フィールドで感じる北海道の両生類爬虫類

I gave a lecture about reptiles & Amphibians at Maruyama Zoo in Sapporo city.

円山動物園主催の「新は虫類・両生類館」のオープン記念講演で2011年6月26日に講演をしました。
演題は「フィールドで感じる北海道の両生類爬虫類」です。

Design:Yuki Hida

また、同時期の6/26~7/3まで同動物園で写真展示もしていました。

イベントの講演は3本立てで、内容は以下の通りです。

は虫類・両生類館オープン記念講演会
「美しき、爬虫類・両生類の世界へようこそ」

4月23日にオープンした「は虫類・両生類館」は、生息地の自然環境に近づけた展示スペースや設備を設け、これまでにない飼育環境を整えており、動物本来のいきいきとした姿を見ることができます。オープン以来、連日多くの来園者にお越しいただき、爬虫類、両生類の魅力を伝える人気の施設となりました。
このたび、開館を記念して講演会を実施いたします。新たな展示の見どころについて飼育員がお話しするほか、展示を具現化した、建築・設備システムの設計者である札幌市立大学デザイン学部斉藤雅也准教授、全国のフィールドで爬虫類・両生類を調査撮影している写真家・徳田龍弘氏をお招きしてトークをいただきます。
あわせて6月26日(日)~7月3日(日)動物園科学館にて、徳田龍弘氏のパネル写真展を行います。

【日程】
平成 23 年6月26日(日)

開場:12時45分(予約・受付はありませんので、会場にお入りください。)
開演:13時15分~15時45分(予定)
定員 100 名

【会場】
円山動物園 動物科学館

(参加料は無料ですが、動物園への入園料が必要です。)

【講演概要】
13:15~13:20
ごあいさつ 円山動物園園長 酒井裕司氏

13:20~13:50 円山動物園飼育員 本田直也氏
「美しき、は虫類・両生類の世界へようこそ」

13:50~14:35 札幌市立大学 デザイン学部 准教授 斉藤雅也氏
「は虫類・両生類の光・熱環境をデザインする」

(14:35~14:45 休憩)

14:45~15:30 は虫類・両生類フィールド写真家 徳田龍弘氏
「フィールドで感じる北海道の両生類爬虫類」

15:30~15:45 質問タイム・総括
(司会:フリーライター:野谷悦子氏)

【講師紹介】
斉藤雅也(さいとう まさや) 札幌市立大学 デザイン学部 准教授
1970年三重県津市生まれ。専門は建築環境学・熱力学。住まいの環境を快適性、省資源・省エネルギー性の面からデザインと評価の研究を行なう。2007年円山動物園 類人猿館(屋外放飼場)のデザインも監修。武蔵工業大学大学院修了、コーネル大学客員研究員を経て現職。工学(博士)。

徳田龍弘(とくだ たつひろ)
1975年札幌市生まれ。フォトグラファー、ライター。ヘビを中心に爬虫類、両生類、野生動物の写真を撮影する。野外での動物の観察がライフワーク。日本爬虫両生類学会会員、日本自然科学写真協会会員、獣医師。北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑を今年3月に出版。

本田直也(ほんだ なおや)
1976年 札幌生まれ。1996年より円山動物園勤務。 担当は、は虫類両生類館。NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

 

講演報告はこちらで簡易的に行います。

.
Baikada’s main website
Wild Home

結果的に灯火採集

オオミズアオ
Actias artemis

札幌市内、藻岩山周辺でのシロマダラの発見例(2年前)の連絡をもらい、テンションが上がりすぎてしまった。

テンションが上がり過ぎると、後日大きくテンションが落ちてしまうので、
テンションを昇華させるために、夜のフィールドに行ってきた。

残念ながら、途中から霧雨が降りだして、
蒸し暑かったのだけど爬虫類は見ることが出来ず。

でも、道路をちらほらとオオミズアオが飛び回っている。

途中で方針転換して、近くの灯火に集まっている虫を見に行くことにした。

オオミズアオは、とてもきれいなガだと思う。

ガも、チョウも、別に嫌いとかそういうわけではないのだけど
結構なボリュームの大きさのガが、自分の懐中電灯に向かって飛んで来るのには、
少し引くようになってしまった。

