の・ぼ・り・べ・つ…と言えば

クマ牧場には行ってないんだけどね。ここ最近の外出やフィールドの話を少しずつ。

8月25日に登別のふぉれすと鉱山で爬虫類・両生類の講義をしてきました。受講者の年齢層は幅広く、小学生~壮年者までいらっしゃいました。

内容は、登別の周辺で見られる両爬と、エゾサンショウウオのネオテニー(幼形成熟)の話をしました。登別には倶多楽湖(くったらこ)という湖が近隣にあり、戦前まではこの湖にはエゾサンショウウオのネオテニーが住んでいたという記録がある。(ヒメマスの移入により、絶滅したとされています)ネオテニーがいたこと、越冬幼生がネオテニーと混同されやすいことなどお話しました。

そのあと、短い時間だったけど、大量に持ち込んだヘビの抜け殻を触ってもらって、種による違いを見てもらいました。

1時間の座学のあと、フィールドへ。ふぉれすと鉱山の周辺には、すぐ両生類や爬虫類を観察できる場所がちょこちょこある。

時期的に、エゾアカガエルやエゾサンショウウオは幼生も上陸が終わって見つけづらい状況になっているかと思ったけど、ところどころ特殊な環境があって、(例えば1日中、日が当たらない流水が入る水たまりとか)無事に4種類の両爬が見ることができました。

ニホンアマガエルの幼生の不格好さを見てもらったり、

I

エゾサンショウウオやエゾアカガエルの幼生も見れたり。アマとエゾアカの幼生を比べて見れたのは良かったな。

アマガエルもエゾアカも幼体(上陸してるが未成熟)も見れました。爬虫類は、ヘビは残念ながら見れなかったけど、ニホンカナヘビを見ることができました。

講義も、よく聞いて下さって大変ありがたかったです。講義が終わったあと、スタッフのかたに倶多楽湖を案内して頂きました。

登別といえば、クマ牧場なのですが、個人的には倶多楽湖でして。ネオテニーが生じた湖水を肌で感じてみました。凄い冷たいのを想像して…。

さわってみると、ぬるい。想像以上にぬるい。岸辺で日当たりの良い所で25度。岸辺の日陰で22度。こんなものなのか。同行してくれたNさんが湖に詳しい方にお話を伺ってくれて、やっぱり特殊な湖だということがよくわかりました。

火山湖で、もともと魚はいなかった。深さも150mくらいあり、表面の温度は毎年かなり上がる。でも湖底の方は安定して低温。でもここ数年、温度が少し上がっている。昔は日本で3本の指に入るほどきれいな湖水だったが、魚の移入に伴って、水がだんだん悪くなり(エサを撒くなどもあったよう)、かなり水質が落ちたが、最近は改善してまた水は戻り始めている。
エゾサンショウウオの産卵は周囲の沢付近で見られる。多くはないが湖面でも見られる。幼生はいるかどうかはよくわからない。

などなど。お話聞けて、とても良かった。倶多楽湖も環境見れたし、かなり満足。

夜は、ふぉれすと鉱山に宿泊させてもらった。(宿泊設備もあります)ご飯の前に、スタッフの方々・関係者で夜のフィールドへ。バテバテだったので、軽めのフィールドにしてもらって申し訳なかったです。両爬は出なかったけど、いろいろ盛り上がっていました。

照明さんと、撮影隊の図。何を撮っていたかはまた後で。

夕飯は、登別っぽい、地元のものを食べたいとリクエストして焼き鳥(豚)を食べた。焼き鳥といいつつ、刺さっている肉は豚肉です。室蘭地方の名物ですね。

「焼き鳥(豚)」は知ってはいたのだけど、スタッフの方々は自分がうっかり「豚串」と言うと違和感を感じているようだった。やっぱり焼き鳥なのか。これは。炭火焼きで、カラシを付けて食べる「焼き鳥」。タレと塩があるが、塩のほうが好きだな。結構食べたけど、牛肉と違ってもたれなかった。何より、とても美味しかった。次回、講義があるときには「納豆シュークリーム」を食べることになりそうだ。うーん…。

翌日、ふぉれすと鉱山を出て、昨夜の撮影隊の場所で、昨日のブツを確認。

白い覆面をしたエゾゼミ。もう、このエゾゼミはすでにお亡くなりになっている。

冬虫夏草とか、そういうライフサイクルを持っている菌類による感染死だと思うけど、ちょっとキレイだと思ってしまった。虫を操って高い場所に行き、胞子を広く拡散させる。なんて凄い菌なんだろうね。

その後は、苫小牧で別の相談があったので、苫小牧に向かいがてら、フィールドを見て歩く。

虎杖浜やポロト湖、ヨコスト湿原。白老町の地形図で通り道で目につくところを見た。両爬の外来種を見ることはなくてちょっとホッとはしたけど、ポロト湖の湖岸ではいくつかでかいザリガニの死骸を見たな。生息してて死んだのか、死んだものを捨ててあったのかはよくわからないけど。

苫小牧についたけど、約束の時間まで余裕があったので錦大沼に行ってみた。湖一周散策路は、キノコ観察好きな人にはたまらない場所かもしれない。(食べるではなく、観察する人向け)見応えのあるでかいキノコがかなりたくさん種類があった。ここまでいろいろ見たのは、アポイ岳の低標高地以来だ。

キノコが菌に侵されているのも目立った。キノコが白いカビに侵食されてる感じのやつ。でも、写真はほとんど撮れなかった。

すごい蚊が多くて、立ち止まると襲撃される。やや小型の蚊のくせに、服の上からもお構いなし。ここの蚊は、人生で3本の指に入るくらいえげつない蚊だった。

集団襲撃力 B (叩いても意味が無いくらい来る)
お構いなしに刺す A (ジーンズの上から)
痒みの強さ A (運転しててイライラする)
痒みの持続性 B (3日)
しつこさ B (森の外まではついてくる)

