氷点下始めました

初雪も降った。今夜は氷点下。ぼちぼち生きています。紅葉もほぼ終わりましたが、近所の公園で最後の楽しみ。

サルナシ。樹に雄と両性があるので、春から両性樹を探してたんだけど、意外と少ないんだよね~。

近所の公園散歩で、実がなってる樹を発見。数年前に食べた時の美味しさには、今年は敵わなかったなー。来年は庭で収穫できる予定なのだけど、うまく育つかな。

今年は夏頃から、少しだけ植物見ています。頭のなかに植物の系列がまったくインプットされていなかったから覚えるの、むずかしいね。

ヘビヌカホコリを以前見たというポイントに連れてってもらったら、まだヘビヌカホコリ(たぶん)のこってた。

相変わらずおもしろい形だね。幅7~8mmくらいだったかな。1週間前の情報だったのに、まだ残ってることに驚いた。

移動中の変形菌っぽいのも。カビかも…。わからん!

このへんで青く輝くという伝説のダンゴムシを見たとの目撃情報もあったけど、この日見たダンゴムシは普通のやつばっかだった。

よかった…。病気のダンゴムシはいないんだ…。(ダンゴムシはイリドウイルスの一種の感染末期で青くなるんだそうだ)

代わりにオオヒラタシデムシが緑っぽい色してた。

うまく撮れなかったけど結構緑っぽく見えてた。

いままで黒い昆虫だと思ってたけど、光の具合で緑に見えるときもあるのかな。個体差かなー。

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グンバイ

ご近所ネタです。時期によっていろんな虫が群れて発生しますが、うちの近くの公園ではグンバイムシが大量発生しています。

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これが服についちゃうので、家の中で捕まえられます。グンバイムシ、結構憧れな昆虫でした。

昔、世界の珍しい虫を集めた図鑑みてて、バイオリンムシというのに憧れました。バイオリンムシはオサムシの仲間ですね。この虫見たいなあ、と思いながら日本の図鑑を見ていたら目に入ったのがグンバイムシ。この虫も面白いなあ、と思ったものでした。

それ以来、確認することはなかったのですが、最近初めてちゃんと確認できました。(見てたんだろうけど、目に入ってなかった)

図鑑を見てた頃はちゃんと文字を読んでいなかったので、こんなに小さな昆虫(数ミリ)だとは思ってなかったんですね。

ハエとかそんなものかと思っていたけど、よく動き見てたらカメムシだわ。調べてみたらビンゴでカメムシ目の昆虫でした。で、札幌の昆虫って本でグンバイムシ見たけど、これに載ってる1種とはどうも違うようなので、ネットで少し調べたら、外来種プラタナスグンバイっぽかった。

プラタナス…?

最近植物も少しだけ勉強して、プラタナスはスズカケノキだと学習してた。ああ、うちの近くの公園にスズカケノキ植わってるわ…。ということで、見に行ってみたらこれもビンゴ。

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いっぱいいました。いろいろ結びつきがわかるとすっきりしますね。でもこういうのはわかんないなー。

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自宅内の窓の桟にいました。これも極小(数ミリ)。道内のカタツムリの小型種の代表種でカラがザラザラしたパツラマイマイとかではなさそうなので、稚貝かな…。

巻きの形が綺麗だからヒメマイマイとか?と考えたけど、家で買う野菜で道外産のものもいくらかあるので、この辺が由来だったら、わかんないね。

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ブラブラ

少し落ち着いてきたので、晴れ間を縫ってお出かけ。ハープソンの後半も終わってしまったけど、(ハープソン調査票の書き方はこちらね)トカゲを探しに札幌市内の山方面へ。

今年はトカゲネタで調べようとして何度かでかけているんですが気温が上がらなかったり、天気悪い続きであんまりヒガシニホントカゲの活性もよくない感じ。久しぶりに動いているヒガシニホントカゲが見れたので車に積んであったワカサギ竿で釣ってみました。

が。

予想通り、竿先がやわらかすぎたのが災いして、釣り上げた時の「上下ブランブラ~ン」が大きすぎて掴めず、逃げられてしまう…。活性も低いので、3匹あたりがある状態で終了。今年、ある程度の結果のサンプルが取れる気がしないな!

