ハープソンHokkaido2016はじめました

ハープソンの期間がやってきてしまいました。今年は、期間が半端なく長いので、皆さんもあちこちに行った際に記録しておくと、良いことあるかもしれませんね?今年は、去年よりは種数を出すつもりでいます。さて、今日も散髪に行くついでに、フィールドしてまいりました。

※地図のメッシュ番号はこちらの地図を使うと楽ですよ

4月16日 札幌市南区澄川 メッシュコード644132(石山)

自宅から直線距離で1,2を争うエゾアカガエルの繁殖地。今年も周りの様子からして、産卵始まっているはずだ…。もしかしたらサンショウウオもいるかもしれない!と、楽しみにしてやってきたが、池には全く卵はなく…。エゾアカガエルの卵すらもない。異変という感じでもないのだけど、早かったかなあ。

潜んでいるエゾアカガエルの成体がいるかもしれないので、網で池をガサガサしてると、おお、いた!…けども…エゾアカガエルのご遺体。メスで、この時期に見つかるものは、腹の中の卵が水を吸ってしまって痛々しい物になってしまうので、

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見たい人だけ、画像クリックして下さい。一応、ハープソンの生息確認の写真なのでご容赦下さいね。兎にも角にも、ハプ2016の記念すべき1種目はエゾアカガエルでした。結局今日はここで見れたのは、これだけ。消化不良のため、もう1箇所まわってみることに。

4月16日 札幌市南区石山 メッシュコード644132(石山)

ここは今見つけている、自宅から最も近いエゾサンショウウオの産卵場。しかも越冬幼生もいるなかなか素敵な場所。何故かエゾアカガエルは見つけていない。みんな食べられて減ってったのかな。こういう、偏りって少し面白い。

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早速、エゾサンショウウオの卵嚢も発見。ハープソン2種め!

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水中で卵の胚は、みんな重力で下向いてるんだよね。ちなみにここの産卵場は、この間の記事(Twins)でふたごを見つけたところ。上の写真でも、左の卵嚢にそのふたごを再発見することができたよ。

しかしだね、昨年生まれの越冬幼生が卵嚢にちょっかいを出してる。

別に中身動いてないのに、明らかにかみつきに行ってる。動く幼生になったら、襲って共食いするのはわかるけども…。「たべもの」として認識しているのかなあ…。エッグイーターと言われるカエルもいるけど、越冬して翌年の卵や幼生食べるというのも、エッグイーターみたいなものだね。

ふたごのいるちょっと貴重(?)な卵嚢なので、破られる前に、しばし拝借。

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取り出して観察。中の胚は神経胚くらいまで成長してるようだ。

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この卵嚢、驚いたことにふたごが4卵、みつごが1卵あった!

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卵嚢の首(枝などとくっついてるところ)の方には薄い縦筋がありました。

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卵嚢の尾のほうは、筋はなかった。エゾサンショウウオの卵嚢の筋は、いまひとつはっきりしないし、均一な感じがしない。折角なので、もうちょっと調べて報告しておこう。気が向いたので、もう1箇所行ってみよう。

4月16日 札幌市南区簾舞 メッシュコード644132(石山)

この場所は、だいぶ標高が上がっていくので、例年の産卵はやや遅め。なので、雪解け具合の確認だけしに行ってみました。が

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ちょっと産み始めてました!エゾアカガエルの卵塊3こくらい。涼しいせいか、鳴き声はきこえないけど少しずつは始まっておるのだな。ということは、少し標高の低いあそこなら…ということであと1箇所。

4月16日 札幌市南区豊滝 メッシュコード644131(定山渓)

と、その前に。豊滝ではほとんど探したことがなかったので、道なりに少し見たけど、見つからなかった。山の奥行き過ぎたかな。だいぶ雪残ってた。あとで地図みたら結構豊滝は散策のしがいがありそうなとこね。

ということで、当初の目的地に。

4月16日 札幌市南区小金湯 メッシュコード644131(定山渓)

