノコテントウは全てナガカメノコではないだろうかという物もあり、その資料を元にもう一回考えてみた。

資料は「北海道のテントウムシ」(えぞえんしすNo.38)で、こちらの資料には、

カメノコテントウとナガカメノコテントウの外見差は、鞘翅両側縁前半の湾入する曲線がカメノコテントウは頭部に向かって延長線が円状に交差するのに対し、ナガカメノコテントウは両曲線の交わりが頭部よりかなり上で交差する。

とある。

この見分け方も、線(カーブ)の引き方で、だいぶ違う気がするんだけど、自分の個人的な酌量で線引してみると(これでいいのかなぁ、と思いつつ、だけど)

吻端から尾端の長さを直径とした正円を鞘翅前縁のカーブにそれぞれ合わせてみる(赤と青)と、それぞれの円の交点は吩端(黄)より前に来た。

ネット上の本州以南のカメノコテントウでやってみると、大体、吻端付近に交点が来ていて、円状にもみえた。

これだと、両方共ナガカメノコかな、という感じ。これも写真の角度で結果が変わっちゃうので、難しいね。

「北海道のテントウムシ」にはカメノコとナガカメノコについて、今後もっと詳細な見分けを報告したい、とあったので、詳細はこれを待ってみようと思う。

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海藻のたのしみ

奥さんがマツモを買ってきた。マツモのパッケージングを見て、ちいさな異物を見つけて喜んでいる。あれだ、ずっと前からこれ目的で生の海藻を買っては探していたやつだ。海ぶどうの時も、地味ながら盛り上がったなあ。

ワレカラ。(詳細な種はわからず)

体長1cmくらいかな。海藻についてる甲殻亜門の仲間のひとつ。

どこからかワレカラの存在を知った奥さんが地味に探し続け、ようやく先日、邂逅できました。家でみんなで見てたら、ばーちゃんがつまんで食べてしまったので、手元にはなくなっちゃったんだけど…(何も味しない…と言ってました)

またマツモで探したら見つかるかな。

「マツモウミウシ」なる生き物(参考)もいるみたいでなかなか奥深いマツモ。そしてなかなか美味しいマツモ。

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おまけ付きうみぶどう

先日の沖縄、家族からの要請でお土産に海ぶどうを買ってきました。

海ぶどう
正式名:クビレヅタ Caulerpa lentillifera
緑藻に属する海藻。

半乾燥の保存のきくタイプもあったのですが、道の駅に生の海ぶどうが、安めで売ってて、しかも1週間くらい持つ。

デメリットは持ち運び。

・容器やわい
・冷やしてはいけない
・気圧を下げてはいけない
・濡らしてはいけない

これを守るには、飛行機の持ち運びでは手荷物にしないとならない。加えて、北海道は余裕の氷点下なので、冷やさないようにするの難しい。

けど頑張って持って帰りました。美味しかったです。

生の海ぶどうには、よく見ると釜揚げしらすのように色んな物混じってるのね。

ヨコエビのような、甲殻類。


タコのような…。

塩水を作って入れてみると

イソギンチャク!

でもイソギンチャクって岩とかそういう固定面にくっついてて、海ぶどうみたいな不安定な足場にくっついてるものなの?と思って調べてみると、オヨギイソギンチャクという、たまに泳いで移動できるイソギンチャクが海ぶどうについてることもあるようだ。

オヨギイソギンチャクなら、はずれるよな…と突っついてると、簡単に外れました。

そのうち弱って萎れてしまいました。やや罪悪感があったけど飼育も環境整わないし、食べた、と思っておこう。

水揚げ後は、粘液を出して乾燥から身を守っていたようですね。

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両爬学会 2016 in 沖縄に行ってきました

今回の両爬学会は沖縄の琉球大学で開催され、11月26、27日の2日間、行ってきました。それから、29日まで滞在してフィールドを少ししてきました。フィールドの記事は後日作成するのと、北海道爬虫両棲類研究会の会誌コケコケカムイに寄稿する予定なので、またあとで…。