こういう時は、ちょっと両爬を離れて。(といいつつ家に帰る方向に)

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今年も発生し始めましたね、ルリボシカミキリ。綺麗で好きなカミキリですね。

そのあと、近くの果樹園で買ったサクランボを食べる。サクランボはあまり好きではなかったのですが、今年から美味しいと思って食べれるようになりました。皮が硬くて、酸っぱめなのが苦手なイメージだったのですが、甘いサクランボ佐藤錦のおかげで突破口が開けて、今まで苦手だったナポレオンも食べれるように・・。今は水門と南陽おいしい。品種ですごい違うのね。これからの季節はプラムとプルーンが楽しみ。

満足して家の近くまで戻ると…。

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家のそばの公園で都会のエゾリスに会えました。

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コンデジでここまで近づけるのが都会育ちのリスですな。

初夏に庭に果物の株を植えた。自分管理はサルナシ。庭でサルナシ取るのが目標。サルナシもいろんな品種あるのね。でも、育て方は難しくないような感じなんだけど、うどんこ病っぽい株あり、葉っぱの色が薄くて生命力の薄い株ありで枯れないか心配。今年はなんとか生命力を根に蓄えてもらって来年期待かなー。

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ハープソン2015(0502無意根山&江別、0504庫富)

今回のハープソンの前半はあまり動けていないので、ちょっと遠くのハープソン未調査エリアに1ポイント落としてきましたよ。

その話は後半に書いておくとして、まずは元地元。定山渓の奥にある無意根山エリア。
5月2日。

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川横を車で走っていたら、エゾアカガエルがいくつか道路を横断してた。札幌市内の他の地域は産卵はほぼ終わっているように思えたけど、さすが標高が高いところは産卵行動が遅いね。

なんとなくだけど、今年は札幌周辺で観察しているところでは両生類の産卵数がムラがあるように思いました。カエルはいつも通りの量でサンショウウオが少ないとこや、サンショウウオはいつも通りの量でカエルが少ないとこ。全体的に両生類には厳しい気候があったのかもしれないね。今も雨少ないしね。

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ここはエゾサンショウウオはいつもくらい見ることができた。でも、去年と一昨年、産卵池が上陸時期まで持たずに干上がっているので
今年も心配ね。雪どけが早いのと、夏までの間雨が多くないので、水の供給が止まるのが早いのかも。

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場所を移して江別。道路にニホンアマガエル出てきていました。石狩川沿いではところどころの河畔林で鳴き声も出始めてます。

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ごめんよ、アズマヒキガエル。(国内外来種)ごくたまに大きな個体がいるけど、全体的には小ぶりな個体が多い感じ。江別のエリアでは小一時間で10を超える個体を見たけど、すぐとなりの札幌東北部や太美のエリアでは1匹も見ず。数日の差で現れるんだろうけどね。

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5月3日。
自宅ヒキコモリ。家の中にハエトリグモsp.が現れる。久しぶりにマクロレンズで写真を撮る。

5月4日は遠出。

過去のハープソンの結果報告を見ていて、日高、オホーツクの報告数がほとんどないので、比較的近い日高のエリアに向かうことにした。目指すは静内温泉。

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日高は馬どころ。そこかしこに馬の牧場がある。のんびりのんびり進んでいったわけだけど、時期悪く、静内桜まつりの大渋滞でのんびり具合がキツくなってきたので途中で離脱。地図を見ながら良さそうなところを確認することにしました。結局エリアとしては庫富。住所でいうと、日高町広富ですな。

適当に車で流すけど、牧場があるような平らかな感じなのでなかなか両生類の産卵環境も芳しくなかったけど、細かく見ていると

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お、季節もの!

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カタクリだね。いいね。

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ゆるいゆるい沢の流れにエゾアカガエルの卵塊。たぶん死んでいるけど…。そんな中でもちゃんと育ったやつもいるようで

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幼生(オタマジャクシ)もそれなりに見れました。結構開けた場所だったので、エゾサンショウウオはいないかと思ったけど、ちゃんとありました。

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一部死卵みたいだけどね。他はちゃんと育ってましたよ。

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ちょっと失礼して角度を変えれば孵化直前の幼生がいっぱい。

これらの記録写真撮ってたら、周りでニホンアマガエルが鳴き出したので、こちらも音声記録しておきました。

場所探しがほとんどで、場所が定まったら3種がほとんど一瞬で記録できてしまいました。

このあと平取町の国道付近を流したけど、記録取れずで終了。ほんとは静内、浦河まで行きたかったけど、桜には敵わないねえ。また機会設けて行ってきましょー。

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ハープソン2015(0429石山)