だから、じっとしててね~。

オオミズアオ
Actias artemis

オナガミズアオというすごく良く似たガも探してみた。
コレ!オナガミズアオじゃない?!(後翅の黄色い斑紋がやや縦長)
と思って写真撮ってきたけど、両種の相違点を見てみると
やっぱりこれもオオミズアオみたいだ。
前翅の赤いラインにあんまり白い縁取りがないことや、
前翅の先端があんまり尖ってないことから考えて
「後翅の斑紋がちょっと大きいオオミズアオ」という結論に置いてみたけど、
そういうものだろうかね。

オオミズアオ
Actias artemis

羽をばたつかせてアイドリングしているとちょっと緊張するね。
(向かって飛んできそうで)
あ、こんど一眼でこの姿の写真撮ろうっと。

ミヤマクワガタ
A kind of Stag beetle

ミヤマクワガタも全部で5匹。
オスでも大小いろんな個体がいました。

次々に昆虫が頭の上に落ちてくるので、
あんまり長くはその場にいられなかった。
アジアホソバスズメ(蛾)とオオミズアオが次々突進してくるもんだから…。

他にもトホシカメムシやアカネカミキリ、マダラホソカミキリモドキや
アイヌクビホソジョウカイがいました。
(これらは写真撮っといてあとで同定しました)

キタキツネ
Ezo red fox

キタキツネは全部で6頭見れましたが、みんな何かを食べていました。
やっぱり昆虫食べてるのかな?

自宅のすぐ横道でも3匹のキタキツネがいてちょっと驚きました。

エゾアカガエル
Ezo brown frog

近場で捕まえてきたエゾアカガエルのオタマジャクシ。
エゾサンショウウオと同居していると「対捕食」のために膨らみます。

両方ともエゾアカガエル
Ezo brown frog

サンショウウオののいないところで育ったオタマジャクシ(上)と比較します。
基本的なベースは一緒ですが、水泡状にふくらみます。
サンショウウオと隔離すると、この膨らみは失われていきます。

膨らむ部分は、眼球より後方から尾の付け根まで。
尾も、少し縦幅が広がるように思います。

ニホンアカガエルやヤマアカガエルでも、
トウキョウサンショウウオやクロサンショウウオなどと同居すると、
こういう変化をするものでしょうかね?

.
Baikada’s main website
StreamLined Syndrome

森歩き

エゾベニヒラタムシ
Cucujus opacus

滝野すずらん丘陵公園。初めて足を踏みれる公園&森でした。

カエルの鳴き声のイベントに参加した時に知り合った方から
お誘い受けて、森の観察と、打ち合わせに行ってきました。

夏休み期間に一度、観察兼ねたお話し会みたいのを
やることになって、いざ、森を実際に観察。

そこで見つけたエゾベニヒラタムシ。

エゾベニヒラタムシ
Cucujus opacus

いや~、ひらたい。
この虫になんで惹きつけられるんだろうと思ってたけど、
一時代前のカパカパの携帯電話みたいな虫だよね。
そこがツボなのかもしれない。

びみょ~なメタリック感があるし。

ルリヒラタムシを是非見てみたいな!

久しぶりに携帯電話のパンフレットでももらってきて見て和もうかな…。
(最近はスマートフォンが主流になりつつあるけども…)

モノアラガイ?
A kind of snail

田んぼゾーンでは、モノアラガイの系統の貝があちこちで交接してた。
モノアラガイはホタルの幼虫の主な餌としても有名じゃなかったかな。
自分としては、吸虫系の寄生虫の中間宿主のイメージが強いな。
(ヒメモノアラガイとか、コシダカモノアラガイとか…)

で、モノアラって何?
あまりに身近に名前を知りすぎてて、モノアラガイの「モノアラ」の意味を
知らずに育ってきてしまいました。

調べてもわからない。
気になるよね?気にならない…?