学会では年に一回、知り合いの方々とお話したり、発表を聞かせていただいたりで、基本、受け身の参加です。

今回は北海道爬虫両棲類研究会の発行物の販売をさせていただけたので、販売ブースにいました。

今回の学会で特に嬉しかったことなどを幾つか列挙しておくと

  • 西表島の心の師に再会できたこと
  • ウミヘビつながりの友人と再会できたこと
  • 「わいるどほーむ」の読者(当時小学生とのこと)と話ができたこと

まだまだ他にもあったけど…。ポスター発表や集会では

  • ニホンマムシの系統地理学的研究
  • ツシママムシの魚食性
  • 秋田のシロマダラの形態
  • ヒダサンショウウオの皮膚結節症

などは気になっていたので、写真に撮らせてもらっておいて、あとで見ようと思う。

集会は分類を聞きにいってみた。各分野の研究者さんたちも悩みながら、齟齬のある部分も考えながら進んでいる様子が伝わってきました。どの論文が信用性があるとか、そういう部分がわからない自分では、考えをまとめる、筋道を立てる、そういうのは難しいよね、やっぱり。と感じました。

寝不足進行+もともとボケた性質なので、お話した時に何言ってるかわからなかったり、発表や集会を聞きに行っておきながら、居眠り傾向になって不快に思わせてしまった方々、大変申し訳ありません…。

会誌等をお買い上げいただいた方々、ブースを貸していただいた実行委員会の皆様、発表、集会してくださった皆様、大変ありがとうございました。

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ヒラタムシのお知らせ

ヒラタムシ系列のお知らせが来てました。国際ワークショップが北大で開催されるようです。その情報はこの文末に添付しておきますね。

これは過去に札幌で見つけたエゾベニヒラタムシ。

エゾベニヒラタムシ
Cucujus opacus

エゾベニヒラタムシ
Cucujus opacus

なんかよくわからないけど、惹きつけられる虫で、この仲間は折を見て、他の種類も見ていきたい。どんな仲間がいるかというと、メジャーどころでは

ベニヒラタムシ
ルリヒラタムシ

なかなか素敵な仲間です。

外国では

Cucujus cinnaberinus (足は黒い)
Cucujus clavipes (足も赤い)
Palaestes montage (やばい)

なかなか素敵でした。

ワークショップはヒラタムシ系列Cucujiformiaということなので、もっと広い範囲の昆虫たちのことになるみたいです。(ちなみに自分は興味はあるけど行けない)

テントウムシも好きな昆虫なのだけど、テントウムシもCucujiformiaの一部なのね。( コウチュウ目 カブトムシ亜目 Cucujiformia下目 ヒラタムシ上科 テントウムシ科)

ルリヒラタムシ見たい!

以下、ワークショップのお知らせ

コウチュウ目ヒラタムシ系列 -- 国際ワークショップ
Cucujiformia Workshop – Hokkaido University, Saturday August 27th
講師:Richard A. Leschen (Landcare Research, NZ ランドケア リサーチ、オークランド、ニュージーランド)
会場:北海道大学総合博物館 1階 知の交差点
日時:2016年8月27日(土)

Cucujiformia Workshop – Hokkaido University, Saturday August 27th

Goals: In this workshop we will cover adult morphology and systematics of the large and diverse series, Cucujiformia. A lecture on morphology and ordinal relations will be provided as background, and the superfamilies of cucujiforms will be treated in detail with select treatments of families. An afternoon of presentations by participants on their research is to follow the lectures and all Coleoptera welcome!

