ウミガメのある神社(奥尻滞在編1/2)

行きたいと思っていたけど足が伸びてこなかった「奥尻島」。今回、お誘いもあって、奥尻に3泊4日でいろいろ見てくることができました。

見たいと思っていたのは、1960年台に一度だけ見つかっているシロマダラ。あわよくば50年ぶりの再発見したい。それと北海道のレッドリスト(2016両爬版)で地域個体群(LP)になったヒガシニホントカゲの確認。結果から言うと、見れなかったけど、いろいろ土地や季節、その他生き物を楽しんで見ることができました。

一方で奥尻島は1993年に北海道南西沖地震によって生じた津波で大きな被害を受けた土地。その様子やそれから二十数年経った土地にカエルやヘビはいるのかというのも見ておきたいところでした。

6/15 復興の森

移動の途中で立ち寄った森。奥まで見てこなかったけど、入口付近を散策。

肉厚カタバミで、奥尻撮影生物第一号となったヒョウノセンカタバミ。残念ながら花はもうなかったけど、肉厚は目をひいた。

はじめての土地でしかも離島だと、何でもかんでも違うもののように感じてしまうが、これは普通のギンリョウソウ。でも

わりと復興の森ではいたるところにギンリョウソウが生えていました。ギンリョウソウは葉緑素を持たない植物で、いろいろなキノコや植物と関わって栄養をもらっている他、モリチャバネゴキブリに種を運んでもらったりと、お世話になっております系の植物。最近の分類ではツツジ科なんだって。確かにブルーベリーっぽい花っちゃ花だし、果実になった時も似ているような気がしないでもない。

薄暗い森なので、コケイランも咲いていました。蘭の仲間なら本当はオクシリエビネを見たかったけど、時期がまだ早いから仕方ないね。

木についていたマイマイ。サッポロマイマイ系の火炎彩タイプ。離島は種分化したマイマイがいることが多いので写真を撮っておいたけど、サッポロマイマイは奥尻島にも分布するようなので、これもサッポロマイマイだと思われる。

タニウツギが花盛りでした。奥尻固有の植物を調べていて、ピンクの筒形の花の草本植物バシクルモン(オショロソウ)というのがあって、それを見たかったので、しばらくこれがバシクルモンなのか、と思ってみていたんだけど、なんかこの花、草本じゃなくて樹木じゃん!ってことで浅はかな誤りであることに気が付きました。タニウツギ。

エゾマイマイタイプのマイマイ。ばかでかい!ちなみに裏側のへそは深かったです。奥尻のエゾマイマイ分布は、すぐには調べ至らなかったのでとりあえずエゾマイマイ?としておく。とにかくでかい。

奥尻ではアザミにつく系のテントウムシを注意して見ていようと思ったけど、テントウムシで見れたの、これだけだったかも。シロトホシテントウ。アザミと関係ないやつ。

6/15 蚊柱岬(わしらみさき) メッシュ番号633923

デデーン。アオダイショウを蛇籠で発見!これもでっかいよ。現地で大雑把に図ったら142cm。あとで写真から細かく測ったら138cm。

脱皮不全で頭に皮が。しかもさらに次の脱皮兆候(目が白く濁る)が出てますな。痩せてはいないけど健康状態が良くないのかもね。だって

下半身のボコボコ、なにこれ?シマヘビなどカエルを好んで食べるヘビの皮下にいる条虫(さなだむし)の幼虫症に似てる外観でした。

初日から立派なアオダイショウを見れて満足です。

ちなみにこの場所は標高200mくらい。なので最大高26mを記録した津波はここまでは影響はなかった場所と思われます。

6/15 神威脇 メッシュ番号633923

車で神威脇の温泉の位置を確認しながら車を流してもらっていると、石の上にトカゲ状のものが乗っていたような…。申し訳ないけど戻ってもらって確認したら、ちゃんといました。

近づいたら逃げちゃったので、写真これだけなんですけど、ニホンカナヘビの再生尾再生中の個体でした。ちなみにこの場所は海抜数mくらい。津波の被害は集落の建物の1階を流すなどの被害はあったようですが、犠牲者はなく、津波自体はここはそれほど高くはなかった模様です。ニホンカナヘビがいた道路際の岩は波をかぶったかも知れませんが、少し山肌を上がった場所で大丈夫だったのかも。個体群の全滅を起こすようなことにはならなかったのかも知れません。