ツチガエル
Wrinkle frog

この周辺でツチガエルの越冬幼生を見つけた。
でかいわ!
エゾアカガエルとは比べものにならない様な遊泳力と突進力は
トノサマガエルと遜色ないわー。

田んぼに。ドゥヴァーって。泥ボコリのラインが引かれていくんだよね。
この突進系のオタマが泳いでいくと…。

ところで、保管用に使った、写真に写ってる砂糖の入れ物。
これオタマジャクシやサンショウウオの幼生観察、水生昆虫入れにも
すごい有能だよ。気づかなかったよ!

さっそく帰りに100円ショップで1個買いましたよ。

アブラムシの仲間
A kind of aphid

最近、アブラムシにハマっている知人がおりますが、
たしかにアブラムシは綺麗かもしれない。

そして植物によってつく種類が違ったりして、種類数も半端ない。

アブラムシも名前の由来がよくわからない。
ゴキブリのことをアブラムシと呼ぶこともあるけど、
そっちのほうがテカテカして油を塗ったみたいでイメージはピンとくる。

で、アリマキの方のアブラムシ(カメムシ系の方)がなんでアブラムシになったのか
こっちはちょっと検索したらそれらしいものが見つかった。

アブラムシ・虫の雑学 (社)農林水産技術情報協会
(リンク切れ)

なかなかすごい遊びがあったもんだね。
潰して塗ると髪の毛テカテカってことは、
糖蜜分がテカテカ光ったのかも知れないね。

ユキムシと呼ばれるトドノネオオワタムシもアブラムシだったね。
アブラムシは大きな分類としてはカメムシの仲間にあたります。
セミもナンキンムシもアメンボもタガメも広い意味でのカメムシなんだ。

.
Baikada’s main website
Wild Home

オオムラサキのいもむし

オオムラサキ
Great purple emperor

zimuさんから連絡が来て、フィールドに行くことになりました。しかし、残念ながら曇り模様。

爬虫類的にはかなり厳しいけど、ニホンマムシの生息地に足を運んでみた。

マムシもトカゲも出てきていない様子で、がっかりするのももったいないので、
いろいろ虫を探してみようということで、捜し歩いてみた。

たしかこのあたりにはオオムラサキがいるはずなので…と探すけど
まだ新成虫は発生していない様子。

それじゃ、オオムラサキのイモムシを探してみようということにしたのだけど、
幼虫の形もわからないし、食草もなんとも区別がつかない…。

出直さないとダメかなと思ったところに、
蝶を探している虫屋さんに出会った。

色々話を聞いて、一緒に探すとようやく1匹、オオムラサキの幼虫が見ることが出来た。

思いのほか、可愛らしい姿をしておる…。

それでもあと1月もすれば、紫鮮やかな成虫になるはず。
そしてキツネのウンチなどから水分をすするようになるんだよな~。

エゾノキリンソウ
A kind of Plant

せっかく蝶に詳しい方を捕まえたので、もうちょっと教えてもらう。

上の写真は多分、エゾノキリンソウなんだけど、これがジョウザンシジミの食草なんだそうな。

ジョウザンシジミ
Scolitantides orion jezoensis

いやー本当に卵がありましたよ。
多分、ジョウザンシジミの卵でいいんじゃないかな。

調べてて分かってきたけど、キリンソウってベンケイソウに近い仲間なんだね。

植物食の昆虫を探すときには、よく植物も知らないと見つけられないですよね。
どーも、両爬をやってると植物が結びついてこない。

あ、でも水辺のイタドリの葉にはよくニホンアマガエルが乗っているね。

ブドウスカシクロバ
A kind of moth

虫屋さんとzimuさんと結構話し込んで、仲良くなれたので、
その後のフィールドを一緒に回ってきました。

しかし、その虫屋さん、北海道歴がまだ浅い方で、
ミヤマカラスアゲハが見つけられてとても喜んでいた。

身の回りではほんとうによく見かける蝶なので、
生き物も所変われば、という久しぶりの感覚を味わった。

去年は本当にミヤマカラスアゲハが大発生してたからね…。

写真は裏をかいて、黒いガの写真で。
青い触覚がすごく気になって撮っておいたんだけど、
こういうガって調べるの難しいね。
図鑑って羽を開いた形で掲載されたりしてるもんね。