今年のハープソンでは、自分はスロースタートです。今年はあまり遠くに行けないので今日(4月29日)は、エゾサンショウウオの産卵地で家から最も近い場所の候補を確認してきました!道のり距離で約7.5km。札幌市南区の、ハープソンエリアで言えば石山エリア。いつもは気にせず、車で通過している場所で水が湧いてるとこを見つけた。

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表面が藻(?)で覆われているから、水温高くてダメかな?と思ったけど、

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お、エゾサンショウウオの卵嚢だ!今年のハープソンの自分第一号はエゾサンショウウオでした。

よく見るとこの藻の表面をピチピチ動くものが。ドジョウ系かなと思ってすくってみると…

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エゾサンショウウオの幼生ではないですか。しかもでかい…。越冬幼生だね。かろうじてエラが残っていて、上陸寸前な様子。金ラメが入ってて綺麗でした。

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結構な数いてね、ひとすくいで3匹入ったりしました。小さい池だけど、生存競争激しそう。

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しかしね、札幌でエゾサンショウウオの越冬幼生、何ヶ所かで見たけど今のところ一番標高低い場所だった。湧き水が冷たいのかな。

ちょうど、今年の卵嚢から幼生が発生して、越冬幼生は新幼生を食べ放題の時期。ぐんぐん成長するんだろうな。

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今日一番大きかったやつ。約8.3cm。しかも肥えてるので大きく見えました。

道すがら、他の両爬を探したけど、今日はこれで打ち止めでした~。温かい一日だったので、他の人達は爬虫類を見た人もいるかもしれないねー。

あとで地図を見返してみたけど、家から道のり距離5.0kmと5.1kmのところにサンショウウオいそうな地形があるような気がする…。また後日覗いてみようかなー。

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産んだぞ-

昨日から熱が出てたんだけど、18日にパトロールでサンショウウオが出そうだった札幌円山地区の山に行ってきた。(5日間隔くらいで行けばいいかと思って)

今年は(も?)、大変お世話になる両生類の皆様が動き始めていますよ。

雪もかなり解けて、水面が姿を表しました。残念ながら活動しているエゾアカガエルや、カエル卵はなかったけど…上の写真もよく見るとあるんだけど

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エゾサンショウウオ卵嚢

 

産みましたよ、エゾサンショウウオが。デスクワーク以外もできるようになるのは、嬉しい半面、「休みは終わりか…」という気持ちもあり。目標立てて今年も過ごしましょうかね。

まだ吸水しきっていない感じだね。産んでまる1日~2日くらいなのかな?木曜まで少し寒いみたいだけど、どんどん雪解け進んで、各地でも始まると思われますよ。

帰ったら熱上がったぞ。体壊したら元も子もないので、皆は気をつけるように!

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雪のなかのこうもり

(過去のアップしてなかったデータのひとコマ。2014年5月12日の記事を2016年9月25日に思い起こしながら書いてます)

かなりしんどい毎日が続いていたこの頃。ブログの更新頻度は一番少ないかもしれない。家でぐったりしていると、こうもりを追い続けている写真家のなかじから電話が。

「ばいかださんちの裏山にコウモリ落ちてるんだけど、見に来ない?」

外出のいい機会をもらって、急いで準備。裏山は5月といえど、まだ雪深く、寒い。でもこういうときにしか見れないという、雪中コウモリは見てみたかった。

なかじと山ん中で落ち合って、同じような木々が並ぶ中で「ここだっけ?あそこらへんだっけ?」と案内してもらいながら移動。

途中、

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お、これは!

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冬眠明けの森のくまさんでしょうか・・・。

そしてようやく

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あったあった!これ!

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まつぼっくり!・・・じゃなくて!

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ほら、ここに!