9:30-11:00 Beetle morphology and ordinal relationships; introduction to
Cucujiformia
11:00 – 11:30 Coffee break
11:30-1:00 Reviews of Lymexyloidea, Cleroidea, Cucujoidea, Coccineloidea,
Tenebrionoidea, Chrysomeloidea and Curculionoidea
1:00 – 2:00 Lunch break
2:00 – ? Symposium

 

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鹿角看板

見るたびに首をかしげてしまう、「動物注意」の看板のシカバージョン。

RIMG5301

これは支笏湖付近で撮ったやつ。基本的にはこのバージョンをよく見ます。いつもね、角の方向に違和感を感じてた。ネット見ると、結構指摘されてた。そのせいか、最近気がついた。

RIMG5271

道央道(高速道路)のシカ看板、砂川IC~野幌PAあたりまでの何枚かは、上張りされて、修正されてた!そうそう。これなら違和感殆ど無い!修正ご苦労さまです…。

よほど指摘が行ったんだろうなー^^; でも一般道のはまだほとんど旧バージョンだね~。

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庭の環境

最近ネコとカメをひなたぼっこさせながら、庭の草を刈っている。雑草に混じってアスパラガスが細々と生えていたり、ラズベリーが根を介して、とんでもないところに出芽してたりして意外と草刈りも油断できない。

去年は手入れも特にせず、単子葉植物とスギナを生えっぱなしにしていたらバッタやコオロギ系の昆虫、ハエトリグモなどたくさんいたけど
草刈りしたらこの辺りは少し減った感じ。ハエやカも減った。環境によって生物相変わるよね。

ブルーベリーの花にはよくマルハナバチが来ていた。

RIMG5170

これはヒメマルハナバチかな?哺乳類みたいな毛並みだね。

4種くらい、マルハナバチだけで来てたっぽいです。(セイヨウオオマル、エゾオオマル、ヒメマル、コマルあたりかな)

庭も狭い範囲で日当たりとか、水持ちとかでいろいろなものが生息してるんだけど、ごくごく狭い範囲にこれがあった。

RIMG5183

超拡大状態です。少しずつ、倍率落としていきますね。

RIMG5182

ちょっとミルククラウンみたいですね。

RIMG5180

ぼちぼちわかるかな。

RIMG5179

ゼニゴケでしたー。

こういうところに目立つようになったのはナメクジ。正確にはコウラナメクジの仲間。雑草がなくなったせいか、庭で育てている作物についてしまうのとコウラナメクジ系は外来系のようなので結構捕ってしまっている。有機物の分解には役に立っているのかもしれないけど…。出会いも多いのか、交尾(?)してるの見つけた。(ナメクジは首の辺りだけどね)

RIMG5135

首のあたりに半透明の何かが出てる。

RIMG5143

RIMG5141

ナメクジやマイマイは雌雄同体のものが多いといわれるけど、状況によって雄になったり雌になったりするのね。交尾器を相手に刺すんだって

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そのあとは何が何やらよくわからなくなったけど、双方刺したように見えた。

あと、コウガイビルの仲間も見るようになった。種類はよくわかんないし、外来種かどうかもわからない。北海道に来てから、ほとんどコウガイビルは見ることがなかったので珍しいのかもしれない。

RIMG5148

ネットで調べると、小樽でオオミスジコウガイビルの記録はあるみたいだけどたぶんオオミスジコウガイビルじゃないね、これ。スジ1本だし。在来なら少し増える方向に持ってったらコウラナメクジ食べてくれるかな。体切ったら増えるのかなー。

コウガイビルは、ヒルの仲間とよく勘違いされてしまうが、ヒル(環形動物)とは違ってコウガイビルは扁形動物。血を吸うことはなく、腹の真ん中あたりで獲物を丸呑みして生活してる動物だ。

しかしこれにとても近い動物がいる。しかもかなりの知名度。コウガイビルは、陸生のウズムシ。これが海生のウズムシとなると代表的なものでヒラムシ。そして淡水性のウズムシとなるとプラナリア。プラナリアは有名だね。コウガイビルはいわば、陸生のプラナリア。(逆に言えばプラナリアは淡水性のKGBってことになるな)

