4月の Salamanders

今年ももう5月になりました。札幌周辺の平野ではエゾアカガエルとエゾサンショウウオの産卵もだいぶ終息したかな。

4月の下旬は道東と道央をパタパタ動きまわっていました。道東はやっぱり春でも雪はちらつくけど、全体の雪の量は少なくて、春めいていました。

道東では、北海道爬虫両棲類研究会のフィールド観察会もしてきました。しかしここ数年、自分がイベントをすると天気が悪くなる雨男っぷりを発揮するのですが、この日の釧路湿原も、見事に雪。しかも湿原はちょっと風が強くて少し吹雪模様。体温が奪われると、ちょっと楽しい気持ちになる。

風の弱いとこでは、エゾアカガエルが雪かぶって立ち往生。死んではいないけど、寒すぎて動けない模様。

卵塊もなんか、かき氷のようになっている。

この日で、観察会時間中は-2~2℃。水から出てる部分は、少し凍ってしまうかもね。

そしてこの日の観察イベントの主目的。

いたいた!キタサンショウウオの成体!(どこにいるかな?)一応全身、写っています。

生まれたての卵囊とオス。

さっきの全身水中で隠れていたのが、様子伺いに水面に来ました。ライトの方向変えて撮ったら、ちょっと暗黒面な感じに。目も青くなっちゃって。面白いな。

キタサンショウウオの卵嚢も無事に発見。

ライトの方向によっては、透明のゲル状のものに見えたりもしますが、

水中に沈んでれば、わりときれいな青を発色します。

産みたての、まだ水を吸ってない卵嚢でも

人魂みたいですね。

無事に、観察会も終わり。両生類は雨でも雪でも、卵嚢や卵塊が見えるので、ハズレがなくていいですね。釧路では観察会の翌日に釧路市営博物館でも両爬の講演をさせていただきました。

その他にも道東の他の場所では、

特大の足跡があったり。北海道最強の山菜の取り合い相手(ヒグマ後肢)。

フクジュソウは両生類の産卵時期にちょうどよく咲いてますね。よく似たキタミフクジュソウというのもあるようだけど、じっくり見てこなかったな。

今時期はこれがそこそこ。

ソウルフード、ギョウジャニンニク。自宅の庭にもホームセンターで買った株を植えたやつがだいぶ育っていい感じなんだけど、今年は採らず。栄養を蓄えておいてもらって、来年採ってみようかな。やっぱり野山のやつはいい感じの臭いがする。そして本当に雑草のごとく生えている…。

小さ流れにはエゾノリュウキンカ。食べれるみたいだけど、採ったら怒られそう。

今年の正式な変形菌確認の第一号はこれ。

ヘビヌカホコリとおもわれる。なにげにサンショウウオの産卵時期の直後くらいの寒い時期から見かける気がします。

シラカバにはダニのような、小さい虫が結構たくさんついてる。

拡大

さらにドン

カメムシ目の何かの幼虫で、わりかしセミ顔したシラカバにつく虫。種名に調べつきそうな気がしていたんだけど、結局わからなかった。

今度はレインコートに…

マダニsp.いましたね、雪降っててもね。油断なりませんな。

札幌に戻ると、だいぶHPが削られていて、ぐったり。しかしこちらでは、留守の間にエゾサンショウウオの産卵が進んでしまった。撮ろうと思った場所ではこんなのが少し撮れたけど、全体的に明るさ不足だったので、来年もう一回、別の場所でトライしてみるかな。

「! → 敵ですかっ♀ですかっ → … → 違いますかねえ… → ではでは」

ちょこちょこ車が通るところで撮っていたので、明らかな不審者に見えただろうし、撮ってる時にすごい居づらかった…。

いつも通っている越冬幼生の池では、越冬個体が春先より成長して8.1cmのものがいました。

今年中に上陸だろうけど、今年生まれの幼生を食べるだろうから、どれくらいまで成長して上がっていくのかが気になる。

ここも戻った頃には卵嚢がそれなりに産んでありました。

この場所は不思議とエゾアカガエルがいない。エゾサンショウウオが狭い池で越冬してるし、周りに繁殖できるような水場がないから代々、食べ尽くして減ってきた感じなのかな。

でも車で数km移動すると、

エゾアカガエルの卵塊が見られました。ここでは大きなゲンゴロウが網に入ってきた。

 

大きさと腹の色から、ゲンゴロウモドキの♂♀のようだね。

バタバタとしているうちに、今度はハープソンHokkaido 2017が始まりました。早速、ご近所周りで、エゾアカガエルとエゾサンショウウオが仲良く産卵してあるとこ発見。

twitterでも下記の通り #herpthon タグで報告中。

 

そして徐々に標高の高いところに移動していくと、ようやくエゾアカガエルの産卵前線に追いつけた。

無事に抱接個体も確認。これから産むところだったのね。かなり標高上がってきたところでようやくという感じでした。

まわりはこんな感じだし。

まだまだ雪景色ですな。

ここらのエゾサンショウウオの卵嚢は少し時間が経っても中はわりと白めな感じがする。

自宅では、アカガレイの体腔から出たという寄生虫を見せてもらう。

赤い胴なので吸血系かと思いこんだけど、いわゆるアニサキス症を引き起こす1つの原因線虫のシュードテラノバ(Pseudoterranova sp.)っぽい。

4月最終日には滝野すずらん丘陵公園でイベント


相変わらずお天気がスレスレ。次回のイベントは5/6。いまのところ…雨予報ですな(5/3時点)。

滝野の帰り道でいつも気になっていた宇宙人をついに撮影。

(QRコードは読み取れないように加工しています)