おおきさはこんなもの。

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毛玉。

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これ、死骸じゃなくて生きてます。コテングコウモリがぐっすりですわ。仕組みは自分にはさっぱりわからないんだけど、雪の中で寝ちゃうみたい。(興味のある人は「雪中 コテングコウモリ」で検索してみよう)

自分は、ここで久しぶりの外出に色気を出して、ちょっと山奥にエゾサンショウウオ見に行ってしまいました。

その結果、札幌であまり多くない越冬幼生のいる池を見つけてなかなか良い成果を出したんだけど、これを見に行ってる間にコウモリは起きて飛んでいったのでした。(なかじから電話ありました)

こちらの成果はこんな感じでした。

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へんじがない しかしいきていたようだ

ごぶさたでした。気がついたら、今年も両生類や爬虫類が活動する季節になってました。去年の春から、書くペースが落ちて、どんどんさかのぼり記事に。いつも書こうとは思っていて書く記事を「下書き」して置いておくのだけど手付かずのまま、公開されずの繰り返しでした。いつかはちゃんと書いて公開しとこうとは思うけどまだしばらく書けないなー。

今年のシーズンに入って、下書きもしていないので生物ごとに忘備録的に書いておこうと思っての更新です。

★エゾサンショウウオ
今年の自分の初認は4/20、札幌市。すでに産卵はあちこちで始まっていたのだけど、自分の出足の鈍さで遅くなった。4/20が今シーズンほぼ初のフィールドでした。その後、恵庭・江別で産卵確認。5/10時点でまだ、産卵したての場所が札幌市内にある。札幌市でかすぎ、気候も多様すぎ。ちゃんと調べていなかった定山渓の山の中で5/10にようやく越冬幼生を確認。ここではまだ産卵が始まっていない。

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まだ雪が一部とけただけの定山渓山中。日陰では1m超えの積雪も残ってる一方で、トラツグミはすっかりさえずっている。

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かなり立派な越冬幼生。ここのは見つけにくい、捕まえにくいで大変だった。水温4度、気温4度。さむい…。

★エゾアカガエル
自分初認4/20、札幌市。5/10定山渓の山の中腹で盛大に産卵してるのを確認。そこより高いところではまだ始まっていない。この間で、恵庭・江別で産卵と孵化を確認。

★ニホンアマガエル
自分初認5/6、札幌市。冬眠明けの幼体。5/9江別市で、合唱確認。

★ツチガエル(外)
自分初認5/6、札幌市。成体。これから産卵の模様。

★アズマヒキガエル(外)
自分初認4/29、江別市。この日はオスの鳴き声少数のみ。5/7には江別市で産卵あり・成体30との情報をもらう。5/9、江別市で成体目視70+、卵紐数個体分。ピークはこれからの様子。

★トノサマガエル(外)
自分初認5/9、江別市。鳴き声多数。5/9は専門学校の実習で恵庭でトノサマガエルを探したが悪天候で姿、鳴き声確認できず。実習終わってヒキガエルの調査してる時に声が聞かれた。産卵はまだ。

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外来種の実習ひとまず完結

今年の前期の授業が終わりました。今までの授業はずっと座学で進めてきたのですが、今季は野外実習も組み込む形でやってみました。天候や、行動範囲などいろいろ考えるところもありましたが、そのうちの1つの実習の流れを紹介しようと思います。(今回は2年の自然コースの実習です)

北海道には両生類の種類は多くありませんが、現在確認される両生類の半数以上が外来種です。そのうち、トノサマガエルは道央を中心に広がりを見せています。本来の生息地(本州・四国・九州)ではむしろ減少傾向にあり環境省レッドデータ(2013現在)では準絶滅危惧種にも指定されている。しかし皮肉にも、北海道ではかなりの勢いで分布を拡大している状態です。

座学では、外来種の話を進め、学生さんには、「外来種についての自分の考え」をレポートにしてもらいました。表面的には、いろんな意見(駆除派・静観派など)を持っている人が多いのですがなぜ自分はそのような意見を持っているのか?という部分を見つめて欲しいと思ってのことです。

「先生が外来種は駆除した方がいいというから、私は駆除するべきだと思う。」

という意見は、まったく自分の考えを持っていない。なぜ駆除が必要で、駆除する時にどう考えながら駆除するべきなのか。静観するなら、どうして静観するのか。自分の意志をしっかりと説明できることが重要だと思います。

いろいろな意見を持つだろうし、それを自分の考えとして持って議論をするなら、外来種議論にも少しは実があることになっていくと思うので。

今回のレポートの結果から、外来種の野外実習の大筋をたてました。

今回は

・トノサマガエルの帰化定着を心配している施設でトノサマガエルを捕獲する
・捕獲したトノサマガエルは、なるべく苦痛がない形で冷凍死させる
・死骸はできるだけ無駄にしない
・後日解剖して、自分の知識に入れる
・駆除した際の、死骸について、何かに利用できないかを考える