ちなみに関東の住宅に出る蚊なら

集団襲撃力 D (何匹か始末すると静まる)
お構いなしに刺す C (刺しやすいところを選んでる)
痒みの強さ B (寝てても痒い)
痒みの持続性 A (5日)
しつこさ C (撃退すると去っていくものもいる)

さらにちなみに、今まで一番イヤだったのは佐呂間の湖岸で襲われた黄色っぽいやや小型の蚊。

集団襲撃力 C (湖岸の葦原は個体数多し)
お構いなしに刺す A (ジーンズの上から)
痒みの強さ S (刺された瞬間痛い。痒みは猛烈)
痒みの持続性 D (1時間程度)
しつこさ C (湖岸から離れるといない)

こんなん評価しても意味ないんだけど(体質によって違うだろうし)評価してやりたいほどのイライラを引き起こされました。蚊でイライラしたの久しぶりだわ。

でも、その襲撃に耐えて見ていたのはツノホコリ類。変形菌に近縁なものだね。(変形菌にカテゴライズされないことも多い)色々観察するとわかるんだけど、この仲間は他の変形菌の子実体に比べると、水々しい。写真にとっても、透明感とみずみずしさが残るんだ。ただし、標本にしようとすると、元の形は維持することができない。

これはツノホコリっぽい。別の場所には…

エダナシツノホコリっぽいものが生えてました。真性粘菌亜綱の普通の変形菌のアートした形も引き込まれるものがあるけど、ツノホコリ亜綱の、このみずみずしさも引き込まれるね。で、3日ほど、蚊に刺された30箇所以上の場所に痒み止めを塗り続ける生活に陥ったわけだ。あのとき、運転辛かったなー。

Baikada’s main website
Wild Home

2013年4月の福島

アップして良いみたいだったんだけど、なかなかどうやってまとめたものか…。

ということで、ずっとまとめられなかった4月後半の福島での生物に関する調査について軽くアップです。

福島県は2011年の地震・津波・原発事故など、とても酷い災害が起こり、被災地に関してはもちろんのこと、環境面でも気になることが続いたところでした。今回(2013年4月)、人のつながりのお陰で、福島県内での生物(両生類・甲殻類+魚類少し)の調査機会を得たので、行ってみることにしました。目に見える生物への様々な影響も気になるところです。

仙台空港に降り立つと、とても綺麗で活気もあり、津波が押し寄せた場所だとは思えないほどでした。2年経てば、狭い範囲なら復興するものなんだなと思いましたが、レンタカーを借り、福島県相馬市に向かうに連れて、その考えは改められていきました。

ひっきりなしに土砂や瓦礫を運ぶダンプが行き交い、海岸線の道路の周りはほぼすべて更地。瓦礫こそだいぶなくなっていたが、生き物の匂いのしない、いわゆる荒地が広がるばかりだった。中には、所有者がいなくなってしまったのか、取り壊す金銭的な問題なのか、取り壊されていない家がポツン、ポツンとあり、そのなんとか建っている建築物は地震や津波の影響で大破していた。

地震と津波か?

0423minamisoma_fukei (9)
1F部分が津波に流されている

0423minamisoma_fukei (4)内側のものは洗いざらいなくなってしまったのだろうか?

周りの更地には、およそ生物のいるような雰囲気はなかったが、塩害に強い植物なのか、草本がポツポツ生えていた。回復への第一歩と思いたい。


今回、宿としたのは相馬市の松川浦にある「いさみや」さん。目の前が松川浦で、例外なくこの建物も津波に襲われていた。目の前の電柱は激しく傾いていた。

いさみやさんでは、津波を忘れないために、写真や津波の押し寄せた高さを示すラインが残してあった。

今回の調査のメインの目的はサンプル採りでした。生き物たちにはかわいそうだが、一定量を冷蔵して研究機関に送り、それらの生物が蓄積している放射線量(Bq)を計測するためだ。

私とHHS副会長のT氏が入った地域では、すでに過去にサンプル採りが行われていて、過去の採集データと照らして対比できる生物、その他の生物を採るのが主な仕事だ。地の利がない2人での仕事だったが、過去の調査地があるので、そこを中心に調査した。また前回調査よりも両爬においてはより種分類を細かくして送ることにした。

生物に蓄積される放射線物質は食物連鎖に起因するものが多いと思われ、同じ「カエル」でも吸盤を持つニホンアマガエルやシュレーゲルアオガエルは垂直な場所も登ることができるため、羽で飛び回る昆虫も食べることができる。羽のある昆虫は幼虫期の生活場も多様(水中・土中・樹上など)。対してアズマヒキガエルやツチガエルのように、アリなどを中心として地上徘徊性の昆虫を食べるものなど餌の住処によって体に取り込まれる放射線物質の物質量も違うはずだと思ったので、細かく分類しました。

結果はおそらく、本年中に公表されると思います(2022年公開終了した模様です)もし、結果に様々な差が出るようなら、興味深いことです。

河川を中心に調査して得られた生物は多岐にわたり、ソート(整理)や識別がかなり大変で寝不足になる日もあったけれど、なかなか充実した作業でした。(不謹慎でしたら申し訳ないです)

調査は4月下旬だったので、ヤマアカガエルやアズマヒキガエルのようなものは産卵も見られたが、見つけたものに関しては、見た目で目立つほど異常を起こしているものは見られなかった。成体も特には異常状態のものは目につきませんでした。