今回は誘ってくれた方と一緒に神社も見て回っている。今回みつけた神威脇にあった少名彦神社とされる社にはこんなものが飾って(祀って?)ありました。

修復の跡がありますが、アカウミガメの背甲です。漂着したものを祀ってあるのは、他の神社でもあるみたいなんだけど、北海道の神社ではそんなにメジャーではないらしい。ちなみに超有名な島根県の出雲大社には漂着ウミヘビを奉納するような話も聞いたことがあるような…。

6/15 北追岬

ちゃんと奥尻でもイチゴ監視しています。ナワシロイチゴ。残念ながら結実の時期にここまで収穫しに来る気力も体力も経済力もない。

6/15 稲穂

日が落ちてから、道路を走り回る小さなものが目立つ。沖縄ならヤモリだったりすることもあるけど、何かなと思って見てみると、

種類はわからないけど、フナムシsp。そして今度は路肩にボテッと落ちているものが。

ヤマシギ。
いつもこうだ。なんでこう、緊張感がないのか。車ではねられてうずくまっているわけではなくて、わりと素で道路に座ってる。そしてなかなか逃げない。夜にダイナミックに飛び回っていることもあるんだけど、この2面性は何なんだろうな。

この日は、奥尻島の北端、賽の河原キャンプ場で車中泊。無呼吸症の吸入機械のバッテリーも、車ならできるので、大助かり。

ちなみに後日、いろいろな方とお話した時に、賽の河原で寝泊まりしてるって言ったら、「霊所で寝てるの?!」と言われたり。たしかに、そういう意味の場所だし、被害のあった集落も近いし、確かに確かに、そうなのだけども、キャンプ場だし、実はトイレの1室、多機能トイレはウォシュレットがある。素晴らしい…。が電球がなかった(泣)。快適だが真っ暗だ。

呼吸器のおかげで、体力の回復も割とよく、翌日を迎えました。

6/16 勘太浜

なんとなく、あると写真とっておくやつ。オドリコソウ。
雑草で外来種でピンクの花のヒメオドリコソウに比べると、若干レアで大きくて、「おっ」て思ってしまう。

6/16 宮津 メッシュ番号633924

お、神社だ。カーナビによると弁天らしい。社に書いてある表示によると「中津島神社」とのこと。ここの神社の社にも…。

アカウミガメだのー。流れ着いたやつなのかな?
ちなみに北海道にはウミガメの産卵記録はないんだけど、近海を泳いでいたり、漂着はわりとあるんですよ。

マタタビ監視隊も活動。マタタビ属サルナシを発見しました!残念ながら雄株のようで、実はならないようですが。

6/16 奥尻

奥尻の島の人々は、とてもフレンドリーで親切でした。車で奥尻島に入った2名以上の人は宿に1泊すると奥尻島で使える1万円クーポンをもらえる(2018年のキャンペーン)、との情報を神威脇の温泉でいただき、奥尻の港の観光協会で1泊、素泊りのホテルを予約して1万円クーポン頂きました。

うにまる。奥尻町のマスコット。

鍋釣岩。奥尻島のメイン観光スポット。個人的には

奥尻の海岸東~北岸にわりとあるこの白御影石が良かった。賽の河原で一面にあったし、この石が海底に一面にあるところは海の水の色がスカイブルーできれい。

島の人が数人、同じことを言っていたけど、賽の河原で「御影石がきれい」って持って帰った人が、「石が家で泣くんです…」と言って返しに来たって言ってた。なんだかすごく重い話でした。

アマドコロ系の植物はざっと見では見つからず、似た感じのものではホウチャクソウばかりでした。

エゾマイマイ?も何個体かみました。ヘソ(貝のウラの凹み)が深いのでウスカワマイマイではないようです。

タラノキ。立派。奥尻行って思ったのは、山菜がたくさん生えているなと。このタラノキもほぼフル枝。ギョウジャニンニクもそのへんにすごい生えている。奥尻の人に聞くと、地元の方々も楽しむくらいには採って食べているそうなのだが、やっぱり採集人口が少ないからかな。あと、奥尻島のギョウジャニンニクは食べても臭くならないって沢山の人が言ってた。生えてたやつでは、ニオイとかはそれほど違う感じはしなかったけど、食べると違うのかな。うちの庭で作るギョウジャニンニクもニオイが控えめだぞ。(風味がないとも言う)