こんな感じで進めていくことにしました。

学校の職員さんに尽力していただいて、トノサマガエルをある施設で捕獲する許可を頂いて、野外実習を8月に行いました。

確かにたくさんのトノサマガエルが確認でき、うちの家の近くにあるような田んぼ(まだトノサマガエルがいない)のアマガエルの密度と比べると、大変アマガエルの個体数は少なかった印象です。

全くいないわけではなく、写真のように上陸したばかりのアマガエルがぽつりぽつりと見ることはできました。

上陸の時期となっていたためもあるのですが、トノサマガエルの個体数は「おびただしい」と表現する数でした。実習始めたてのところで、このような感じです。

実習では、「各種の両生類・爬虫類を捕まえること」も大事にしたいと思っています。

捕まえる→探す→見つけるにはどんな環境を好むかを考える→見つけた時にその環境を肌で感じる→その環境に住む他の生物も見る
→そこの生態系がどのように構成されているかを考える

これができれば、いろんな生き物を調べる時に役立つ知識にできると思います。例えば、水辺に住む鳥を見たいと思った時、その鳥がカエルを食べるという情報があったとして、単に水辺をやみくもに探すより、その鳥が好む種類のカエルの住む場所を探し当てられれば効率的に観察、調査もできます。飼育技術としても、生息地の環境を良く知れば、その種が好んで生息する環境を飼育下で再現してあげられればより良い飼育へと持っていけるでしょうしね。

通勤の途中でヘビを拾うと、持って行って学生に見せたりします。帰り道で捕まえたところで放します。学生さんが飼ってみたいと提案も受けることもありますが、自分で捕まえて生息地を観察してから飼ってね、と断ります。理由は説明するので、きっとわかってもらえてると思います。

さて、実習に戻りますが、水面内にも大量のトノサマガエルのオタマジャクシがいます。大体野外で捕まえたものはお腹が泥なども食べてプリプリにふくれているので、スペード型に見えることが多いです。

施設では、卵を見つけると除去しているのですが、とても取りきれないという現状があります。捕まえたトノサマガエルは、学生さんにカウントしてもらい、それをしつつ、誤認捕獲がないか、確認をしていきます。

誤認捕獲はあとで水面に戻しました。上の写真はニホンアマガエルのオタマジャクシですね。捕まえて両種をよく見比べると、はっきりとした違いがわかってきます。こういう経験も、いずれ役に立つことがあればいいなと思います。

その他、実習中に見られる野生の両爬も観察出来ました。

エゾアカガエルの若い個体ですね。

これはカエルを好んでよく食べるシマヘビです。この日だけで3個体が確認できました。

トノサマガエルの増加は、シマヘビ視点で考えると、食べでのあるエサが増えて、嬉しい事なのかもしれません。対して、ニホンアマガエルにとってはエサを取り合う競争者、もしくは自身がトノサマガエルに食べられることもあるので嬉しくないところでしょう。

本州ではアマガエルとトノサマガエルは同所的に住んでいるので最終的には住み分けられるのかもしれませんが、トノサマガエルのいなかった北海道で住んでいたアマガエルにとっては厳しい状況になっていると思います。

体感的で、データを表示できるわけではありませんが道内でたくさんトノサマガエルがいる環境では、反比例してニホンアマガエルは少ないように感じています。

トノサマガエルは1匹のメスが千単位の卵を産みます。ほとんどの卵がオタマジャクシになり、成長するので、上陸の時期には見られる数が増えるのは当然なのですが、1000近い個体がこの日だけで捕獲されました。

大きな個体は、後日、解剖して、カエルの体の作りがどういうものか、オタマジャクシも一部解剖して変態時にどのような変化が起こっているかを観察しました。

(写真はカエルの解剖の日に、他の人から頂いたヘビの死骸を解剖をしてるところですが…)

この実習は、比較的、予定していた流れで進みましたがお天気等によっては、なかなか難しい面もあります。その辺りも、今季は経験できた(フィールド行っても何もいない…)ので、今後の組み立てもうまくやらないといけないですね。

解剖に使わなかった残り900以上の個体ですが、幸い、学校にはたくさんの飼育動物がいます。その中でも、カエルを食べることができる動物がいます。何種かの動物は、食べることができるので、10匹単位くらいに小分けして冷凍しました。寄生虫が心配ですが、冷凍や煮る、などの手段を使って、飼育動物のエサとして利用できそうなので、ホッとしています。