何なんこれ。

(QRコードは読み取れないようにしています)

このQRコードのURLにアクセスするの怖すぎるんですけど…。ネットで検索すると結構気になってるヒトはいたようで、それによると「この土地を買ってくれ」的な看板だそうだ。目を引き寄せる吸引力は半端ない。モアイや大仏のいる滝野霊園の近くだけに…。日本一でかい寝大仏の近くだけに…。

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4月初旬の待ちぼうけ

小樽、千歳、江別、帯広、釧路あたりではエゾアカガエルやエゾサンショウウオの産卵の便りが届きましたが、我が家の近くでは、エゾアカガエルのオスは鳴いていますがメスがまだ現れないのか、待ちぼうけ状態です。

越冬幼生のいる池でも3月末から産卵を期待して待ってる。でもまだ越冬幼生以外いない。捕獲して調べてみると、ここのエゾサンショウウオの越冬幼生はだいたいみんな6~7cm程度だね。

ここの池には周りではあまり見ない水草があって

これが絡まってボール状になって浮いてるんだけどウキゴケの仲間なんだろうか。

外が温かい日は、エゾサンショウウオの幼生は水底でじっとしてるんだけど、寒い日は、ウキゴケに入り込んで休んでるみたい。温かい日も寒い日も、水温は殆ど変わらないんだけどね…。

3日に1回くらい見に来るので、通行人の方々でも、顔見知りができた^^;

「おう、今日も調査かい!頑張ってなー」怪しまれるような接され方じゃなくてよかった。

エゾアカガエルの大きな産卵池はだいぶ水面が出てきたくらい。オスは鳴きまくってるんだけど、卵がない。

うちの庭も若干、春めいてきた。

期待のサルナシも芽吹いてきた。今年は4品種、全部なってくれるかな。

ギョウジャニンニクも出てます。多分今年から、食べてもいいくらいの育ち具合なんだけどベランダ下に植えたら、冬の間の野良ネコの避寒地+トイレのようになっていたので、今年は食べるのよそう…。今年中に、庭の別の場所に植え替えてやろう。

雪の下からイチゴも出てきた。強いもんだね。

去年、ニリンソウを植えたと思われる場所からニリンソウのような葉っぱも出てきた。花が咲けばニリンソウとわかるけど、育つの楽しみにしとこ。食べれるものだけど、これもギョウジャニンニクと同じところに植わってるので、食べたくはありません…。

あー、ニリンソウ入ったオハウ(煮込み汁)、今年も食べたいな。(野外のニリンソウで)

節足動物も動き出してます。ユスリカに、ハエ、小型のクモ、ヒシバッタ型の幼虫あたり。

冬囲いを失敗して、圧縮されてたブルーベリーもなんとか生きてます。今年はヒヨドリにもスズメバチにも取られないようにしないと。

ギシギシとかセイヨウタンポポとかマンネングサとか、勢いの強い雑草も健在だ。さすがの生命力だ…。

3日後の、再びサンショウウオ。まだ産まん!こればっかりは毎年何度も空振る。

話が激しく飛ぶけど、エゾサンショウウオとアライグマの関係性を考えてみる。産卵にやって来たエゾサンショウウオをアライグマが片っ端から頭食いちぎって食べるとか、エゾサンショウウオの生息状況や繁殖状況にものすごいダメージを与えるよねって、常日頃考えたりする。

だけど魚も考えてみれば、旬って、産卵前の繁殖期の脂の乗った状態のものが多くて、それを美味しい、旬の魚が一番!って人間は食べるのだけども、なんとも業が深いよなあ…。

寿司とか食べると魚卵好きだから、とびっことか数の子とか色々食べるけど、本当にごめんなさい。3割くらい、食べるの減らそう…かな…

ニシンの旬もそろそろ終わりかな?買ってきたニシンをさばくのを見ていると、数の子、たくさん入ってる。そんなニシンの1匹がアニサキスの重感染。

腹腔内に多数のアニー。数の子にアニー。

数の子にアニー。(頭のなかで「くちばしにチェリー」が回っている)
数の子にアニー。(かなり気に入っている)

動画も撮っといたよ。

素晴らしい楽曲もつけて、自信作?だったのに投稿後30分で「きめえ」のコメント頂きました。あははは。

アニサキスにも幾つか種類があるらしい。自宅機材である程度わかるかな?と思って、いろいろ撮っといてみた。

食道部?胃部?は白く色が違う。

アニサキス(回虫の仲間)は見るところ、頭部と尾部と生殖器だったっけ?左が尾部で右が頭部。ちょっと頭部に突起あり。生殖器は透過しないと無理そう。というか、魚にいるアニサキスはまだ成熟してない幼虫か…。

ちょっとヘビっぽい?

アニーには申し訳ないけど、自宅ネコが食べると大変なので、レンジでご成仏頂きました。宿主のニシンは、焼いて、数の子はフライで食べました。

えーと、ドン引きされたかもしれませんが、ニシンをはじめ鮮魚を含む野生生物では、寄生虫がいるのが普通です。適切な調理をして美味しくいただきましょう。

3月末からだいぶ色々忙しくなってきたけど、合間にはこんなものを作ってみたり。

設計図なしで、沖縄のハブ罠をイメージして作ったけど、意外とよくできた。

材質が弱いので隔離室にネズミは入れられないけどね。隔離室はトカゲ想定で作ってるからいいんだね。罠入り口から外に出られなくする仕組みは、とりあえず作ったけど、うまくいくかわからない。うまく行ったら、ちゃんと報告書くことにしよう。そうしよう。

3日経った。
そして今日もサンショウウオ。

産みに来ないなあ。

カエルも産みに来ないなあ…。

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