イチゴセンサー、再稼働。奥尻にもエビガライチゴがあった。

6/16 赤石~松江

奥尻東岸の海岸。底が石なのでとても水が澄んでいてきれい。

これで暑かったら最高だけど、風が吹くと寒いくらいな気温でした。

少し内陸にはいると、わりと山っぽい植生になります。葉っぱの付き方や樹皮の触感はコシアブラとよく似てたけど、ウコギの仲間の何かかな。

ヤブヘビイチゴ。ヘビ好き、イチゴ好きなので名前的には最高なのだが、食べて美味しいわけでもなく、うーむ…という植物。初めてみた。もうちょっと花びらが開いてればきれいなんだけどなぁ。

車を走らせてもらっていると、正面から来る車の横に、鳥が激突して落ちた。車にはねられるでもなく、自分から車の横に体当りしていった感じ。見に行ってみると

ムシクイ系のなにか。これ撮ったら、即回復して飛んでいってくれた。逆に言うとこれしか撮れなかった。一時的な脳震盪だったみたいね。良かった。

特徴としては
・薄い白い眼線
・頭央線はなさそう
・翼などにも斑紋がない
・足はピンク色
・全体色はほぼグレー。下半身にごく僅かに緑が入る。翼は茶色が入る。
・鳴き声は不明

図鑑見ても決定力がわからないけどウグイスが一番近いかなあ。ムシクイ拒否反応が出てきたのでこのへんで。なにはともあれ、元気に飛んでってくれてよかったよかった。

6/16 青苗川下流 メッシュ番号633903

さて、20数年前の津波で被害の大きかった青苗地区。ちょっと青苗川沿いにあがると田んぼが広がっていた。奥尻では田んぼもわりとやっていて、品種「ふっくりんこ」を主に作っているそうだ。田んぼの中を覗いてみると、わりとたくさんオタマジャクシが泳いでいた。

ちょっと遠景ですが、ニホンアマガエルのオタマジャクシ。目が外についてます。他の種類いないか探したけど、ニホンアマガエル1種のみでした。

道内の他の地域から考えると、相当な高い密度ですな。

津波の塩害から稲作が戻り、カエルが戻り…とくれば

シマヘビいました!薄しま個体!77cm。そーっと逃げれば気が付かないのに、ガサガサ大きな音立てて逃げるから、見つかっちゃいましたね。ただ、シマヘビの場合、素早いので逃げ切られることもしばしば。今回は私の勝ち。

アマガエルをたくさん食べているのか、栄養状態いい感じの雰囲気です。縞もわりと連続してますね。

6/16 米岡 メッシュ番号633913

空港を通り過ぎて奥尻の西岸へ。このへんも田んぼが少し続くので、田んぼチェック。

アマガエルの幼生、ここにもわりとたくさんいました。ハープソンとしても成果が残せて何より。というか、あんまり奥尻の記録はないから、研究報告にも書いておいたほうが良いかな…。

さて、まとめきれないから、ここらへんで記事を切ります。後半は6/16の途中からです。

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世代交代

更新記事が半月くらい滞ってますな。少し忙しめなのと、体力低下で、写真は撮ってるけど、アップが追い付いてない感じです。タイムリーが一番いいので、追いつきたいですねー。でも夏の間は難しいかなー。

自宅付近でのフィールドです。

ナミテントウも幼虫が出てきました。季節は動いておりますな。

ネコノメソウ、猫の目状態の時期を見過ごしてしまった…。
参考

お、エゾアカガエル幼体だ。これはハープソンとか記録しておかないとね。

6月10日 札幌市南区石山 メッシュ 644132
エゾアカガエル 幼体1

たしかここにはミヤマナルコユリが…と言っても、去年の記憶がはっきりしないから毎回確認しないと忘れてしまう。

葉っぱの縁が波打ってる。多分ミヤマナルコユリで大丈夫そう。

ウラを覗かないと見えないけど、良い花だ。

あれ、波打ってないな?