ヤマアカガエルの卵内の胚も育ってる(死んでるのもいるけど)

こちらもヤマアカガエル


ちょうどいい時期だったみたいだね

おそらく繁殖でエネルギーを使い果たした痩せたオスも見つけました。

ガリガリですね

こういうオスは、他の地域でも繁殖期直後では見られるものなので、ご心配なく。

アズマヒキガエル卵紐(らんちゅう)

0422soma (2)

アズマヒキガエルの親御さんも池にいた。道路脇で写真撮ってたら、後ろ足で穴掘ってどんどん埋まっていきます。ヒキガエルはじつは後ろ足が穴掘りに適しています。

放射線の影響で、卵・精細胞が影響を受けるものもあるかなと心配していたが、見たものでは大丈夫そうで少し安心しました。

しかし、調査地によっては空間線量(μSV)は決して低くない場所もありました。(除染の目安の値は超えていました)丸一年その場所に座り込んでいる場合には基準値の1mSV/年は、余裕で超えてしまいますが、なるべく効率よく調査をして早めにあがるよう心がけました。

IMGP0428

ほとんどの場所はこういう低い値だけど、線量が高いとされる地域ではやはりしっかり値は高かった。

強く印象に残ったのは、ところどころの道路封鎖。


原発に近づくに連れて南相馬市-双葉町間や飯舘村内で、災害対策基本法による道路封鎖がされていた。


封鎖の先にも、普通に住めそうな家が並んでいるのに・・・。目に見えない影響は、とても異様な気持ちにさせられました。

本州の本格的なフィールドは久しぶりで、改めて勉強になることがたくさんありました。また勉強と反省を活かして次の調査に臨めればと思います。また、9月に調査に行く予定ですが、また緑が増え、生物が増え、行けるところも増えていくことに期待しておきたいところです。

以下、福島県内での生物写真と短いコメント。

モクズガニ。川に産するカニとしてはとても大きくなる。

ギギギバチ。ナマズ系は見てて和む。普段、川の中を観察することがないから、ギバチに会うのも初めて。大変可愛らしい。自分の好みは純ナマズ系列のようだ。

キジ。大変多くの個体を目にした。放棄された畑が多い、人が少ないなどの震災の影響だろうか。

ツチガエル。北海道では移入種とされるが、東北では在来。地方によって性染色体の性決定機構が違う集団があり、よく言われるXX(♀)-XY(♂)型と、ZW(♀)-ZZ(♂)型があり、しかもそれらが複雑にからみ合って、…と、いうものを読んだことがある。が、遺伝関係はメンデルの基本以上がわからない自分には、まだ理解できない。

コオニヤンマ。トンボ類は、基本的にはヤゴでも識別できる。が、基本情報が頭に入っていないと、どこを見れば識別のポイントになるのかがわからなくなるので、これは場数を踏んだほうが良い。ちなみに、平べったくて腹のでかいこのコオニヤンマのヤゴはかなり異形なので、識別しやすい。

コヤマトンボ。一見、クモのように見える脚の長さのコヤマトンボ。これもかなり特徴的。

スジエビ。いわゆる淡水の透明系のエビ(よくモエビとかカワエビと言われる)のひとつ。やや大型化するのと、脚の長さ(テナガエビ科)、目の位置(でも微妙)で後者のヌマエビ系とは見分けられる。

ヌマエビ。淡水の透明系のエビ(よくモエビとかカワエビと言われる)のひとつ。最初はスジエビとの識別に骨が折れた(色が個体差が大きい)が、慣れてきたら、脚とかチェックしなくてもわかるようになってきた。言葉には出来ないんだけど、触ったりしているうちに、脳がフォルムの違いを覚えたようだ。

スナヤツメ。何度見ても、異形で面白い。まだヤツメウナギ食べたことない。カワヤツメなら食べれるお店ありそう。(スーパーでは売ってなかったよな…?)

アメリカザリガニ。調査でちょっと苦労。淀んでやや「汚な目」の場所を好むのでそういう場所以外では見つけられなかった。

ニホンアマガエル。4月下旬とはいえ、桜の最盛期だったので、寒くて見つけられるか不安でしたが、何個体かは雨の日に路上に出ていました。もちろんまだ全く鳴いていませんでした。

シュレーゲルアオガエル。北海道にはいない、アオガエルの1つ。これも正直、見つけにくいカエル(たくさん鳴いてるのに)。雨の時に道路にいたのを捕獲。そしてやっぱり体重は軽い。

サケ科のほっちゃれ。意外と数があった。遡上数が多いのかもしれないね。

死骸が草に咬みつくわけはないので、誰かがくわえさせて遊んだのかなと思ったけど、

2本の植物による共同作業(頭起こす草と、口を支える草)の合作だったようだ。大したもんだよね。

ウシガエル。4月下旬でも、これはオタマジャクシで越冬するので、簡単に見つかるとおもいきや、これも苦労した種類になった。4月下旬はまだ活動期ではないみたいで、水中の泥の底の結構深いところからだけ採れた。生きたまま持ち運ぶのは、いまや外来生物法にて禁じられているので捕獲場所で冷やして落として、サンプリングでした。

ニホンイモリ。これも北海道に住んでいないので懐かしい両生類のひとつ。

一見、可愛くないし、毒もあるので敬遠しがちだけど、時間をかけて観察してみるとなかなか表情があって、深い生き物。(今は可愛く見えるようになりました)

