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駆除した個体の扱いについて

駆除した個体の扱いについて

かんガエルの、駆除した個体の扱いについての基本方針です。

ご厚意から、かんガエルで駆除を行ったアズマヒキガエルのお引き取りをご提案頂くことがあります。そのご厚意は、大変ありがたく、お気持ちを受け取りいたしますが、個体の扱いは、基本的に下記の通りとしておりますので、ご理解を頂けますと幸いです。

・かんガエルから、基本的に個体のお譲りはしておりません。

この理由については、生きた個体と、死んだ個体について説明させていただきます。

生きた個体について
北海道では、アズマヒキガエルは国内外来種ということもあり、「北海道生物の多様性の保全等に関する条例」で指定外来種となっております。指定外来種は野外への放逐を禁じており、捕獲したものを別の場所で放したり、一度飼育を始めた個体を元の場所に放すなどは、罰金の対象となる可能性があります。

お譲りして、死ぬまで大切に飼育してくださる方々がいらっしゃるのは重々承知しておりますが、一方で少数の方が、逸出や放逐をしてしまうことが否定できません。そのような状況から生息地域が拡大してしまうのを大変恐れております。

また、北海道外に関してです。アズマヒキガエルは本州では在来種として生息をしています。これらは地域ごとに違う遺伝形質を持っており、例えば隣接する都道府県の個体同士であったとしても、それぞれ違う地域固有の遺伝子を持っている可能性があります。

北海道の個体は、様々な地域から持ち込まれていることが遺伝的な研究で分かっています。北海道の個体を本州で放してしまった場合には、放された地域の在来のアズマヒキガエル遺伝子の固有性を乱してしまう原因にもなってしまう可能性があります。

そのため、かんガエルが捕獲した個体については、生きた個体の譲渡等は行わないこととしております。ご了承下さい。

死んだ個体(安楽死後)について
かんガエルでは、かんガエルの活動にご参加いただいている大学、高校、専門学校の教員を通して、研究用・学習用に解剖等の材料として直接提供しております。

基本的に、毒を含むものであるため、発送や安全な利用についても不安があるため、原則的に一般の方々への発送を行っておりません。

ご理解と、ご配慮を頂けましたら幸いです。

蛇をメインに爬虫類、両生類、そして野生動物のことを、書いたり、話したり、撮ったり、観察しています。/北海道爬虫両棲類研究会会長。野生生物域外保全センター顧問。両爬と人のコミュニケーター。獣医師(診察業はしていません)。専門学校で両爬学、たまに野生動物学を担当。/著書:北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑、Old world ratsnakes(一章担当)など。

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