ワニグチソウでした。ってか、ここ生えてるのか…。

エビガライチゴ発見ー。秋、収穫決定ー。

わりと薄暗い森なので、ランも生えてる。こちらはコケイラン。

サイハイラン。

エゾハルゼミが地上5cmくらいのところで、トクサに捕まったままご臨終。これは冬虫夏草が生えてくるパターンだろうか。

コウライテンナンショウかな。マムシグサ。

あっ。エゾイチゴ…しかも花の蕾ついてる。秋の収穫決定ー!

ミヤママタタビはピンクも入り始めているね。

もう少ししたらもっとピンク進むね。

キクビアオハムシの銅色型かな…?サルナシには来ると書いてあったので、近いミヤママタタビも来たのかな。

さあ、これで実がなる両性株なら言うことなしだな!

見る限り雄花ばかりですな…。残念ながら秋の収穫にはつながらないようです。

さてじりじり動きながら進むと、サンショウウオの調査ポイントまで来た。

6月10日 札幌市南区石山 メッシュ 644132
エゾサンショウウオ 当年幼生多数、越冬幼生1

越冬幼生は、もうほとんどエラがなく、上陸時期だね。池の中は越冬幼生がいなくなって、今年の当年幼生が隆盛になっていきます。ちょうどいい時期に確認できた。

周りにはメスアカケバエのメスがやたらとたくさんいた。横から見るとわりときれいなんだけど上から見ると毒々しく感じてしまうんだよなー。

池の周りの「これ系」の植物はオオアマドコロでした。種になりかかってるね。

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ちょっとスッキリがいくつか

アスパラガスの花が咲いた。

最近の分類ではアスパラと自分の興味のあるアマドコロの仲間は同じキジカクシ科になっている。なんとなく、似てるところもあるね。花とか見ると。

アスパラの蕾。

オオアマドコロ(可食)は札幌の山地で。もう花が終わって種が膨らんでるけど。

オオアマドコロ自体はアスパラガスには似てないけどね。

こっちのほうがアマドコロに似てる。ホウチャクソウ。でも科はイヌサフラン科(毒)だ。

こちらはこの間、識別しきれなかった毒植物。

春~初夏に咲く紫じゃないトリカブトの仲間、レイジンソウの仲間だけど、エゾノレイジンソウとオオレイジンソウはこのトリカブト状の「花」を分解しないとわからないみたい。

中に入ってるこれ、なんだか哺乳類の発生初期の胎児みたいな形だけど、これが花びら(花弁)にあたるようだ。(トリカブト部分はガクにあたります)巻かさってるところを「距」といって、巻いてるとオオレイジンソウ、巻いてないとエゾノレイジンソウ、とみるようだ。なので、これはオオレイジンソウだね。ちょっとすっきりした。

相変わらず悩ましいけど、なんとなくスッキリしつつあるもの。

ルイヨウボタン上で交尾をするマダラテントウ類。いろいろ教えていただいたのと、こちらのお話(テントウムシ ~「種分化」の瞬間に立ち会う~)を読んで、エゾアザミテントウの生息域ではルイヨウマダラテントウは見られなさそうだと、なんとなく悟った。札幌はエゾアザミテントウが普通にいるので、この写真のもやっぱりエゾアザミテントウのようです。

その証拠に

付近でアザミの仲間の葉っぱを食べる、見分けのつかない同じようなやつがわらわらいました。

エゾアザミテントウのいなさそうなところで、ルイヨウボタンについてるこんなやつがいれば、それくさいということになるので、いつか道南か道東でルイヨウボタン探して見つけようと思います。

いろいろ見るとなると、アザミの識別とか必要になるなあ。

ルイヨウボタンも実が付きました。熟すと花より見応えがある良いものになるよ。

エゾスジグロシロチョウ、なのか?普段ちゃんと見てない生き物なので、なおさらどこを見ていいのかわかんない。

サイハイラン。ランの季節になったね。

ヘビイチゴ系。

花が小さいから、ヒメヘビイチゴかな。

そうだとすれば、この実は赤くは熟さないそうだ。

去年も見つけた、謎植物。今年は植物の詳しい方にお伺いしたら、エゾスズランに雰囲気が似てるとのこと。改めてエゾスズランやその花穂が立つ前の写真を検索したら、それっぽかった。また花の時期に見とこ。エゾスズランって、スズランとぜんぜん違う形の植物なのね。

最後はまた、このアマドコロっぽい雰囲気の植物。

ちょっと葉っぱの付き方が違うかね。花は

タコさんウインナー状。調べるまでアマドコロ系(キジカクシ科)の変なやつかと思っていたけど、葉っぱがバイケイソウみたいで変だなと思っていたら、ユリ科のオオバタケシマランだったみたいです。

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ルイヨウマダラテントウ…のはずだ?

