かでる2.7で講演してきました

今回の講演も、たくさんの方が聞きに来てくださって大変嬉しかったです。

とても和やかな雰囲気に支えられて、のびのびとお話させて頂きました。
のびのび過ぎて、時間がちょっと押してしまい、
質問時間が短くなってしまったのが、大きな反省です。

難易度の高い質問もいくつかでて、
経験則から「1例として」答えられるものもあったんですが、
全くわからないものもあって「わかんないなー」という返答もしてしまいました。
わからないことを、無理やり答えても誰の得にもならないので、
わからないときはわからないと言ってしまうポリシーなので、ごめんなさい。

きっと質問してくれた方も調べていくと思いますが、
自分も興味が湧いたので、気にしていてわかったら答えようと思います。

ちなみに質問は

Q.シマヘビの目は、どうして赤いの?

アルビノではないし、オオタカのように雌雄で虹彩の色が違ったり、
種によってはオオコノハズクとかも目が赤かったと思う。
で、虹彩に色があることについては、何らかの理由があるはずなんだけど、
わかりませんでした。(いまのところ、調べててもよくわからない…)

毒のある警戒色、でもなさそうだし
擬態に使うにしてはやたらと目だけ目立ってる気もする。

しかも、シマヘビがカラス化すると、この赤い目を捨ててしまうのも
面白いところなのかもしれないです。

この日の講演の様子を、
北海道新聞2012年4月16日道央圏版朝刊に記事を載せて頂きました。
ネット版(リンク切れ)にも出ていました。

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エルプラザで講演してきました

今回の講演も、たくさんの方が聞きに来てくださって大変ありがとうございました。

いろんな市町村から来てくださっててびっくりしました。

なにより質問の多さは本当にありがたくて、
話を聞いてもらえた~という感覚でいっぱいです。

実は本当はピンチバリバリだったんですね。

今回の講演中、申し訳なかったんですが
ネックウォーマーつけっぱなしでお話させてもらいました。

肩こりひどくて、首温めていないと頭痛になるんです。
でもネックウォーマーのお陰で支障は殆ど出ませんでしたよ。

こういうことも含めて体調管理はしっかりせんといかんですね。

お話の内容としては、ある程度まとめられたと思います。
予想していた年齢層より、かなり聞きに来てくださった
年齢層が広くて、ちょっと難しい部分もあったかもしれないけど
お子さんから質問出るとほっとします。

講演中にご年配の方からの笑い声が聞こえたりするのも
実はかなり気が楽になるんですよ。

自分も、年を取るにつれて、
話を聞くときの反応がだんだんクールになったと感じます。
面白いなーと思って聞いていても、
顔や態度に出なくなるんですね。だんだんと。

でも、そのクールな大人たちが笑ってくれたときは、
自分の話の世界に引き込めた感じがして
とてもホッとするんですね。

きょうは子供の質問、大人の笑い声の両方が聞けたので、
ほんとよかったです。

来週も頑張りましょうね。

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生物多様性は難しい

I gave a lecture about reptiles & Amphibians at Maruyama Zoo in Sapporo city.

札幌市円山動物園で、北海道の両生類爬虫類から見た生物多様性のお話をしてきました。

あいにくの雪の中、幅広い年齢層の方々が聞きに来て下さいました。

「生物多様性」という言葉を説明するのはとても難しいので、
北海道の両生類や爬虫類から環境や生態系を覗き見る感じで
お話しして行きました。

みなさんの様子を見ながら、雑談を入れつつ話していましたが
序盤かなりテンポが良くなかったかもなあ、と反省しています。

終盤にようやく調子づいてきたところで、
雑談で話し始めたカエルツボカビの多様性を
かなり熱く語ってしまいました。

今までの講演の中で、一番「学習的なイメージ」で作った講演会でした。

決定的な結論の出しにくい内容にチャレンジしたので、
反応を心配したのですが、講演後にたくさん質問いただけて嬉しかったです。
嬉しかったので、質問に応えるのが一番一生懸命だったかもしれませんね!(笑)

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やっと見れそう(エゾサンショウウオの文献)

今、生物多様性のスライドを作っていてですね…調べものしてて、ちょっとテンション上がることがあったので逃避も兼ねてブログ書いています。

とにかく生物多様性は説明しきれないので、
多様性の一部として遺伝的多様性で
エゾアカガエルをモデルにした話を作ってるんですが、
今まで目に触れてなかった面白いもの見つけました。