シマヘビ。爬虫類はサンプリング対象外でした。これは側溝に落ちて登れなくなって出たそうにしてますね。

出してみたけど、不機嫌な顔つきです。そういう顔ですから…。

シマヘビの幼蛇もいました。ちょっと意外だったのですが、枯れたヨシに登っていました。何をしていたんでしょうね…。シマヘビの幼蛇は、あんまり目につくところにいないんですが、意外と立体的に動いていて目につかないのかな。

…とまあ、いろいろな生き物に会いました。一部の生き物には可哀想だけど、放射線量の測定のためのサンプルになりました。

生物を殺してしまうのは決していいことだとは思わないのですが、様々な災害に遭った生き物たちの影響をしっかり調べ、(あってほしくはないですが)万一、今後に災害が起きた時に、人間も含めた、生物環境へどう取り組んでいけばいいのか、を考えるための、資料になってほしいと思います。

Baikada’s main website
Wild Home

2013道東マムシ旅

相当古い記事だけど、2013年8月に行った、道東と道北をちゃちゃっとね。すっかり更新しなくなっちゃって、書いといたほうが良いものが公開されてない状態が続いてたのでこれも少しずつ更新していければいいな。

このときの遠征は、マムシの再北限記録が出ないかなと、紋別の地方新聞で出ていた、マムシ捕まえた記事をもとに、確認しに行ってきました。

当時の住まい、定山渓温泉を出発。お気に入りのゆるキャラ、定山渓温泉のかっぽん。日本再北限のカッパの生息地なのかもしれない…。

0JZK_kappon

でも出てすぐ、日没 at 小平町。

1_obira (1)

雄冬とか、羽幌、初山別などを夜中動き回るも成果なし…。小平に雰囲気いいとこあったけどね。

1_obira (2)

なんもおらんかったけどね!

夜が明けて岩尾内。コンクリ壁の中からこんにちは。

2-1iwaonai_shibetu (1)

アオダイショウだけど…。なんか具合悪いの?歴戦の勇士なの??顔のうろこベシベシなんだけど、大丈夫?

2-1iwaonai_shibetu (2)

普通のアオダイショウもいた。きれいな薄緑だね。

2-1iwaonai_shibetu (4)

シマヘビも寝てました。目が濁ってるけど、その奥から鋭い赤き眼光で怒ってる…。

2-1iwaonai_shibetu (5)

かと思えば、収まってないのに寝込んでるやつもいたりして。ここのヘビマンションは人気物件のようだ。このはみ出しヘビは、ときどきいるね。日光浴も兼ねてるんだろうけど、本当に緊張感ないよね。

で、このまま、紋別の上渚滑へ。この周辺でのマムシ情報があったので、いそうな場所付近にあった蛇籠をみてみると

2-2kamisyokotu (1)

よく利用されているみたい。抜け殻いっぱいだね。

2-2kamisyokotu (2)

こういう川沿いの蛇籠で、日光の良く当たるところは抜け殻拾う率、大変高い。

2-2kamisyokotu (3)

収穫物の一部。これはアオダイショウと、シマヘビだけど、別にニホンマムシの抜け殻も見つけることができたので、北海道爬虫両棲類研究報告Vol.002に投稿しておいたよ。(表に間違いあったので、Vol.003で訂正記事を入れる羽目になってしまったけど…)

2-3ganbou

この日は、遠軽町で宿泊なので、遠軽の太陽の岩にやってきた。岩肌なので、マムシの痕跡あるかなあと思って…。でもいなかったよ。

そのかわり2匹のヒグマと遭遇したよ。どっちも若かったけど、1日2回はびっくりだよ。たまたま最近付けたドライブレコーダーがこんなことで役立つとは思わなかったよ。

夕方に瀬戸瀬方面へ。ここは、自分が初めて北海道でニホンマムシ見た場所。そうそう、毎回はいてくれないだろうと思ったけど、みつけてしまった。

2-4yubetugawadamu (1)

廃材の下からこんにちは。ニホンマムシです。

2-4yubetugawadamu (2)

するっと伸びた尾の周辺。オスだろうか。

2-4yubetugawadamu (3)

あっ。…オスですね。

2-4yubetugawadamu (4)

一人で撮るのにまごついていたら、引っ込んでしまいました。ヘミペニス。石ついちゃってるし…。

クサリヘビのアコーディオン運動を撮ってたのだけど、あんまりきれいにやってくれない。アコーディオンと、波状運動の繰り返し。

3-1ikutahara
次はキノコの里、生田原へ。生田原で写真のような環境見つけて、
カナヘビいるかもって、探しまくったけど見つからず。

そのまま北見市留辺蘂へ。昔から、ヘビいっぱい見れる場所があったけど最近環境荒れ気味で、今回は見ることができるだろうか…。

3-2rubeshibe (1)

ちゃんといた。アオダイショウあったかそうに水浴中。

3-2rubeshibe (3)

そりゃ引っぱり出せば、だんだん機嫌も悪くなるよね。

3-2rubeshibe (4)

いよいよ咬みそうなので、ごめんなさいして、放蛇。

3-2rubeshibe (5)

しまなしのシマヘビもみつけれた。シマヘビは神経質のビビリなので
ちょっと扱いが難しい。

3-2rubeshibe (7)

シマヘビだけど微妙に緑色に見えることもある。この写真も顔が薄ら緑色。

3-2rubeshibe (8)

ここは、ヒガシニホントカゲもよくいる。これは若いの。意外と爪が鋭い。

3-2rubeshibe (9)

こちらはオスの成体。ちょっと婚姻色で下顎周りがうすら赤い。爪も結構なものだね。

3-2rubeshibe (10)

首のしたの方までオレンジ色。

がーっと3日くらいで回って札幌に帰宅。かなり運転時間が長いので、しんどかったなー。ふとヒザ下をボリボリ掻いてると、ちょっと違和感が。

4JZK (1)