ミヤマクワガタ
A kind of  Stag beetle

裏山にも足を伸ばしてヘビ探しをしていると、
嬉しいことに、いままで土砂崩れで通行止めになっていた区間が開通していた。

これで夜のヘビ探しドライブも、より奥に入れる。
道路沿いで見ることが出来る環境も増えるので、またいろいろ発見がありそうだ。

開通区間の奥では、標高が高いこともあって
まだ孵化していないエゾサンショウウオの卵も見られた。
(フィールドしたのは6/12でした)
札幌市南区で最初に見つけたエゾサンショウウオの卵が孵化してから1ヶ月は遅い。
ここらへんなら越冬幼生もいそうな感じです。

ヘビはいないけど、ミヤマクワガタが歩いていました。
それほど顎の大きくないやつだけど、やっぱりクワガタはかっこいい。

エゾマイマイカブリ
Japanese ground beetle

しかし、気がついてみると撮った写真は虫ばかり(^^;
やっぱり虫は綺麗ですね。

.
Baikada’s main website
StreamLined Syndrome

faura No.32

I offered the photograph to the magazine. “faura No.32” (Japanese text only.)

北海道の自然を知る季刊誌、faura No.32 にニホンマムシの写真を提供しました。
岸田典大さんのエッセイ、獣野生絵のページに掲載されています。

「徳田龍弘」での掲載です。

Baikada’s main website
Wild Home

パップラドンカルメ

シマヘビ
Japanese four lined ratsnake

北海道のカエルとサンショウウオが落ち着いて、爬虫類が最盛期に入る前に関東に行ってきた。埼玉県の北本市自然観察公園で、ちょっとありえないヘビが展示されているという。

特徴を聞いていると、なんとなくパップラドンカルメを思い出した。
1970年代後半にポンキッキで歌われていた、正体不明のお菓子の歌。
パップラドンカルメは噂でしか確認されていない、誰もしらないといった物。

まるで、上の写真のヘビがそうだ。

背中に薄く線が一本走っているそうだ。 (タカチホヘビ的なもの?)
体は真っ白なんだそうだ。 (アルビノ?)
でも目は黒っぽいんだそうだ。 (白化個体?)
頭が少し黄色いんだ。 (や、ヤマカガシ的…な?)
体鱗は胴の中央付近で19列なんだそうだ。 (シマヘビ??)

結局スネークセンターで同定されて、シマヘビの色素異常個体と確認されたそうです。
たしかに顔はシマヘビです…。

よくみると瞳孔は赤くて、虹彩が黒いんですね。

このヘビを見たくて、半年うずうずしていたんですが
ようやく見てくることが出来ました。

カイコ
Silk moth

カイコも展示していたんだけど、
古い物ついでに、カイコの顔はおだてブタに似ている。
すいませんね、少し古い話しをして。
これも自分が子供の頃にインパクトのあったものなんだ。

ヤマアカガエル(たぶん)
Montane Brown Frog

北本の自然観察公園は、森も大きく、湿地もあって歩くと結構いろんな生き物が見れます。

ちょうど、アカガエル系の上陸時期で、ちびがいくつかいました。
ヤマアカガエルかなー。ちゃんと見なかったな。

ところで、図鑑作るときにちょっと引っかかってた言葉がありまして。
「カエルの幼体」と聞いたら、どんな姿を想像しますか?

正解は、上の写真のような、上陸したてのカエル型になったものを指すんですが、
人によっては「オタマジャクシ」を連想してしまうかもしれない。
オタマジャクシは「幼生」なんですね。

これを説明なく図鑑に書いてしまうと、読んだ人が混乱するかも知れないと思いました。
事実、他の図鑑では「子ガエル」と表現しているものもあります。
多分同じことを考えてこの表現を使ったんだと思うのですが。

それと、微妙な表現ですが亜成体というのもあります。
亜成体は、幼体より成長しているが繁殖能力のない個体のことを
イメージする言葉なんですが、定義ははっきりしてないようです。

このあたりに少し気を使って、
「変態直後の幼体」のような書き回しをしてみました。
あんまり見えない苦労なんで、アピールしてみました(^^)

