ヒガシニホントカゲが去年新種記載されて、文章ではある程度の識別ポイントを確認していたのですが、今年もようやくトカゲ類が出始めたので、確認してみました。
本日の先生、ヒガシニホントカゲさんです。文献によると、9割の安定度(100%ではないみたい)でニホントカゲとヒガシニホントカゲを識別できそうな場所として、前額板(鱗の一部)の並びが示されていました。捕まえてみないと、難しいんですね。
ニホントカゲとヒガシニホントカゲ生息境界区域の皆さま、お気をつけください。(滋賀や和歌山のあたり)
で、前額板とは
上手い絵でなくて恐縮ですが…。青で塗りつぶした部分、前額板ですが、ニホントカゲではお互い接しています。
では北海道産(道央)で見つけたヒガシニホントカゲでは…?
こんな感じ。わかりにくいかと思うので、線を引いてみます。
ギリギリ離れてますね…。なるほど、なんとか実感出来ました。
しかし、ヘビなどで鱗をよく観察していると、結構個体差があります。それゆえの、完全な識別点とはなり得ない(100%でない)ところなんでしょうね。北海道の場合は、分布的にヒガシニホントカゲと確定出来ますが…。今度また西日本行ったら確認しようっと。
それからもう一つ。アズマヒキガエルの繁殖期の雌雄差について。よく、繁殖期の雌雄ではこんな違いがあると言われます。
①オスは黄色化する個体が多い
②オスの背面はやや平滑になり、メスの背面はゴツゴツ
③抱きだこがある
④オスの腕はたくましい
なかなか写真で紹介されていないので、言葉での表現はわかりにくいところもあります。
北海道で定着化しているアズマヒキガエルは、幸か不幸か、ここ数年でたくさん確認することができてしまっているので、このあたりはだいぶ分かってきました。
①オスは黄色化する個体が多い
↓
確定度50%
確かに、真っ黄色になってる個体は、ほぼすべてオスです。しかし、黄色くないオスも多々いますね。暗褐色や褐色が見られます。
②オスの背面はやや平滑になり、メスの背面はゴツゴツ
↓
確定度70%
顕著な個体はほぼ、これで見分けられます。でも、ゴツゴツなような、平滑のような…みたいな個体は難しいのもいますね。
①と②がどういうことなのか、画像を見てみましょう。
繁殖期のアズマヒキガエルの♂の一例
背中が「ぬるん」とした感じになり、全身黄色っぽいです。これはわかりやすい例ですね。
繁殖期のアズマヒキガエルの♀の一例
背中は毒腺でゴツゴツしていますね。体色は赤っぽいもの、グレーっぽいもの、暗褐色などが見られます。
③抱きだこがある
↓
確定度ほぼ100%
抱きだこ、と言うとわかりにくいんですが、背面側から見たオスの前肢の指には顕著な変化が見られます。(手のひら側ではないですよ!)
繁殖期のアズマヒキガエルの♀の一例
指の内側が3本、黒くなります。タコっちゃタコに見えなくもないんですが、エゾアカガエルのような第1指付け根に顕著に出来る婚姻瘤と比べると突出感がないですね。
エゾアカガエルの婚姻瘤はこちらを参考に
The Leech with frog
それに対してメスのアズマヒキガエルでは指の黒変はありません。
繁殖期のアズマヒキガエルの♀の一例
指は確実な感じがします。
④オスの腕はたくましい
↓
確定度50%
これは主観が入るので、むずかしいのと、結構小型のオスも繁殖に参加するので、わかりにくいです。たしかに、たくましい感じはあるのですが、写真にとってみると、あんまり…。雌を抱接するために微妙に長いとか、筋肉があるとかそういうところなんだと思いますが、指標には難しそう。
他に、
※カエルを捕らえて上から軽く圧力をかけたり、背骨をつまんで持ち上げるような形を取ると、雄の場合は盛んにリリースコールをする
あたりもわかりやすいです。でもちょっと時間かかるのと、たまに拗ねてて全く鳴かないオスがいたり。だから、指の色がお勧めです。
他にもちょっと感じる点としては
※メスは体に対して頭が小さめ
※産卵前のメスなら、腹部をつねるように触診すると卵の胚のつぶつぶした感じを触知できる
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