あ。ダニ…。

4JZK (2)

こんな小さいの、刺されてたの初めてだ…。これ、さされてても気づかなかったって時もあったかもしれない。引っこ抜きやすいとこにいたから、まあ、良かった。その後も変な斑点出なかったし…。良かった良かった。

Baikada’s main website
Wild Home

宮古の思い出(2013.5) Part4/4

思い出しつつ、2017年に書き起こしています。

ウミヘビに続き、海の生き物を。

うげっ、と思った人(自分もそっち寄り)も、ちょっとよく見てみて。フナムシだけど、すごいキレイなんだ。思い切って近づいて写真撮ってみると、意外と悪くない顔をしています。

なんて種類だろうね。以前ネットで見た、久米島のフナムシもキレイだったけど、これもかなり綺麗でした。

宮古本島でヒメヘビやサキシマスベトカゲを探していたんだけど、あんまりいい感じのところが見つからず、結局見つけることができなかったので、伊良部島に渡ってみた。
2013年はフェリーで行ってたけど、2015年に宮古本島から橋で行けるようになったのね。利便性は上がったけど、いろいろ心配もあります…。

伊良部島ではわりとあっさりサキシマスベトカゲを発見。やっぱり小規模でも森林大事。

あんまり大きい個体の写真が撮れなかったけど、中サイズくらいまでは、わりとたくさん見ることができた。

歩いてて、踏み抜いてしまった腐食した木の中から複数の卵が。ごめん…。たぶんサキシマスベトカゲの卵だと思う。腐葉土とかでカバーして置いたけど、ほんとごめんね。

クワガタも見つけたけど…大きくはない。種類はわからない。

結局、今回はヒメヘビは見つかるに至らず。見たかったけど仕方ないよね。代わりに

ブラーミニメクラヘビは少し見れたけど…宮古本島で。

両爬以外は殆ど行き当たりばったりなので、ほとんど種類はわからない。でもいつか役に立つかもしれないと思うと、一応写真は撮っておく。そして無駄(?)なデータが増えていく…。いずれちゃんと種類がわかったら、書き直しや写真のフォルダ名に種名つけているので直せるように対応はしていきたい。

帰る日も近づいてきており、夜のフィールドも終わりに近づいて来て、下ばかり見て地面系のものしか見ないのも勿体無いので、少し上を見て歩き始めた。その途端、

うぇっ?!キンバト!びっくりした、すぐ上にいた(寝てた?)。可愛いけど、間違いなく迷惑に思われているはず。目をそらさず、大きな動きをせず、遠ざかっておいた。(熊と会ったときのように)

オキナワツノトンボかな。ツノトンボね。トンボの仲間じゃなくて、アミメカゲロウの仲間だけどね。

立木だから踏み抜きはしなかったけど、樹皮の隙間に何かのヤモリの卵は産み付けられていた。こういうのもあるから、樹木を他の地域に移動させると、移動先で見たことのない生き物が発生、という事態も起こりがち。

すごい樹上でギャアギャアバサバサ言ってるので、見てみるとヤエヤマオオコウモリ。

わりと他の個体とコミュニケーションしてるみたい。エサ縄張り争いなのかもしれないけど…。

やっぱ飛ぶと大きいね。Flying Foxかっこいいね。

夜の森を歩き回っていると、今回の旅で一番絶滅危惧が心配されるランクにある絶滅危惧ⅠAが草の上で寝ていた。

しっぽ長い!ミヤコカナヘビです。起きちゃったけど。

2016年には種の保存法でも保護される国内希少野生動植物種の指定を受けています(捕獲禁止です)が、本当に生息できそうな場所が多くないので心配この上ない種類です。出会えて非常にラッキーですが、2017年には宮古島の外来種のイタチのフンからこのミヤコカナヘビの骨が出てきたという報道もあり、環境悪化に加え、踏んだり蹴ったりの生息状態なので、ぜひ、こんな調査もあるので、見かけた人は情報提供してみてください。

森のなかで夜が明けてきました。周りが明けてくると見たくもないものが目に入ってきます。

ゴミマットレス。ひどい。わざわざ森に捨てに来るのか?植物生えてきてるし…。拾って捨てるには一介の旅行者には大きすぎるので、避けて隅っこにたたんで置こうと思ってめくったら

あっ…。ミヤコヒバァ!!(初めて見た)こちらも2017現在、絶滅危惧ⅠBの指定種です。

嬉しい気持ちもこみ上げてくるのだが、さっきまでのゴミに対するやり場のない怒りはどうしたらいいんだ…。というか、マットレスがシェルターになってたんだったら、片付けないほうが良いのかね…。
もちろん、新たにゴミを捨てるのはダメだ。でも、捨てタイヤの下とかに両生類や爬虫類が潜むという事実もある。自然の状態の、こういう隠れ場所に適した地上物がたくさんあることが望ましいけどね。
ゴミ捨て場だと、ゴミの下に集ってきた個体が、廃棄された毒劇物をかぶって全滅する可能性だってあるからね。
爬虫類や両生類が見つかるからと言って、ゴミの不法投棄は一切擁護しません。

しかし、寝込みを襲う状態になってしまったわけだけど、寝込んでいたのも目を見れば納得の脱皮前状態。体色もくすみがちで目も白く濁るこのタイミングでこの動物に出会う運の悪さというか、良さというか…。

やんちゃそうな顔した、いいヘビですな。決定的な種の存続のダメージが行く前に、いろいろ良い方向に行って欲しいです。そしてまたの未来に、目が濁っていないミヤコヒバァの写真を撮りたいものです。(もちろんゴミの下にいないやつね)

Baikada’s main website
Wild Home

冷やし爬虫類始めました

ようやく、桜の花もぼちぼち…。寒い日が続いておりましたが、暖かい日も少し出て来ました。今年も、寒い冬→暑い夏のパターンでしょうか?