有効利用できるものは有効に、「命を無駄にしなかった」と、自分たちを納得させるためにも、有効利用の考えもどんどんしていったほうが良いかなと考えています。

トノサマガエルは無毒でエサ利用できるのですが、トノサマ同様、分布を広げている外来種ヒキガエルは毒があるのでエサ利用が厳しいです。この辺りも良いアイデアを考えたいところですね。

蛇足。

実習中に、誤って踏まれた拍子に、頸部の皮膚が裂けてしまったシマヘビ(カラスタイプ)。頸部に負った傷の処置をしたのですが、処置後、30cmちょっとのシマヘビが、20cm近いニホンカナヘビを吐き出しました。こんな大きいのを食べているのかと、かなり驚きました。

傷:
誤って踏まれた拍子に、頸部の皮膚が裂けてしまいました。最初は皮膚を寄せて、くっつくようにしたかったのですが、数日後に傷が開くなどで、くっつけることができず、今は傷が開いた状態で表面を軟膏等で保護して、数度の脱皮で皮膚の再生を期待しています。頸部皮膚なので、大きなエサを与えられないので、しばらくは流動食(捕獲したトノサマガエル利用)の強制給餌です。今年中の野生復帰は難しそうです。

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の・ぼ・り・べ・つ…と言えば

クマ牧場には行ってないんだけどね。ここ最近の外出やフィールドの話を少しずつ。

8月25日に登別のふぉれすと鉱山で爬虫類・両生類の講義をしてきました。受講者の年齢層は幅広く、小学生~壮年者までいらっしゃいました。

内容は、登別の周辺で見られる両爬と、エゾサンショウウオのネオテニー(幼形成熟)の話をしました。登別には倶多楽湖(くったらこ)という湖が近隣にあり、戦前まではこの湖にはエゾサンショウウオのネオテニーが住んでいたという記録がある。(ヒメマスの移入により、絶滅したとされています)ネオテニーがいたこと、越冬幼生がネオテニーと混同されやすいことなどお話しました。

そのあと、短い時間だったけど、大量に持ち込んだヘビの抜け殻を触ってもらって、種による違いを見てもらいました。

1時間の座学のあと、フィールドへ。ふぉれすと鉱山の周辺には、すぐ両生類や爬虫類を観察できる場所がちょこちょこある。

時期的に、エゾアカガエルやエゾサンショウウオは幼生も上陸が終わって見つけづらい状況になっているかと思ったけど、ところどころ特殊な環境があって、(例えば1日中、日が当たらない流水が入る水たまりとか)無事に4種類の両爬が見ることができました。

ニホンアマガエルの幼生の不格好さを見てもらったり、

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エゾサンショウウオやエゾアカガエルの幼生も見れたり。アマとエゾアカの幼生を比べて見れたのは良かったな。

アマガエルもエゾアカも幼体(上陸してるが未成熟)も見れました。爬虫類は、ヘビは残念ながら見れなかったけど、ニホンカナヘビを見ることができました。

講義も、よく聞いて下さって大変ありがたかったです。講義が終わったあと、スタッフのかたに倶多楽湖を案内して頂きました。

登別といえば、クマ牧場なのですが、個人的には倶多楽湖でして。ネオテニーが生じた湖水を肌で感じてみました。凄い冷たいのを想像して…。

さわってみると、ぬるい。想像以上にぬるい。岸辺で日当たりの良い所で25度。岸辺の日陰で22度。こんなものなのか。同行してくれたNさんが湖に詳しい方にお話を伺ってくれて、やっぱり特殊な湖だということがよくわかりました。

火山湖で、もともと魚はいなかった。深さも150mくらいあり、表面の温度は毎年かなり上がる。でも湖底の方は安定して低温。でもここ数年、温度が少し上がっている。昔は日本で3本の指に入るほどきれいな湖水だったが、魚の移入に伴って、水がだんだん悪くなり(エサを撒くなどもあったよう)、かなり水質が落ちたが、最近は改善してまた水は戻り始めている。
エゾサンショウウオの産卵は周囲の沢付近で見られる。多くはないが湖面でも見られる。幼生はいるかどうかはよくわからない。

などなど。お話聞けて、とても良かった。倶多楽湖も環境見れたし、かなり満足。

夜は、ふぉれすと鉱山に宿泊させてもらった。(宿泊設備もあります)ご飯の前に、スタッフの方々・関係者で夜のフィールドへ。バテバテだったので、軽めのフィールドにしてもらって申し訳なかったです。両爬は出なかったけど、いろいろ盛り上がっていました。