かなり涼しいところだけど、産卵する池の周りは雪どけがそれなりに早い場所なので、産卵は始まってるはず。

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一応、エゾサンショウウオの卵嚢は見つけれた。この小さな池はとても観察が容易で重宝してきたけど、ここ数年、池の周りの環境が芳しくなくて心配。

周りは良い環境だから、個体群が死滅することはないだろうけど、もったいないな。

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エゾアカガエルの卵は結構たくさん。まだまだ増えていくはずだ。

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産みたての卵塊も。しっかり水場に産まないと、干からびるよ。水中の泥の中に埋まっていたので、

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掬ってみた。オスメスセットだ。今年初の成体(生きてるやつ)確認。

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地味だけど、地味に嬉しい春の初モノ。気がついたら、散髪に行くのすごく遅くなってたよ…。

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Twins ふたご…?

雪がまだ時おり降っている札幌ですが、積もった雪はほとんど消えて、春は確実に進んでいますね。無事にエゾアカガエルの卵塊も見ることができ、今年の両爬は2種類みれました。3種目はツチガエルかヒキガエルあたりになるのかな?(移入種だけれども)

今年の、初見だったエゾサンショウウオの池を見てきました。基本的には警戒心強いので、水草に潜り込んじゃうんだけど、ぼーっとした個体は写真撮りやすいね。

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そしてこの池にも、今年の初のエゾサンショウウオの産卵が見られました。

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とりあえず、産卵があると写真を撮る習性のある自分ですが、撮った写真を整理していて、今回は面白いもの見つけた。自分としては、かなりスゲーレアもの見れた気分なんだけど、一般的に価値があるものなのかどうかはよくわからない…。じつは上の写真にすでに面白いもの写ってるんだけど…。

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これだ!おお、すげえ!生まれて初めて見た!、と思う…!

アップにしてみると

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これ。ひとつの卵膜のなかに、2つの胚が!

後ろの卵の胚がたまたま位置構造的に同じ卵内に入ってるように見えてる(アーキテクト)のかと思ったけど、別カットの写真から抜き出しても

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やっぱ同じ卵内に2つ胚がある…。

これ、実は写真撮ってるときには全く気付いてなくて家で写真整理してて、気が付いたのね。鶏の卵でいう、ひとつの卵に2つ黄身が入ってる状態。お得感あふれる幸せ卵だね。

鳥の卵では、2つの胚が排卵された後に同じ殻でくるまれてしまうことで双子卵ができることがある。(二卵性双生児)いろんな動物で胚が分裂中に2つに分かれて双子になることもある。(一卵性双生児)

このサンショウウオの卵は分裂前の胚が2つ入ってるので二卵性の卵なんだろうな。両生類の卵がメスの体で出来上がっていく過程がよくわからないので、これ以上のことはわからないけど、とにかく面白いもの見た。一度の産卵の子供たちをすべて双生児的に言うなら、サンショウウオなんて百卵生百生児みたいなものなんだけど、1卵に2つの胚が入ってる両生類の卵は初めて見たよ。

近日中に、この卵のその後を見に行きたいけど、たぶん、この卵嚢の周りにほかのサンショウウオが卵産みつけてどれがこの卵嚢だかわからなくなってそうだ。

エゾアカガエルとエゾサンショウウオの産卵は、フキノトウが出て少しすると始まるイメージだけど、産卵開始後に出てくる花たちも増えてきた。(いわゆるスプリングエフェメラル)

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エンレイソウや

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キバナノアマナ(かな?)

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エゾエンゴサク。このあたりが池の周りの常連の花。ほかにミズバショウも一部、花をつけてきています。

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シマエナガも巣材を運びながら忙しく飛び回っています。

そして私は、出たり休んだり、それなりのペースで生活しています。とりあえず、いきてますよー。あ、そうだ、あさってからハープソンの期間が始まりますよー^^

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北海道爬虫両棲類研究報告 Vol.004

I edited the “Bulletin of reptiles and amphibians in Hokkaido Vol.004”.

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北海道爬虫両棲類研究会発行の北海道爬虫両棲類研究報告 Vol.004を編集しました。会の発行物ですので、一般書店では購入出来ません。ご注意ください。

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