みんなでサイエンス76:北海道新聞

I wrote the article for the news paper. “Hokkaido newspaper” The article was “Let’s Science” about the color of the venom of snakes.

「北海道新聞」(紙面)で、マムシの毒について寄稿しました。2013年9月26日の北海道新聞・夕刊(札幌圏)に掲載されました。
『狩りの補助 侮れぬ怖さ』などの副題がついています。

北海道自然史研究会の会員の一人として、『みんなでサイエンス』に寄稿しています。みんなでサイエンスは、木曜の夕刊で
連載されています。

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スネークアート展

I open a store in Maruyama zoo at September 23rd. “Snake art” (Japanese text only.)

北海道札幌市の円山動物園で2013年9月13~23日に開催された「スネークアート展」。こちらのうち、9/23に1日だけ出店し書籍を売りました。また今回は、作品として1点、展示して頂きました。

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モリイク vol.6

I offered the photograph to the booklet. “Mori-Iku vol.6“.

生活協同組合コープさっぽろが発行した、「モリイク vol.06」という冊子の特集「森のキモイキレイ」の中で、ジムグリのお腹の写真を提供しました。

こちらからバックナンバーが見れます。

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外来種の実習ひとまず完結

今年の前期の授業が終わりました。今までの授業はずっと座学で進めてきたのですが、今季は野外実習も組み込む形でやってみました。天候や、行動範囲などいろいろ考えるところもありましたが、そのうちの1つの実習の流れを紹介しようと思います。(今回は2年の自然コースの実習です)

北海道には両生類の種類は多くありませんが、現在確認される両生類の半数以上が外来種です。そのうち、トノサマガエルは道央を中心に広がりを見せています。本来の生息地(本州・四国・九州)ではむしろ減少傾向にあり環境省レッドデータ(2013現在)では準絶滅危惧種にも指定されている。しかし皮肉にも、北海道ではかなりの勢いで分布を拡大している状態です。

座学では、外来種の話を進め、学生さんには、「外来種についての自分の考え」をレポートにしてもらいました。表面的には、いろんな意見(駆除派・静観派など)を持っている人が多いのですがなぜ自分はそのような意見を持っているのか?という部分を見つめて欲しいと思ってのことです。

「先生が外来種は駆除した方がいいというから、私は駆除するべきだと思う。」

という意見は、まったく自分の考えを持っていない。なぜ駆除が必要で、駆除する時にどう考えながら駆除するべきなのか。静観するなら、どうして静観するのか。自分の意志をしっかりと説明できることが重要だと思います。

いろいろな意見を持つだろうし、それを自分の考えとして持って議論をするなら、外来種議論にも少しは実があることになっていくと思うので。

今回のレポートの結果から、外来種の野外実習の大筋をたてました。

今回は

・トノサマガエルの帰化定着を心配している施設でトノサマガエルを捕獲する
・捕獲したトノサマガエルは、なるべく苦痛がない形で冷凍死させる
・死骸はできるだけ無駄にしない
・後日解剖して、自分の知識に入れる
・駆除した際の、死骸について、何かに利用できないかを考える

こんな感じで進めていくことにしました。

学校の職員さんに尽力していただいて、トノサマガエルをある施設で捕獲する許可を頂いて、野外実習を8月に行いました。

確かにたくさんのトノサマガエルが確認でき、うちの家の近くにあるような田んぼ(まだトノサマガエルがいない)のアマガエルの密度と比べると、大変アマガエルの個体数は少なかった印象です。

全くいないわけではなく、写真のように上陸したばかりのアマガエルがぽつりぽつりと見ることはできました。

上陸の時期となっていたためもあるのですが、トノサマガエルの個体数は「おびただしい」と表現する数でした。実習始めたてのところで、このような感じです。

実習では、「各種の両生類・爬虫類を捕まえること」も大事にしたいと思っています。

捕まえる→探す→見つけるにはどんな環境を好むかを考える→見つけた時にその環境を肌で感じる→その環境に住む他の生物も見る
→そこの生態系がどのように構成されているかを考える

これができれば、いろんな生き物を調べる時に役立つ知識にできると思います。例えば、水辺に住む鳥を見たいと思った時、その鳥がカエルを食べるという情報があったとして、単に水辺をやみくもに探すより、その鳥が好む種類のカエルの住む場所を探し当てられれば効率的に観察、調査もできます。飼育技術としても、生息地の環境を良く知れば、その種が好んで生息する環境を飼育下で再現してあげられればより良い飼育へと持っていけるでしょうしね。

通勤の途中でヘビを拾うと、持って行って学生に見せたりします。帰り道で捕まえたところで放します。学生さんが飼ってみたいと提案も受けることもありますが、自分で捕まえて生息地を観察してから飼ってね、と断ります。理由は説明するので、きっとわかってもらえてると思います。

さて、実習に戻りますが、水面内にも大量のトノサマガエルのオタマジャクシがいます。大体野外で捕まえたものはお腹が泥なども食べてプリプリにふくれているので、スペード型に見えることが多いです。

施設では、卵を見つけると除去しているのですが、とても取りきれないという現状があります。捕まえたトノサマガエルは、学生さんにカウントしてもらい、それをしつつ、誤認捕獲がないか、確認をしていきます。