「コウガイビル お食事」で動画検索するとなかなかインパクト大な動画に当たるので、興味がある人は探してみるといい。

最近、教えている専門学校の水槽のひとつからプラナリアを分けてもらってきた。

RIMG5151

ツイッターなどで流したら、アメリカツノウズムシっぽいって意見貰った。よく似てるね。そしてまあ、そうだろうけど、外来種だね。

初めてプラナリアを見たのは、友人の渓流水槽の砂利の隙間で見つけたものだった。あと、北海道でカエルのオタマジャクシイベントの時にちょくちょく捕まる、キタシロウズムシと思しきプラナリア。それと、サンショウウオやエゾアカガエルの卵にときどきついてる、種類不明のプラナリア。

野生で見たものは、冷たい水に生息してて、家に持ってきてもいつの間にか溶けてなくなっていた。だから、温度管理難しいなあ…。というイメージがあったんだけど、もらってきたプラナリア(アメリカツノウズムシ?)はとても強いな!レバー入れれば、吸い付いてるし、赤虫入れたらよく食べるし、室温でOK。自ら切れて分裂しだす始末。これは頼もしいが、水槽にいたら増えて大変そうね^^;

駆除に関するサイトを見るとプラナリアホイホイなるものを作ったりしてた。これ、野外のプラナリアも取れるのかな。

プラナリアをキープしてわかったこと・明らかな負の走光性がある。光が当たると逃げ惑うので、かなり光が嫌いだね。こういう習性があると誘導できて面白いね。

ちょっと調べてわかったこと
・学習能力がある
・記憶を共有する

これが非常に面白かった。
記憶は脳の外にある? プラナリアの実験からわかったこと

身近な動物からいろいろ調べてみるとやっぱり生き物って面白いよね。

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キュウリと初両生類

さっき、石狩湾産のワカサギをもらってきた。ワカサギ、今シーズン初めて食べる。今シーズンはワカサギの仲間を、少し調べながら食べた。スーパーで30cmくらいの立派なキュウリウオが売ってたんだ。子供の頃から「キュウリウオは青臭くて美味しくない…」と言われて育ったので悪いイメージ先行してたんだけど、この間、初めて食べた。

・生は青臭いかもしれないけど、焼いてしまえばアユほどにも臭わない感じ
・卵はシシャモみたいで美味しかった
・身もオスシシャモみたいな食感で、どちらかと言うと好きな味

なんだうまいじゃん。キュウリウオはアユみたいな顔してたから、調べてみたら、

キュウリウオ目-キュウリウオ科-キュウリウオ属-キュウリウオ
キュウリウオ目-キュウリウオ科-ワカサギ属-ワカサギ
キュウリウオ目-キュウリウオ科-シシャモ属-シシャモ
キュウリウオ目-キュウリウオ科-アユ亜科-アユ属-アユ

結構みんな近い仲間なのね。そういえば昔はシシャモって名前でカラフトシシャモ売ってたもんね。もっと昔はそこにキュウリウオも混ざってたって話も聞いたな。キュウリ話題はここでおしまい。

今日は、札幌・春の両生類産卵探し。先週から探し始めたけど、先週は円山であと少しかもって印象で、真駒内はまだまだだった。今日は円山、小金湯、石山を渡り歩いてみた。円山はほとんど雪どけが進んでおらず、足踏み状態。今週の暖かさで変わってくるかな?