相変わらずの逃避行。逃避したほうが効率が良い時もあるので、良いのか悪いのかわからないけど、いろいろ山に気になることがあって行ってきた。

春(初夏?)のトリカブトのレイジンソウの仲間。

「距」が巻いているか、巻いていないかで種類が違うようなんだけど、距の意味がよくわからず、花のお尻のあたりだと思っていたんだけど、トリカブトの場合はこの花っぽく見える筒はガク片らしいので、花を割って中を見ないといけなかったらしい。なので、今日も識別は「レイジンソウの仲間」止まり。次は花1個割ってみよう。

わりとこの辺りも気になる草花。アマドコロ、ナルコユリ系。茎の形や立ち方、色、花の付き方や大きさで見分けていくみたい。この辺のはアマドコロかオオアマドコロみたい。上のはオオアマドコロっぽい。

びみょう。

花開いてないけどオオアマドコロっぽい。

ルイヨウボタン、そろそろ咲いてるかと思ったら、ビンゴ。思ったより黄色っぽい(もっと緑っぽいと思った)。…ん?

んん?これはルイヨウマダラテントウか…?

ルイヨウボタンの花食ってるし…。

良いかな。ルイヨウマダラテントウで良いよな…。

(見たかった種類なんだけど、目の前にいてもエゾアザミテントウとかと違いわかんないな…)
逃避したかいがあった。良いものをみた(はずだ)。

ありがとうルイヨウボタン。

実がなる頃にはまた見に来るよ。

一足先に、ニリンソウは実を付けていました。ズダヤクシュの小さな花と一緒に。

@札幌市

補足写真。

結局わからないかも^^;
エゾアザミテントウのいないところで、ルイヨウボタン探して確定個体を見たいな。
(追記:たぶん札幌ではルイヨウマダラテントウの観察は難しそう。エゾアザミテントウとの関わりがややこしいみたい)

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新規開拓

フィールドをしていると、気に入った場所にばかり行く傾向になるので、たまには新規開拓も必要だ。ということで、札幌市の新たな場所に行ってみました。

5/11 札幌市南区中ノ沢 メッシュ644142
エゾサンショウウオ 卵嚢30~50 干上がりそう…

これだけ産んである場所だったら、例年はうまく育っていくんだろうけど、乾燥なのか、水脈が変わったのか、悲しい感じになってきています。孵化してもこの水量じゃ厳しそうだよね。

アカイロマルノミハムシ。ピンピン跳ねるやつ。捕まえて足の形見ても、あの跳躍を起こす構造がよくわからない。今回はよく見かけた。

エゾエンゴサクに違和感。葉っぱ細長い。

これがいつものエゾエンゴサク。細い葉のやついくつかあったけど、変異かな。

シーズン初めに、なんだったか忘れがちのやつ。たぶんレイジンソウの仲間。初夏に黄色っぽい花を咲かせるトリカブト。湿った水源のある湿地周りで見かけるやつだ。初夏にもいってみよう。

たぶんハナウドゾウムシ。X Japanのファンなのだろうか。普通の姿勢してたのに、写真撮ってたら前交差姿勢になっていった。虫にダメ出しされた。

見ると少しオトクな感じのあるシラネアオイ。草花のわりに不釣り合いな大きさの花を咲かせる。

そして、これが見つけて一番嬉しかったかも。ルイヨウボタン。割と地味な緑の花を咲かせるんだけど、よく観察してみたいテントウムシがこの草にやってきます。ルイヨウマダラテントウ。葉っぱが広がった頃にまた見に来ようと思います。
(追記:でも札幌ではルイヨウマダラテントウに出会うのは、分布上、無理そうです)