ツノホコリ
A kind of Slime mold

粘菌も出始めていて、名前はわからないけど3種類ほど見つけました。
ツノホコリ、カタホコリ系、マメホコリ系のもの。

粘菌をがっつり写真撮るにはやっぱり三脚がいるなぁ…。
コンパクトな三脚、持ち歩こうかなぁ…。
機動力が落ちるので、体と相談だね。

マミジロハエトリ?
A kind of Jumping spider

ハエトリはやっぱり見てて面白い。
この大きさだから、面白いとか可愛いと観ていられるけど、
自分と同じ大きさだったら、ほんとうに恐ろしいプレデターになるね。
人間でよかったかも知れないです。

ヤマトシリアゲ
A kind of sorpionfly

シリアゲムシっていうのも、今までゆっくり見たことなかったよ。
いやー、サソリみたいで面白い形しているんだね。

コクワガタ
A kind of Stagbeetle

息子といろいろ今回は触れ合いながらの観察。
コクワガタが葉っぱと葉っぱに挟まって隠れてたのを見つけました。

息子もおもいっきり、クワで挟まれていましたが、
実は私も陰でおもいっきり挟まれていたのは内緒です。

.
Baikada’s main website
StreamLined Syndrome

強風

トウキョウダルマガエル
Tokyo daruma pond frog

北海道の一部に定着してしまっている、トウキョウダルマガエル。
昨年、卵を撮影しておきたくてよく通ったんだけど、残念ながら時期をはずしてしまい、卵は撮影出来ていなかった。

今年は、もう少し予想を立てて、卵を撮影することができた。

しかし、だだっ広いところなので風が強くて、
なかなか「それらしい」卵の撮影が難しかった。

上の写真が、一番「それらしい」感じでした。

トウキョウダルマガエル
Tokyo daruma pond frog

排水桝にはやっぱり何個体かは落ちてる。

トウキョウダルマガエル
Tokyo daruma pond frog

強風がもたらす影響。
上の写真は卵+藻+大量のカンバ類の花粉。
「それらしい」トウキョウダルマガエルの卵には程遠いイメージ。

トウキョウダルマガエル
Tokyo daruma pond frog

産んだ直後から強風にさらされっぱなしで
丸くまとまることすら出来ない卵塊も。
まるでヒキガエルの卵だよ、これじゃ…。

トウキョウダルマガエル
Tokyo daruma pond frog

しまいには、ちぎれて流れだす始末。
田んぼの水は、強風とは反対方向に対流してて
こんな千切れた卵塊がところどころ漂ってました。

トウキョウダルマガエル
Tokyo daruma pond frog

他にも、タンポポの綿毛やらスカイフィッシュやら
いろんなモノが飛び回っておりました。

名前からもわかるように北海道ではトウキョウダルマガエルは移入種です。
今後もいろいろなことを考えさせられる種類の一つになるでしょう。
考えるときも、感情的にではなく、客観的に。

.
Baikada’s main website
StreamLined Syndrome

でんでんむし

ヒメオドリコソウ
Red Deadnettle

北海道は天気もぐずつき、気温も上がりきらない日々ですが、爬虫類の皆さんは元気にしておられますか?と、手紙を書きたくなるくらい爬虫類観察には好ましくない天気の日が多いです。

そろそろ、岩見沢のトウキョウダルマガエルも繁殖シーズンに入るので、去年撮れなかった「北海道のトウキョウダルマガエルの卵の写真」を撮りに出かけてみた。だけど、天候の不順は農業にも影響しているようで、例えば上富良野では低温になってしまうので作物の植え付けが遅れがちだそうだ。

岩見沢の田園地帯は、ざっと見た感じでは田んぼに水が入っているのが全体の1/3くらい、イネの苗を植えているのはその中でさらに1/3くらいだった。遅れているのか、自分が足を運ぶのが早すぎたのか。どっちもありそうだな~。

トウキョウダルマガエルも、ニホンアマガエルも鳴き声は聞いたので、1週間もすれば田んぼも水が増えて産卵が始まるかも知れない。

水の入っていない田んぼや、休耕田の周りは最初の写真のヒメオドリコソウがいっぱい。アップで見ると実に面白い花で綺麗だと思うのだけど、ジュクジュクした水場近くに一面に生えると、そんなにきれいでないような気も…。シソの仲間で、背丈はせいぜい10cmの小さい植物です。とても毛深いです。

ハエ目
Fly sp.