小金湯は山間だけど、観察してる場所は日当たりが良いので一気に解けて産卵が進むこともある場所。そもそも除雪されてないと車を近くまで入れることも出来ないのだが、除雪はされてて入ることが出来た。でも、こんな状態。

RIMG4723

こりゃ、もうしばらく時間がかかりそう…。加えて、観察する池に行ってみると

RIMG4726

除雪の雪捨場の下に池の場所が…。仕方ないような、そうでもないような…。いずれにしても1~2週間は産卵は無理そう。

でも雪解け時期に雪の上を徘徊しているカゲロウの仲間はかなりたくさんいたので、どんどん雪解けは進むでしょう。

RIMG4725

こんな大きさの虫。

RIMG4729

たまに当たり付き感覚でいる、羽の生えた個体。

RIMG4735

だけど羽化失敗した感じだね。彼らは雪の上を歩きまわってなにしてるんだろう…。配偶者探しかな。

この時期になると好雪性変形菌も出てくるシーズンだけど今回は目につかなかったな。

「生えてればふきのとうゲットしてこいの令」がでていたが、良い段階のものが今回は見当たらず。いい感じのは1個あったけど、犬の足跡が沢山ある場所だからちょっと持ってくる勇気はなかった。(ばっちい可能性)

河岸を変えて、石山方面へ。湧き水ポイントを1箇所知っていたので、ここならもしかしたら産卵始まっていないか?と思い、行ってみたけど、卵はまるでなし。また、空振りだった…。

ん?

水中でなにか動いてるな。網でザバー

RIMG4737

エゾサンショウウオじゃないですか…。

いつもの年の年間初見両生類の発見パターン、「エゾアカガエルの卵発見!」ではなく、今年はエゾサンショウウオの越冬幼生発見だった。

卵発見だと、両生類の繁殖時期が始まりましたね!って感じで言えるんだけど
今年のは、両生類始まりましたね?あれ?冬も同じようにいたんじゃないすか?
的な、ちょっとした肩透かしですよ。イレギュラーな感覚ではありますが、兎にも角にも、北海道もシーズンインですね?

実は、この道路、それなりの交通量があるところで脇でサンショウウオ掬いしていると、行き交う車から奇異の目で見られておりました。

そんなことには慣れているのですが!そんな車の中に手を振って停車する車が1台。このパターンは…。覆面パトからの職務質問のパターンかと一瞬ドキドキしましたが。生き物系知人の親子でした。はー、よかったー…。ちょうどお子さま連れだったのでサンショウウオをほのぼの観察してもらいました。次はいつ観察に行こうかな。

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2015両爬情勢

今年はちょっと早いですが。12月の学会で承認される見込みの日本の両爬の分類状況について軽くメモしておきます。

参考:日本産爬虫類両棲類標準和名のページ

まだ改定案なのですが、12月5日の学会の総会で承認されれば、その時点から学会の正式リストになります。

今年は、新種のリストへの増加はひとつ。

ネバタゴガエル Rana neba

が増えましたね。以前からワンと鳴くカエルということで新種と言われていましたが論文発表され整理がついたのか、新種のリストに入ってきました。ちなみに名前のもととなった産地の根羽村では天然記念物になっているようです。

ヘビの分類が少し変わっていて、さっきへび図鑑(公開終了)にも反映させたのですが、

メクラヘビ属がRamphotyphlops から Indotyphlops に変更されたので、
ブラーミニメクラヘビの学名が変更。
旧: Ramphotyphlops braminus
新: Indotyphlops braminus

ヒバカリ属がAmphiesma から Hebuis に変更されたので、
ガラスヒバァの学名の変更。
旧: Amphiesma pryeri
新: Hebius pryeri

ヒバカリ、及び亜種ヒバカリ、ダンジョヒバカリの学名の変更。
旧: Amphiesma vibakari
新: Hebius vibakari
旧: Amphiesma vibakari vibakari
新: Hebius vibakari vibakari
旧: Amphiesma vibakari danjoense
新: Hebius vibakari danjoensis

ミヤコヒバァの学名の変更。
旧: Amphiesma concelarum
新: Hebius concelarus

ヤエヤマヒバァの学名の変更。
旧: Amphiesma ishigakiense
新: Hebius ishigakiensis

赤文字で書いているように、学名は属名の男性・女性・中性などの属性により
種小名の末部が少し変化する場合があります。この辺ちょっと間違いやすいので、要チェックだ。

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