さて今年は本当に、フィールドをする時に気候に振り回された年です。学校の実習するときも、事前に実習予定地を2回3回と歩いたりします。

なんとか、ニホンカナヘビの子どもが、ちらほらするくらいにはなっています。

IMGP0756

春が訪れて喜んで出た途端、車に轢かれてしまったシマヘビ。縞なしのタイプは、半年ぶりに見るとアオダイショウと微妙に迷う。今年も念のため体鱗数を数えました。19列。シマヘビです。足を写してるのは、踏んづけてるんじゃなくて、大きさ比較ね。106cmもある個体だったので、かなり立派ですね。

爬虫類も少しずつ動いているようなので、爬虫類実習を実施することにしました。メインは2種類のトカゲの観察、生息環境の確認です。

IMGP0760

実習をはじめてすぐ、中型哺乳類の死骸がありました。腐ってきているので、ぱっと見では、タヌキかアライグマかわかりません。うすらぼんやりと、尾に縞があるので、アライグマかもと思って、肉球の写真を撮っておきました。足跡のほうがわかりやすいんですが、肉球でも、後肢の指の数とか、形で種類がわかります。

念のため資料も見ておきましたが、やっぱりアライグマでした。

で、実習の方ですが、太陽があまり出てくれず、活動している爬虫類はいなかったんですが、学生さんがはぐった石の下から、ジムグリ出てきてくれました。

IMGP0764

これ。

ジムグリってほんと、いいヘビですよね~。去年生まれの子どもと思われますが、色々観察させて頂きました。

他にもニホンカナヘビと、

ヒガシニホントカゲが石の下から見つかりました。気温が低いのが幸いして、とりあえず確保して観察。

ホントは、最近新種になったヒガシニホントカゲの形態差も説明しておきたかったけど、ニホントカゲ(西日本)の資料もないので、まあ、また今度説明しておこうっと。ブログにあげておいてもいいかもしれないね。

IMGP0767

森林地区に入る実習だったので、(5月14日、まだ雪が残ってます)ヒグマの話もして、熊スプレーも、実際に噴射!実際の射程も実感できたと思います。熊スプレー、持つと妙な安心感があるんですが、使い方、射程、何秒噴射できるか、など知らないと、ちゃんと使えないからよく知っておきましょうね。(たいていはスプレーに書いてある)

実習のあと、ヒガシニホントカゲ達は元の場所に戻りました。

IMGP0778

夜近くの時間まで、ありがとうねー。

Baikada’s main website
Wild Home

雨のハープソン・春

ハープソンの期間、道内は寒くて雨(雪)模様で、思わしくない天気の日々が続いていましたねー。両生類はなんとか卵は産んでくれているので、出掛ければ観察することはできるんだけど、出かける気持ちを天候に折られちゃった人も多かったのではないでしょうか。

第二期(夏:6/30-7-9)は天気が良くなることを祈ります!

自分のハープソンの期間の動きは、以下のような感じでした。

4/30。
雨。寒い。釧路のフィールドにひき続いての荒天。

この日は、恵庭公園で北海道エコ動物自然専門学校の野生生物コースの野外実習。限局的な環境だけど、止水や流水のある環境差と生き物を見て歩いて、季節のものを擬似ガイドしてもらう内容でした。

学生さんの力も借りて、無事にエゾアカガエルの卵塊も確認。思いがけないものもちょっといたりして、良かった。今度は暖かい日にゆっくりやりたいね。

家への帰宅途中に雨で出てきたエゾアカガエル成体を発見。車通行量が多くて、車止められずに写真撮れず。残念ながら参考記録。

この件で気分的に不完全燃焼を起こしたので、帰り際の山に入ってエゾサンショウウオを掴む。(産卵待ちのオスを発見)掴んだ肌がすごくスベスベになる。ハンドルを持つ手がスベスベで運転しにくい。サンショウウオの粘液を顔中に塗れば、お肌スベスベになることは間違いない。ただし何か別の衛生的な問題のあるものもたくさん顔につきそう。プルンプルンでもモチモチでもなく、ただひたすらスベスベになる。

5/1・2
なんだかダウン。イベントと、授業の下準備。外はどんより。少し雨。

5/3。
雨。寒い。この日は、滝野すずらん丘陵公園で、エゾサンショウウオの卵を探そう!のイベント。イベント報告はこちら

晴れて、ぽかぽかの陽気でできたら最高なので、来年はてるてる坊主大作戦ですな。

次回の授業のために、産みたてのエゾアカガエルの卵を探しに夜に山に入る。結果、幽霊疑惑が発生。

5/4・5。
どんより雨。寒い…。5/7の実習のためにエゾアカガエルとエゾサンショウウオの幼生を探す。しかし、全く孵化していない。泣きそう。寒いから、卵の中身の成長自体も遅れてるみたいだ。

実習のスケッチのモデルが見つからず、泣いた。全米は泣いてくれなかった。

5/6。
雨。寒い。そろそろ「GW」にキレ始める。

ゴールデンウィークってよォォォ…。『ウイーク』ってのは、わかる・・・ スゲーよくわかる。だいたい休みが1週間くらい続くからな・・・。

だが、「ゴールデン」って部分はどういうことだああ~~~っ!?金色だろーが!太陽出て輝く金だろうがァーーー!ナメやがってこの雨雲、超イラつくぜェ~~~ッ!!雨降ったら金だろうがなんだろうが人間、引きこもるじゃねーか!晴れるもんなら晴れてみやがれってんだ!チクショーーッ!