照明さんと、撮影隊の図。何を撮っていたかはまた後で。

夕飯は、登別っぽい、地元のものを食べたいとリクエストして焼き鳥(豚)を食べた。焼き鳥といいつつ、刺さっている肉は豚肉です。室蘭地方の名物ですね。

「焼き鳥(豚)」は知ってはいたのだけど、スタッフの方々は自分がうっかり「豚串」と言うと違和感を感じているようだった。やっぱり焼き鳥なのか。これは。炭火焼きで、カラシを付けて食べる「焼き鳥」。タレと塩があるが、塩のほうが好きだな。結構食べたけど、牛肉と違ってもたれなかった。何より、とても美味しかった。次回、講義があるときには「納豆シュークリーム」を食べることになりそうだ。うーん…。

翌日、ふぉれすと鉱山を出て、昨夜の撮影隊の場所で、昨日のブツを確認。

白い覆面をしたエゾゼミ。もう、このエゾゼミはすでにお亡くなりになっている。

冬虫夏草とか、そういうライフサイクルを持っている菌類による感染死だと思うけど、ちょっとキレイだと思ってしまった。虫を操って高い場所に行き、胞子を広く拡散させる。なんて凄い菌なんだろうね。

その後は、苫小牧で別の相談があったので、苫小牧に向かいがてら、フィールドを見て歩く。

虎杖浜やポロト湖、ヨコスト湿原。白老町の地形図で通り道で目につくところを見た。両爬の外来種を見ることはなくてちょっとホッとはしたけど、ポロト湖の湖岸ではいくつかでかいザリガニの死骸を見たな。生息してて死んだのか、死んだものを捨ててあったのかはよくわからないけど。

苫小牧についたけど、約束の時間まで余裕があったので錦大沼に行ってみた。湖一周散策路は、キノコ観察好きな人にはたまらない場所かもしれない。(食べるではなく、観察する人向け)見応えのあるでかいキノコがかなりたくさん種類があった。ここまでいろいろ見たのは、アポイ岳の低標高地以来だ。

キノコが菌に侵されているのも目立った。キノコが白いカビに侵食されてる感じのやつ。でも、写真はほとんど撮れなかった。

すごい蚊が多くて、立ち止まると襲撃される。やや小型の蚊のくせに、服の上からもお構いなし。ここの蚊は、人生で3本の指に入るくらいえげつない蚊だった。

集団襲撃力 B (叩いても意味が無いくらい来る)
お構いなしに刺す A (ジーンズの上から)
痒みの強さ A (運転しててイライラする)
痒みの持続性 B (3日)
しつこさ B (森の外まではついてくる)

ちなみに関東の住宅に出る蚊なら

集団襲撃力 D (何匹か始末すると静まる)
お構いなしに刺す C (刺しやすいところを選んでる)
痒みの強さ B (寝てても痒い)
痒みの持続性 A (5日)
しつこさ C (撃退すると去っていくものもいる)

さらにちなみに、今まで一番イヤだったのは佐呂間の湖岸で襲われた黄色っぽいやや小型の蚊。

集団襲撃力 C (湖岸の葦原は個体数多し)
お構いなしに刺す A (ジーンズの上から)
痒みの強さ S (刺された瞬間痛い。痒みは猛烈)
痒みの持続性 D (1時間程度)
しつこさ C (湖岸から離れるといない)

こんなん評価しても意味ないんだけど(体質によって違うだろうし)評価してやりたいほどのイライラを引き起こされました。蚊でイライラしたの久しぶりだわ。

でも、その襲撃に耐えて見ていたのはツノホコリ類。変形菌に近縁なものだね。(変形菌にカテゴライズされないことも多い)色々観察するとわかるんだけど、この仲間は他の変形菌の子実体に比べると、水々しい。写真にとっても、透明感とみずみずしさが残るんだ。ただし、標本にしようとすると、元の形は維持することができない。

これはツノホコリっぽい。別の場所には…

エダナシツノホコリっぽいものが生えてました。真性粘菌亜綱の普通の変形菌のアートした形も引き込まれるものがあるけど、ツノホコリ亜綱の、このみずみずしさも引き込まれるね。で、3日ほど、蚊に刺された30箇所以上の場所に痒み止めを塗り続ける生活に陥ったわけだ。あのとき、運転辛かったなー。

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