そして家の周り、定山渓でもそろそろジムグリあたりは、うろついてていいと思うんだけどまだ目にしていない。外に出るとすぐ雨が降ってくるもんだから、ちょっとやるせない.

上の写真のハエ系のやつは、「科」レベルで似た仲間がいるので、手持ちの図鑑ではハエ目が限界かな。。「ヤチバエの仲間」とされているものに一番近そうだけど。

もうね、雨と風が出てくると、ほとんどの生き物が身を潜めちゃうのね。だからこういう気象条件でも見れそうな生き物にシフトして観察。

オカモノアラガイ
Succinea sp.

この時期のミズバショウはオバケのようなでかい葉っぱになっているんだけど、これによくオカモノアラガイがついている。「でんでんむし」ではあるけど、いわゆる一般イメージの「かたつむり」とは別の仲間。

これに、とある寄生虫が付いていることがある。大学で寄生虫を専攻してて、一度見てみたいと思っていたロイコクロリディウムという寄生虫を、去年このオカモノアラガイで見つけた。(去年のロイコクロリディウムの動画←大半の人がグロいと感じると思うので閲覧注意)
今年もコレを見たくて、かたっぱしからオカモノアラガイ見ています。(今年はまだ見つけていない)

エゾサンショウウオ
Ezo Salamander

うちで今育てているエゾサンショウウオの幼生。左が大頭型のもの。ちなみにこの2匹、同じ卵嚢から生まれた。なんかもう、左の個体、アンコウみたいだよね。

サンショウウオの幼生も、結構動くし容器の隅っこに行ったりしてしまうので
撮影は魚類用の麻酔を使っている。(一応獣医師です…)軽くかければすぐに不動化してくれて、撮影は十分出来るんだけど並べて撮りたかったので少し深めにかけた。ちょっと効きすぎて口があいてしまった。

水に溶かして使う麻酔薬を使っているのだけど、覚ますときは新鮮な水に浸けておくと覚醒する。だけど深くかかって心配だったので、新鮮な水+エアレーションした。それでもしっかり起きるまで、2時間半もかかってしまった。

表面についた寄生虫の除去などはこの麻酔で十分かもしれないね。
でも、サンショウウオの開腹手術なんかする時は、こんな方法が!
参考:うーぱちゃん・後編(森羅万象・田向先生のブログ)

麻酔をかけてまで撮った今回の写真も、サンショウウオの役に立つような使い道で、使いたいと思います。(主に人間の啓蒙用になると思うけど…)

.
Baikada’s main website
Wild home

Like the Blue lightning


Salamandrella keyserlingii
Siberian Salamander
北山椒魚(きたさんしょううお)

Photograph by Baikada (ばいかだ)
*CANON G12*

.

サンショウウオの一部の種類の卵嚢は、光を当てると妖しく輝く。
キタサンショウウオの卵嚢もそのなかの一つで、産んであまり時間の立たないものは青白く光る。

また、エゾサンショウウオのようにはち切れんばかりに膨れないので、
表面がルーズで、その青い輝きは、稲妻のようにさえ見える。

しかし、美しいものは有限で
日本でキタサンショウウオが発生する釧路湿原のエリアでは
時間が経つに連れて水の成分から影響をうけるためか、
青さは失われて、茶色味がかってく。

そして間もなく、幼生が中から出てきて、
役目を終えた卵嚢は朽ちていく。

キタサンショウウオにとって、人間の目に美しく映ろうが映るまいが、
全く利をなす事も考えられないが、
「青い稲妻」を持つことは彼らにとって何かしらの利点があってのことなんだろう。

青魚の背面のような保護色的な意味合いでもあるのだろうか?

.
Baikada’s main website
StreamLined Syndrome