タンボコオロギの繁殖
アオカナヘビとハイナントカゲモドキの餌用に、1年前にスフィロアクアからタンボコオロギを購入して、1年間繁殖して回してみた。
タンボコオロギとは?
秋田以南の本州、四国、九州、伊豆諸島、南西諸島に生息する在来種。
13~17mmのコオロギ。ちなみに他の餌用コオロギとしてはヨーロッパイエコオロギは18~21mm。フタホシコオロギが28~36mm。
上が羽化直後の長い翅が残っている成虫メス。下が長い翅が落ちた成虫メス。
ピンサイズ(孵化直後)。わりとよく増える。
うちの場合は、産卵床は巻いた脱脂綿と、キッチンペーパー丸めたやつ。
餌は、以前はテトラフィンのフレークのみだったが、動物性蛋白質が高いので、アオカナヘビの痛風予防のため、ウサギの餌ペレットも併用。特に餌として与える直前はウサギペレットのみ与える。
(今は余ったフトアゴフードをウサギペレットの代わりに与えてる)
主にヨーロッパイエコオロギ(以後イエコ)との比較も含めた長所と短所を挙げてみる。
長所
- イエコより小さいので、羽化直前のサイズまでアオカナヘビに給餌可能
- 産卵出来るようになってからの成虫の寿命が長いので、卵をたくさん得ることができる
- 餌食いは、イエコより若干小食
- 餌、水切れがない限り、ほとんど共食いしない
- 足がもげにくい
- うるさくない(人によると思う)
短所
- 動きはややのろいが、水平方向にも垂直方向にもジャンプ力が強い
- 風に敏感で、風が当たるとパニくってケージからぼんぼん飛び出しそうになる
- 水が好きで、水のみ場周辺にたむろする。しかしピンサイズがよく、水の表面張力に取り込まれたりして溺れ死ぬ
- 北海道の室温では問題ないが、超高温の環境に置かれた時、イエコより死にやすい
- しがみつく力が強く、気が付くとピンセットや服について脱走しそうになる
- 北限が秋田まで生息する種なので、逸走した場合に国内外来種化しそうで怖い(うちは北海道)
- なので増えすぎても人にあげるのは怖いし、外に持ち出せない
- 分布域で飼育する場合は、逃げ出したときに、遺伝的な個体群差で遺伝子汚染を引き起こす可能性がある
- 大きさは頑張ればアオカナヘビの口に入るサイズだが、成虫に対してアオカナヘビの嗜好性は低い
- 成長はイエコより時間がかかる
- 密度高く飼育すると長翅型が現れる。飛翔力が強いとのことで、警戒が必要だが、蓋つきのプラケで管理するにあたって、掃除や餌やりをする間に飛翔しまくるといったことは起こらなかった
いろいろ心配事が多いので、タンボコオロギの繁殖はこれにて終了しようと思います。
いまさらだけど、やや低温でゆっくり育った個体は春型的な成長をしたのか、かなり小さく育ちました。
今年は外来種化しなさそうな(北海道での話)、北限が関東のクマスズムシ(9~12mm)を繁殖してみようかな。南限が南西諸島までいないみたいだから、卵を冷やさないと増えない(冬を経験しないとダメな)種類だったら、餌としての繁殖は意味ないかなあ。
あと、庭でマダラスズ(6~7.5mm)を捕まえて累代するのはありかも。逃がさないよう最善は尽くすけど、万一逃げても庭で捕まえたやつなら外来化の心配がないのもいいかも。
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