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2018もよろしくお願いいたします

2018年が始まりました。昨年お世話になった方々、ありがとうございました。本年もよろしくお願いいたします。

オオニジュウヤホシテントウの足から初日の出です。

今年、ゆっくり撮れたり、見れたらいいなという目標種。10種くらい撮れたらいいな。2018は、調べごとは少し抑えめにして、写真を多く撮っていきたい。

哺 クラカケアザラシ・イイズナ
鳥 ヤマセミ・ワタリガラス
爬 ニホンマムシ・イワサキワモンベニヘビ・ジャワキノボリヤモリ
両 10cm超えのエゾサン幼生・ハコネサンショウウオ属の1種
魚 30cm級マハゼ・カワヤツメ
昆 チョウセンケナガニイニイ・アカエゾゼミ・オオアオカミキリ・カサイテントウ・ルリヒラタムシ
他 カタオカハエトリ♂・アポイマイマイ・アイルリホコリ・アオウツボホコリ・モミジイチゴ

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プラタナスグンバイ

10月末。

虫たちはほぼ越冬場所に集まってきた。

うちの近くの小さな公園はプラタナス(モミジバスズカケノキ)が植わっているので、プラタナスグンバイがたくさん集まってくる。鼻から吸い込んでしまいそうな時も。公園のプラタナスは意図的に植えられた移入種だけど、プラタナスグンバイはこれに紛れて入ってきた非意図的移入種みたいです。

エゾサンショウウオの越冬幼生はまだまだ元気。雪が積もってからの観察が楽しみ。

エゾリスのオニグルミ集めも佳境です。秋の間はよく見れたなー。

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Panda of Lady bug

札幌市の滝野のモアイなどを観察してきました。
いろいろあって面白い…。

それはさておき、せっかく滝野に来たのだからということで、滝野すずらん丘陵公園の森じゃない方を歩いてきました。熊の侵入があったかも、ということで閉鎖されていましたが、無事再開園してコスモス畑を見ることができました。

さらにせっかくだからということで、森ゾーンを散歩してきました。

だいぶ動植物は寂しくなったけど、そんな中でもいくらかの虫が出てきてくれました。

ナミテントウの18星型。

おしりの方に白く見える翅の突起、ナミテントウのポイントの一つ。白い突起に目が行くと、だんだんパンダの顔に見えてきた…。見えてこない?

両生類も普通ならそろそろ冬眠ですかね。エゾアカガエルのちっちゃいのが歩いてました。しかし今年は厳冬期のエゾサンショウウオの越冬幼生の観察をするつもりなので、これが今年の両生類最後の確認にはならない、はずだ…。

なんと爬虫類、ニホンカナヘビまでいたよ。こちらはもうシーズンラストになるかもしれない…。なぜなら

もう雪虫(トドノネオオワタムシ?)が舞っているから。よく雪虫飛んだ翌週には雪が降るなんて言うよね。(ちなみに今年は10月23日でした。この日から半月後でした)

シロホシテントウも見つけた。シロホシテントウもいろいろ種類が居るけど、シロホシテントウという名前のシロホシテントウ。シロホシテントウ of the シロホシテントウ。わりと小さいです。

そして今日も試練の時間。シロホシテントウ系だと思うけど…。未熟ではなさそうなんだけど、これが無紋型のシロホシと言うやつか…?種類はお手上げ。

ちっちゃい糞虫、オオマグソコガネかな?ちっちゃいけどオオマグソコガネ。糞中の代表的なものとしてはオオセンチコガネやセンチコガネだけど、あれはあれでメタリックでキレイなんだけど、こういう地味な糞虫も良い。クソムシではなくフンチュウ。

最後に見つけたこれ。なんか生き物っぽい。擬態が甲殻類のよう。

つついたらやっぱり走り出した。あとで調べてわかったんだけど、これはミミズクの幼虫。鳥類ではなくて昆虫類のミミズクね。初めて目についた!これは植物に付いてたらわからんわー。

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リリース(シロマダラ)

せたな町で8月にシロマダラが見つかりました。その個体が縁あって、うちで少し調べることができたのだけど、26.7cmの幼蛇(たぶん今年生まれ)なので、管理が色々難しく、捕獲した方々と相談して9月28日にせたな町の捕獲場所でリリースしてきました。冬越し前に、現地でシロマダラが食べ貯めしておいた方が良いと思ったので、だんだん気温が低くなるのを不安に思いながら、ヒトとヘビの都合でこの日にリリースとなりました。