エゾサンショウウオの表現型可塑性-そのしなやかな生存戦略

エゾサンショウウオは生息環境によって
頭でっかちになったりならなかったりするという話なんですが
個体群でも差が有りそうなこととか
環境の差も、血縁など面白いこと書いてあります。

これだけでも面白かったんですが、
個人的にテンション上がったのは

Sasaki, M. and H. Nakamura. 1937. Relation of endocrine system to neoteny and skin pigmentation in a salamander, Hynobius lichenatus Boulder. Annot Zool Japon 16:81–97.

これがわかったこと。

エゾサンショウウオのネオテニーの原著です。
これ、どこかで手に入れたい!

可塑性の文章のほうでも触れられていますが、
やっぱりネオテニーは「永久ネオテニー」ではなかったらしく
飼育したら上陸が起こったそうです。

でもし、環境が整えば永久ではないにしても
ネオテニーするんだよね!

ネオテニーを証明するには
幼生状態での産卵行動を確認することか、
解剖で卵巣の発達などを見ると思うんだけど
このあたりをどうやって調べたのか
すごく気になっていたので、分かりそうなのが嬉しい。

それと、冷蔵庫飼育でネオテニー確認も
10年以上かかっても出来るかもしれないと思うとワクワクするね。
(上陸しない理由が冷水だけが原因とは限らないけれど)

でも、飼育苦手だから自分には無理だろうな~

爬虫両棲類学会のみの視野だと、
エゾサンショウウオやエゾアカガエルの表現型可塑性の論文も
目に触れないんだよね。(生態学会に発表されてました)
うまく集約する方法ないかなぁ。

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「クマムシカフェ」聞いて来ました

3月2日に、クマムシの研究者の堀川さんが札幌で講演すると聞いて飛びついて来ました。

自分にとってクマムシというのは全くの未知の生物で、
世の中では「最強生物」とも謳われるもの。

実際自分の周りにも住んでいるはずなのに見たことがない、
しかしちょっと頑張れば見えそうな…
そんな生き物で興味を持っていた。

実にクマムシ愛あふれる話で、2時間クマムシ漬けでもあっという間でした。

内容をあまりたくさん書くと、これからお話聞く方々の楽しみも奪いかねないので
(今後も東京等で講演続くそうです)
自分が特に感心した点を書くと、

ヨコヅナクマムシはかなりご近所に住んでいる!
やっぱりクマムシ強かった(放射線、低温、乾燥への耐性)
しかしクマムシ弱かった(簡単に潰れて死んじゃう、飼育厳しい)
クマムシの食性(種類によって傾向が違う)
クマムシの捕食(かなり想像外でした)

でした。
クマムシほんとうに面白いし、
それを楽しそうに紹介する堀川さんにも微笑ましい物を感じました。

やっぱり好きなものを紹介するときは、
演者も楽しく話すのがいいよね!と
自分にも当てはめて考えてしまうのでした

そ、そういえば、頂いた絵葉書にサインしてもらえば良かったよ…

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野鳥お勉強会でお話ししてきました

I gave a talk about the reptiles and amphibians at Odori in Sapporo.

野鳥お勉強会にて、フィールドで出会う両生類と爬虫類のお話をしてきました。

飲食を兼ねたゆるいイベントで、リラックスした状態で話せました。
飲み屋さんでの開催だったので、聞いてくれる方々との距離が近く、
話している途中でも質問飛び交う感じで進んでいきました。

内容は、ほんの少しだけ鳥と爬虫類、両生類の関係についてお話しして
あとはフィールドに出た時に、興味を持ってこれらの生き物も見てもらえるよう
各種類について、ざーっとやってきました。

リハーサルは自宅で1人でするので、
持ち時間の90分にほぼジャストでいけたんですが、
独りでやるとテンション上がらない。
だいじょうぶかなーと思って、変なおまけも用意したんですが
やっぱり会場では人の目を見て話すので、
テンション保てて、おまけ使う必要はありませんでしたね。
(むしろ時間押してしまった)

大きな反省点はスライドをUSBメモリで持って行ったんですが、
一部の動画を資料作成にちょっと楽をしてflv形式にしてしまったんですね。
少しこなれたメディアプレイヤーがないと、再生できないので、
もっと汎用的なwmv形式やavi形式にしておくべきでした。
(今考えるとInternet Exproler使えば再生できたような気がする…)

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New Year, 2012

Have a nice year, 2012.