どういう事だ!どういう事だよッ!クソッ!雨のゴールデンって、どういう事だッ!ナメやがって、クソッ!クソッ!

心中お察し下さい。良い子のみんなはこんなこと思っても口には出さないようにねっ。ちょっと心のなか暴れてスッキリ?したかも…。

で、この日は再び滝野すずらん丘陵公園でイベント。

今回は共育フォーラム、滝野すずらん丘陵公園、北海道爬虫両生類研究会の3者で協力して、滝野でハープソンをしました。

自分はとても、「企画」や「進行」が苦手です。このへんに特に自信がないので、講演とかの時にはよく自宅リハーサルするんですね。しかし今回は、共育フォーラムと公園、とても心強いバックアップ。フィールド観察に、そのあと両生類の観察結果を検討する時間を設けたり。雨の中、参加してくれたみなさんも、色々楽しめたんじゃないでしょうか?

野外では、

506takino (9)

ツチガエルの越冬幼生。7cmちょいあります。泥の中で寝ていたようです。

506takino (8)

かなり綺麗な状態のエゾサンショウウオの卵嚢。下はヘドロ状でなく、質のいい枯葉メインのリターなので、卵が綺麗なままの状態なようです。

506takino (7)

エゾアカガエルも安定した産卵。5/3の子供イベントとは違う方面を探してみたのですが、意外にサンショウウオの産卵があちこちで見られます。でも「観察のしやすさ」はかなり厳しい感じかもしれない。

506takino (6)

エゾアカガエルの成体も水中の泥の中から発見しました。たいへん痩せておられます。婚姻瘤(こんいんりゅう)があったのでオスですね。命削って繁殖しているようです。

506takino (5)

コオイムシ類も取れました。

滝野すずらん丘陵公園は、固まった範囲に違った環境があるので、「環境の差」を観察するのには色々やりやすいですね。水の生き物でも、流水・静水・止水の生き物、止水でも深い止水・浅い止水の生き物、いろいろ観察出来ます。

506takino (4)

あと、管理棟などもあるので、講演的なことや、生き物を見たあとのまとめなんかもやりやすいんですね。

506takino (3)

ナメコみたい。キノコは全然識別できないので、ナメコっぽいねー、と話していたんだけど、この朽木は昔、ナメコ栽培のホダ木だったらしく、本当にナメコだったのかもしれない。

506takino (2)

わからん。綺麗なキノコ。

506takino (1)

わからん!絵の具をこぼしたような、多分菌類。

5/7。
やっと晴れ・やや強風

ハープソン最終日だけど、予備日的に設定した月曜日なので、参加者は多くないかも。そこで晴れてくるとは、なんたる呪い。

円山動物園に用事があって出かけてきたのですが、園内で個人的な大事件が!

507maruyama (2)

ヘビヌカホコリ(たぶん)!!憧れ変形菌じゃないっすか!「そのへんにある」というまやかし文言渦巻く身の回りにありながら一切その姿を見たことがなかった変形菌。子実体なのに、キノコっぽいフォルムを全くしていない屈曲子嚢体タイプの変形菌。

園内に転がっていた朽木の下。爬虫両生類館のヌシ、H氏の「このへんの樹の下にエゾサンショウウオが越冬してたことあるんですよね」のヒトコトとともに繰り出された「神の蹴り」によって
転がった朽木の裏には、そんなドラマティックな生き物が転がっていたのです…。

507maruyama (1)

手にとって見れば、こういう状態でして。

507maruyama (3)

寄って撮れば、まるでプレッツェルですね。

507maruyama (4)

ヘビヌカホコリのすぐそばには、身が黒い小型のマイマイが隠れてました。小型種なのかな。結構平たい。

ハープソン2013・春
個人調査エリア:5エリア(恵庭・島松山・定山渓・無意根山・札幌)、
別チームでの調査エリア:(清田・大楽毛・山花・遠矢)
個人確認種:2(エゾサンショウウオ・エゾアカガエル)
別チームでの確認種:+2(キタサンショウウオ・ツチガエル)

Baikada’s main website
Wild Home

3年前の幽霊

滝野すずらん丘陵公園のイベントのあと、実はハープソンも同時進行中なので、うちの裏山のある無意根山エリアの様子を見に行って来た。自分の住む定山渓温泉地区も大変春が遅れている。道路際にはまだ雪が残っています。桜?なにそれ?この硬い蕾、いつ咲くんですか?1週間前に、調査で行った東北南部はすでに葉桜になろうとしていましたが…。

さて、裏山ですが。気温0℃、みぞれ降ってます。道路以外には、しこたま雪が残っていて積雪は50cmくらいあります。いつもGW後くらいにエゾサンショウウオの産卵が見られる沼までやって来ましたが、

IMGP0639

かろうじて水面が見え始めた状態です。春はまだまだ遠いようです。

IMGP0643

しかし1.5mほど下に、何か発見。

IMGP0649

は…び、びっくりした。エゾアカガエルの卵塊だわ。こんな状態の沼なのに、エゾアカガエルは頑張り始めてたんすね…。いやあ、ちゃんと沼の中も見ててよかったー。こんな季節遅れてても、産卵はあるもんだな…。侮れん。

もしかしたらと、付近も覗いてみる。

IMGP0644

あーあー

IMGP0647

あったよ…。エゾサンショウウオの卵嚢も1対。良さげな倒木の下に産み付けられてる…。いままで雪解け具合で、産卵を見に行ってたから、こんなに早く産んでるとは思いもよらなかった。