こちらについては、北海道爬虫両棲類研究会の研究報告Vol.005(来年1月発行できたらいいな)に短く書きましたので、お待ち下さい。

クスサンが何匹か湧いてた。クスサン、大きいから5匹くらいだけでもいっぱいいるように感じる。こういうところのお店は大変だよね。

せたなからは奥尻島も見えるよ。奥尻島もシロマダラの記録があるんだよね。

一時逗留してもらっていた、シロマダラを捕獲された場所にリリース。わりと森ででも、カナヘビはたくさんいそうな雰囲気がありました。

ヘビの舌の写真って、結構簡単に撮れるのだけど、シロマダラは少し撮りにくかった。アオダイショウなんかだと状況確認のためにすぐ舌をチョロチョロと出すんだけど、シロマダラはあんまり出さないように思う。そのせいなのか、過去の自分の写真を探してもあんまり舌を出していなかったよ。

お、いつも見るトリカブト(エゾトリカブト)とちょっと雰囲気違うかも。葉っぱも右端の方に写ってる。

調べてみると、オクトリカブトっぽかった。せたなまで来てよかった~。トリカブトは図鑑見ても種類がまちまちで、どれがどう種類分け、変種分けされてるのかよくわからない。とりあえず、オクトリカブト(ヤマトリカブトの亜種?)とエゾトリカブトは別種でいいようだ。

これも札幌だとあんまり身近で見ない木、クサギ。見ないと思ってたんだけど、この間西岡公園にひっそりあった。検索すると、札幌でも生えていないわけではないみたいだけど、優勢な種類じゃないみたいだね。

花ではなくて、ガクと実なんだけど、非常に目立つ。「臭木」なのに、匂い嗅いでくるの忘れたな。葉っぱ揉むと薬臭いらしい。

シロマダラのリリース以外は、大きな用事もないので、のんびり周りを歩く。

ジンガサハムシみたいなやつ見つけて、喜んでた。キラキラ感が抑えめだなと思っていたら、ヒメカメノコハムシだったみたいだね。十分綺麗だけども。

やや、お久しぶりのコエゾゼミ。の死骸。今年もコエゾゼミはかろうじて見れたけど、アカエゾゼミは見れなかったな。

エゾマイマイ。今まで、小さい個体は種類がよくわからないやつだと思ってたんだけどエゾマイマイは殻が薄いので、稚貝だと内臓がすけて見えて模様になってる。ウスカワマイマイと見分けにくいと思ってたけど、そろそろ落ち着けとく。

エゾマイマイ(北海道全域)は北海道ではよく見る。殻口が大きいのでサッポロマイマイやヒメマイマイなどとはすぐ見分けられる。貝の裏側の「へそ」はよく見える。ウスカワマイマイ(北海道南部にはいるといろいろ記述がある)は殻口が大きくて一見エゾマイマイに似るが、「へそ」が見えない。そして全体的に丸っこいフォルム。

北海道南部で小さくて模様があるカタツムリを見つけても、落ち着いて裏を撮影しておくんだ!きっとそれで大丈夫だ。たぶん。
(まだウスカワマイマイを見たことがないので「たぶん」が取れない)

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いつもの調査とヘーゼルナッツ

札幌で越冬サンショウウオの記録調査。

今年の仔も5cmクラスになった。春に捕まえた去年の仔は雪解け時期に7cmくらいだったと思うから、まだこれからの季節で成長するんだね。

この日は別の場所でエゾアカガエルの幼体(子ガエル)も見れたし、ニホンカナヘビの幼体も見れた。冬眠前の大サービスでしょうかね。

ちょくちょく生えてるハシバミ系の木に花がついてた。去年もハシバミの実を採れるの楽しみにしてたんだけど、見つかんなかったんだよね。雌雄同株だから、サルナシみたいなハズレ(雄株)はないはずなんだけどな…。

ちなみにハシバミの仲間のセイヨウハシバミの実がヘーゼルナッツと呼ばれるナッツになる。和製ナッツ数個でいいから収穫したい…。ハシバミは他にもツノハシバミという変わった形の実をつけるのもある。

こういう暖かい日には野外で飲む生などいかがでしょうか。

サッポロマイマイ、クラシック。

サッポロマイマイ、ホワイトラベル。
私は下戸だから飲まないんですけどね。生のサッポロ。お薦めはできません。

ミヤマクワガタ。

9月終盤だったけど、夏の生き物の最後の見納めと言った感じの散策になりました。

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