(珍しく画像クリックで画像が拡大します)

2012年は、とてもいい年であることを願います.

年末から体調のすぐれない日が多く、
メール返信をはじめ、更新なども滞っております。

2012も出来ることからやっていきましょう。

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コバエ検索

I am bothered in the small fly in the room. That had been born from the potted plant.

小さな黒い昆虫が部屋を飛んでいる。
ストーブを止めると、部屋のどこかで休止状態になり、
ストーブをつけるとフラフラと部屋を飛ぶ。

温かいミルクコーヒーを淹れたあと、
しばらくするとそのコーヒーに浮いている。

結構、かなり、うっとおしいので、
調べて根本解決しようかと…。

コバエを倒した!

せいぜい2~3mmの小さな双翅目。

外にいるショウジョウバエや
配管から発生するチョウバエとはだいぶ形が違う。

ケバエに近い感じ。

で、「札幌の昆虫」で調べたけど、しっくり来る感じの虫がいない。

うろ覚えでキノコバエっぽいかも…とおもってネットで検索すると

クロバネキノコバエ(イカリ消毒)

これは、形が近い!
同一種かわからないけど、これの仲間ではありそう。

植木の肥料とかから発生するみたい。

テーブルヤシの鉢植えが発生源で間違いなさそうだ。

外に出したいけど、明日は真冬日だし
鉢植えに蓋をして土を、キンチョール蒸し。

産卵サイクルを読んで1ヶ月続ければ壊滅できる、はずだ…。
1ヶ月は長いよ~(汗)

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シロマダラを追って、で講演してきました

I gave a talk about the Oriental odd-teeth snake in Hokkaido.

北海道希少生物研究会の報告会、「幻のヘビ、シロマダラを追う」で「シロマダラって珍しいの?」という演題で講演して来ました。

スライドの表紙に、デザインをしてくれた岡田善敬さんに感謝!
(岡田さんは図鑑のデザインを担当してくれた方です)

大体40分、お話させて頂きました。
聞いてくれた方々の多くが、生き物の調査をしている方々や
学生さんだったので、実はとても緊張していたんですね。

ロレツまわっていたかなー。

内容は、今までの講演関係の中では
一番深く掘り下げた内容で、マダラヘビについてなど
かなり突っ込んだ話もしました。

どこまで突っ込むか、
どこまで一般的にするか、
資料を作ってて難しいところでしたが、
話の中で、いくつか印象に残って
聞いてくれた人が情報を持ち帰ってくれていれば幸いです。


語っております(撮影:中島宏章さん)

実は、学生の頃なんかは
学級会とかで人前に立つだけで膝が震えたりしたし、
(野生動物に関わる前の)仕事でも人前で講演することもあったけど、
やっぱり好きなこと、多少なりとも自信のある分野で話ができるのは
幸せなことですね。

緊張したけど、話すことを楽しんでいたと思いますよ。

聞いて下さった皆さま、
講師に呼んでくれた北海道希少生物調査会の寺島さん、
ありがとうございました。


事業の結果報告をする寺島さん

そして、なんだかんだといつも一緒に行動している中島さん。
彼がいると、後ろを任せて安心して話が出来るのです。


中島さん

ヒメヒナコウモリやクロオオアブラコウモリなどの
北海道のコウモリの最新情報も織り込まれた話、
特に今までの自然雑誌のデータ関係の話、実に面白かったです。

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ヘビの脱皮殻標本作り

I made the specimen of the cast-off skin of the snake.