ほえー。

で、写真からも分かる通り、卵嚢まで7~8mくらい距離があって近づけてません。コンデジと強力電灯で頑張ってもらってなんとか…。

で、写真を撮っている姿は、大変「不審者」なわけです。熊が徘徊する沼を、夜に一人でぼーっと見てるやつがいたら、ヤバい人であるのは高確率でしょう。というか、普通の人であるわけがありません。

しかし、その不審者を見つけて声をかけてくれる人が稀にいるんです。めったに車通らないところなんだけど、自分の姿見つけて車停めて、「おーい、大丈夫かー」と。大変勇気のいる行動ですね。声を掛けられる方も、実は肝をつぶしているのだけども…。

サンショウウオの産卵の観察してますー。ご心配かけてすいません!って、「怪しいものではありません」アピールすると、「ああっ!あんた!!何年か前も沼の中に浸かってた人!!」

3年ぶりの再会でした。3年前は、自分が沼に浸かってサンショウウオの産卵の写真撮ってました。夜中に。3年ぶりの思い出話をちょっとしました。

「あんた、沼に入って自殺すると思った!いや、幽霊だと思った!」

あははは、ごめんなさい。毎度毎度…。自分も実はこんな山の中で人間に会うのが怖かったんですけど…、とは言えなかった。本気で心配して声かけてくれたんだもんね。声かけてくれたお兄さんは、山の上にある施設の管理の方みたいです。まず人に会う所ではないから、怖いし心配になっちゃうよね。

2日前にも、うちの管理人のおばちゃんに夜、こんばんは~、と声をかけただけでものすごく驚かせてしまった。

普通に声をかけただけなのに驚かす、「いきなり声かけんなよ!」と逆ギレさせる、「闇に紛れているの?」と存在の薄さを疑われるなど無駄に人を驚かす才能を持っているようです。そして、この才能が対人関係にいい方向に活かされた例は未だにありません。

Baikada’s main website
Wild Home

そのへんのモノ

雪もだいぶ減りました。半年ぶりのちゃんとした歩きフィールドです。

1

例年ならぼちぼち、カエル活動開始時期なので、うちの近くで一番早くエゾアカガエルの産卵が始まるところに寄ってみました。

2

TARAもまだまだ。タラでいいんだよね?コレ。ちょうどいい頃に残されているか、それが一番問題ですな。

3

池…いやむしろ沼だけど、だいぶ表面が開放されてきました。印象的にはすごい水量増えてる。そしてまだ「解ける予備軍」の残雪量も多い。産卵に影響あるかなー。

4

肝心のカエルなんだけどエゾアカガエルが3匹ほど、水面に浮いてるのを見ました。おそらくオスですが、まだ鳴く気配ありませんでした。上の写真は、カエルの卵…になるはずだったモノ。何かの理由で水中で死んだメスのお腹からはみ出てしまった卵になるべきだったものが水を吸って膨らんでるもの。

ずーっと待ってたんだけど、一度引っ込んだオスは、出てくることはありませんでした…。まだ繁殖に必死なシーズンではないので、仕方ないか…。正月のオオサンショウウオ&ツチガエルから数えて今年の両爬3種類目。

カエルは諦めて、好雪性粘菌を探してみるも、こちらも見当たらず。

周辺にあった、変わったもの(?)を写真撮ってフィールドリハビリ終了です。

5

ササのマクロ。キレイダネー。

6

枝に黒いブツブツ。粘菌(変形菌)かなと思って近寄ったけど、

7

なんか違う…。表面ボコボコしてるけど、なんか違う。

8

コレは地衣類なんですかね。不思議なものだらけですな。

9

エゾシカの樹皮はぎ&ツノ研ぎかな?他にもたくさん哺乳類の痕跡がありました。

アライグマの足跡とか
アライグマの足跡とか
アライグマの足跡。

やっぱ両生類集まってくるの待って巡回中なのかな。

10
ラストはこれ。キクラゲの類だなこりゃ…。林道に除雪ブル入ったところがあって枝が折れてて、そのへんに落ちてた。キクラゲいいな。キクラゲの入った冷やし中華食べたい。

Baikada’s main website
Wild Home

握手

いい天気の中、ようやく散歩するくらいの時間ができました。

カメラ持って外出たの、今年まだ2回目。なんてこった!

厳冬期に道東、とも考えていたものの、ズルズルと内業に追われるうちに2月も終わりに。ちっとは冬らしいもの、楽しそうなもの見ないとね。

今シーズンで初めてオオワシ見たような。

_
すごく遠かったけど、楽しそう(?)でした。本人たちは必死だと思いますが…。握手して仲直り、とはならんですよね。

Baikada’s main website
Wild Home

通学路

ずっとプライベートでフィールド出てなかった。

たまに行き来できるのも、恵庭の学校と定山渓の往復くらい。殺風景な街中を通過するより、10km長いが山道で往復している。学校へ行くのは教える側の立場だけど、通学路といえば通学路。

晩秋はキノコしかなかったけど、少しでも外の空気に触れるのはいいものだよね。その翌週には初雪。

今年はこのへんも初雪のまま根雪に向かいそうだ。毎年、最初の雪は木や電線に着雪して、少し被害が出る。通学路脇の林道は垂れ下がった枝で封鎖されました。

全面が雪に覆われ、次に土を見るときには一気に気持ちののあがる季節が到来します。

晩秋は冬に向かっていく様子が好きではないのだけど、雪が積もるとあとは春を待つだけだし、アホほど寒い日が来るのも、なにげに楽しい。来週の通学路では、なにか動物が見れるかな?

Baikada’s main website
Wild Home