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識別ヒント(アズマヒキガエル雌雄)

識別ヒント(アズマヒキガエル雌雄)

アズマヒキガエルの繁殖期の雌雄差について。よく、繁殖期の雌雄ではこんな違いがあると言われます。

①オスは黄色化する個体が多い
②オスの背面はやや平滑になり、メスの背面はゴツゴツ
③抱きだこがある
④オスの腕はたくましい

なかなか写真で紹介されていないので、言葉での表現はわかりにくいところもあります。

北海道で定着化しているアズマヒキガエルは、幸か不幸か、ここ数年でたくさん確認することができてしまっているので、このあたりはだいぶ分かってきました。

①オスは黄色化する個体が多い

確定度50%
確かに、真っ黄色になってる個体は、ほぼすべてオスです。しかし、黄色くないオスもいますね。暗褐色や褐色が見られます。

②オスの背面はやや平滑になり、メスの背面はゴツゴツ

確定度70%
顕著な個体はほぼ、これで見分けられます。でも、ゴツゴツなような、平滑のような…みたいなオス個体は難しいですね。

①と②がどういうことなのか、画像を見てみましょう。


繁殖期のアズマヒキガエルの♂の一例

背中が「ぬるん」とした感じになり、全身黄色っぽいです。これはわかりやすい例ですね。

繁殖期のアズマヒキガエルの♀の一例

背中は毒腺でゴツゴツしていますね。体色は赤っぽいもの、グレーっぽいもの、暗褐色などが見られます。

③婚姻瘤(抱きだこ)がある

確定度ほぼ100%
婚姻瘤(抱きだこ)、と言うとわかりにくいんですが、背面側から見たオスの前肢の指には顕著な変化が見られます。(手のひら側ではないですよ!)

繁殖期のアズマヒキガエルのオスの一例

指の内側が3本、黒くなります。タコっちゃタコに見えなくもないんですが、エゾアカガエルのような第1指付け根に顕著に出来る婚姻瘤と比べると突出感がないですね。

エゾアカガエルの婚姻瘤はこちらを参考に
The Leech with frog

それに対してメスのアズマヒキガエルでは指の黒変はありません。

繁殖期のアズマヒキガエルのメスの一例

指は確実な感じがします。

④オスの腕はたくましい

確定度50%
これは主観が入るので、むずかしいのと、結構小型のオスも繁殖に参加するので、わかりにくいです。たしかに、たくましい感じはあるのですが、写真にとってみると、あんまり…。雌を抱接するために微妙に長いとか、筋肉があるとかそういうところなんだと思いますが、指標には難しそう。

他に、

※カエルを捕らえて上から軽く圧力をかけたり、脇腹をつまんで持ち上げるような形を取ると、雄の場合は盛んにリリースコールをする

…あたりもわかりやすいです。でもちょっと時間かかるのと、たまに拗ねてて全く鳴かないオスがいたり。だから、指の色がお勧めです。

他にも感じている点としては

※メスは体に対して頭が小さめ
※産卵前のメスなら、腹部をつねるように触診すると卵の胚のつぶつぶした感じを触知できる

※以前はヒガシニホントカゲの識別の記事と一緒にしていましたが、需要がありそうなので分けました

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蛇をメインに爬虫類、両生類、そして野生動物のことを、書いたり、話したり、撮ったり、観察しています。/北海道爬虫両棲類研究会会長。野生生物域外保全センター顧問。両爬と人のコミュニケーター。獣医師(診察業はしていません)。専門学校で両爬学、たまに野生動物学を担当。/著書:北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑、Old world ratsnakes(一章担当)など。

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