数日前に、ルームメイトのサキシマバイカダが脱皮しました。
とてもきれいに脱げていたことと、今までちゃんと細かな鱗の計測をしていなかっので保管がしやすくて、観察のしやすい形での標本を作成してみました。

脱皮殻には最初、泥やゴミがついていたり、
粘液の乾いたものがついていて脱皮殻同士がくっついたりしているのが普通です。

台所洗剤を適量溶かしたぬるま湯に、汚れがついたままでいいので
脱皮殻をつけておきます。

しばらくしたら、くっついた場所やゴミが取れやすくなるので
軽く除去して、抜け殻同士がくっつき合っている場所がないようにします。
(破れないように…)
浸けてある水を3~5回入れ替えて、ゆっくりすすいで、
キッチンペーパーの上などに抜け殻を伸ばして置いて乾かします。
天日でもそれほど時間はかかりませんが、
せっかちな人は ドライヤーを少し遠い場所から当てます。

乾いたら、観察するところを観察していきます。

ただし、今の状態は脱皮の脱ぎっぱなしの状態です。
裏表が逆になっていることに注意しながら見ておきましょう。
(抜け殻は乱暴に脱いだ靴下と一緒で、裏返しになって脱げています)

これは別のヘビなんですが、
頭の鱗の分布をスケッチしておいてもいいですね。
ただし、抜け殻では下顎や上顎の周りが確認しにくいので、
こういう図をきっちり書きたい人は、生体を観察したり、
顔のアップの写真で 見ていくといいですね。

腹板の数を数えています。
同じような形のものが数百も続くので、自分は10数えた所でマジックで点をつけています。
腹板の数は裏表で変化しないので、この状態で計測しても大丈夫。
というか、このあと腹板を切っちゃうのでこの段階で数えておきたい。

切り裂くとは言え、できるだけ原型は残したいので
下顎の真ん中の場所を確認。

ハサミを入れていきます。

そのまま腹板の中央を切り進み、
尾下板の直前(肛板まで)ハサミで開きます。
尾下板以降も切ってもいいのですが、先端まで広げるのは難しいし
尾下板以降は左右1対の鱗になっているヘビが多いので、
その縫合線にそって切るのもしんどいのでそのまま保存します。

切り開く場所は腹板の中央以外には
左右どちらかの第1体鱗と腹板の境界を切る方法があります。
しかしこれも境界部分がギザギザしているので綺麗に開くのが難しく、
あとで見たときに、体鱗を数えるのに支障があったりします。


ちなみにヘビの手術をするときは、第1体鱗と腹板の境界部にメスを入れます。
手術のように回復や癒合を期待するときは、鱗の中央で切断してしまうとくっつきが悪い為です。

切り開くと、抜け殻の全容が見ることができます。
あとあと裏表がわからなくならないように気をつけて。

自分は、最初の腹板数の計測時にマジックで点を打つ場所を右側に打つようにしているので、
切り開いたあと、表を背側から見るとマジックの印が左側に来るようになります。
(上の写真は裏を背側から見た写真、下の写真は面を背側から見た写真です)

鱗を表側や裏側から比較しながら見ると、けっこう細かいキールなども見ることができます。

開いた抜け殻を適当な腹板数の位置で切断して、
チャック付きの袋に入れて空気を閉めだし、
個体情報を記入しておきます。
種名、いつの脱皮殻か、どの位置の抜け殻か、などを記録しておくといいです。

上のものは、頭の先から第50腹板までで切っています。

これで体鱗が観察しやすいし、空気や湿度、昆虫などによる
劣化もある程度防げます。

体鱗は普通、どのヘビでも頸部が一番多く、尾に向かっていくにつれて数が減っていきます。
こういうの好きな人は、この数が減った場所なども記録しておくと、良いですね。

このサキシマバイカダはこんな感じ。

3+4(150)
17(10)  ------- 15
3+4(154)

上の意味は、
腹板10の位置で体鱗は17枚。
右側・腹板150の位置で第3体鱗と第4体鱗が癒合している。
左側・腹板154の位置で第3体鱗と第4体鱗が癒合している。
つまり第154腹板以降は体鱗数は15。
のような感じ。

で、尾の先までそれぞれ袋に入れたらほぼ完成。

それらの袋がバラバラにならないように、
さらに大きなチャック袋に入れておくと管理しやすいかな。

たぶん、だいたい大丈夫だと思うけど、
外側のチャック袋に防虫剤やシリカゲル入れておいてもいいかもしれないです。

鱗の状態などは生体から確認するのが一番正確ですが、
抜け殻から判断可能なものはここから拾ってやったほうが
生体への負担が少ないので
自分みたいに、生体の鱗を手早く数えられない人には
お薦め の保管法です。

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