誤認捕獲はあとで水面に戻しました。上の写真はニホンアマガエルのオタマジャクシですね。捕まえて両種をよく見比べると、はっきりとした違いがわかってきます。こういう経験も、いずれ役に立つことがあればいいなと思います。

その他、実習中に見られる野生の両爬も観察出来ました。

エゾアカガエルの若い個体ですね。

これはカエルを好んでよく食べるシマヘビです。この日だけで3個体が確認できました。

トノサマガエルの増加は、シマヘビ視点で考えると、食べでのあるエサが増えて、嬉しい事なのかもしれません。対して、ニホンアマガエルにとってはエサを取り合う競争者、もしくは自身がトノサマガエルに食べられることもあるので嬉しくないところでしょう。

本州ではアマガエルとトノサマガエルは同所的に住んでいるので最終的には住み分けられるのかもしれませんが、トノサマガエルのいなかった北海道で住んでいたアマガエルにとっては厳しい状況になっていると思います。

体感的で、データを表示できるわけではありませんが道内でたくさんトノサマガエルがいる環境では、反比例してニホンアマガエルは少ないように感じています。

トノサマガエルは1匹のメスが千単位の卵を産みます。ほとんどの卵がオタマジャクシになり、成長するので、上陸の時期には見られる数が増えるのは当然なのですが、1000近い個体がこの日だけで捕獲されました。

大きな個体は、後日、解剖して、カエルの体の作りがどういうものか、オタマジャクシも一部解剖して変態時にどのような変化が起こっているかを観察しました。

(写真はカエルの解剖の日に、他の人から頂いたヘビの死骸を解剖をしてるところですが…)

この実習は、比較的、予定していた流れで進みましたがお天気等によっては、なかなか難しい面もあります。その辺りも、今季は経験できた(フィールド行っても何もいない…)ので、今後の組み立てもうまくやらないといけないですね。

解剖に使わなかった残り900以上の個体ですが、幸い、学校にはたくさんの飼育動物がいます。その中でも、カエルを食べることができる動物がいます。何種かの動物は、食べることができるので、10匹単位くらいに小分けして冷凍しました。寄生虫が心配ですが、冷凍や煮る、などの手段を使って、飼育動物のエサとして利用できそうなので、ホッとしています。

有効利用できるものは有効に、「命を無駄にしなかった」と、自分たちを納得させるためにも、有効利用の考えもどんどんしていったほうが良いかなと考えています。

トノサマガエルは無毒でエサ利用できるのですが、トノサマ同様、分布を広げている外来種ヒキガエルは毒があるのでエサ利用が厳しいです。この辺りも良いアイデアを考えたいところですね。

蛇足。

実習中に、誤って踏まれた拍子に、頸部の皮膚が裂けてしまったシマヘビ(カラスタイプ)。頸部に負った傷の処置をしたのですが、処置後、30cmちょっとのシマヘビが、20cm近いニホンカナヘビを吐き出しました。こんな大きいのを食べているのかと、かなり驚きました。

傷:
誤って踏まれた拍子に、頸部の皮膚が裂けてしまいました。最初は皮膚を寄せて、くっつくようにしたかったのですが、数日後に傷が開くなどで、くっつけることができず、今は傷が開いた状態で表面を軟膏等で保護して、数度の脱皮で皮膚の再生を期待しています。頸部皮膚なので、大きなエサを与えられないので、しばらくは流動食(捕獲したトノサマガエル利用)の強制給餌です。今年中の野生復帰は難しそうです。

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38

周りの方々のお陰で、無事に38歳を迎え、今年も生き延びることができました。ありがとうございました。体調を大きく崩してから、まったく働けなかった数年(暗黒期)を経て、人との繋がりを頼って、仕事を徐々に増やしてきました。(ほんとに人との繋がりだけで生きています)

健全な「週2休の生活」までの回復はできていないですが、調子のいい時は週3休ペースで労働らしきことができています。調子に乗ると、働けなくなる暗黒期がやってくるのもよくわかっているので予定が厳しいと思った時はお断りしたり、予定を延期させていただいたこともあります。できれば全てお引き受けしていきたいのですが…申し訳ない。

しかし以前は週5働いて、残りの2休でフィールド行ってたのを考えると、フィールドも仕事も併せて週4が精々というのは、まだまだですね。

最近の仕事は両爬分野ではあるけど、いろいろな角度で接する事が増えて自分の肩書もなかなか表現が難しいのですが自分の好きな分野で仕事が出来るのは大変ありがたいことだと、いつも思います。

どの仕事でも、最終的な目標となるのは、人間と野生動物(特に両爬)の適正な接し方や知識の啓蒙です。「世の中の役にたつこと」や「人類を救う」ようなことは、なかなかできませんが動物と人間がどういう距離で接していくのがお互いにとっていい距離なのか?を考えて、今年も生きていきたいと思います。

ミヤコヒバァ
2013.05.26 沖縄県宮古島にて
絶滅危惧ⅠA類。
奥歯に長めの毒牙(弱毒)を持つが人間での被害例はないようだ

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