2017
04.02

キクザトサワヘビ
きくざとさわへび

喜久里沢蛇
Opisthotropis kikuzatoi
(Kikuzato’s brook snake)

久米島中部産
成蛇
撮影 : ばいかだ

棲息地
久米島

特徴
全長54~63cm。体背面は暗褐色でオレンジ色の小斑点が散在する。
水から上がることはまれのようだが、危機感を感じたり、止むを得ない移動時には水から上がる。


久米島中部産
成蛇
撮影 : ばいかだ

乾燥に弱いのか、少し時間が経つと体表面色は濃茶褐色となる。

DSCN8620
久米島中部産
成蛇
撮影 : ばいかだ

鼻の穴が顔の横面でなく、上面に開いている。そのため、水面に少し鼻先を出すだけで呼吸する事が出来る。


久米島中部産
成蛇
撮影 : ばいかだ

前額板は1枚。

体鱗
15列。体の後半部の鱗には明瞭なキールがある。

習性
夏の活動時間は朝から真昼。冬の行動時間は夜から深夜(朝方)が多いようだ。天敵のハブやアカマタを避けているという説がある。全体的には午前中の目撃例が多い。

環境
渓流性。稀に陸に上がる。 清流の上流部、スダジイ等からなる山地森林域に生息。
筆者が見かけたときは、いずれも流れの止まるような緩いプール状の溜まりに見られた。

食性
飼育下でサワガニを食べた記録がある。
他に可能性としては、オタマジャクシや淡水魚、水棲昆虫、甲殻類が考えられるとされる。

幼蛇
和文で知見なし。


無い

その他
近い仲間は中国の山岳地帯に棲息する。産卵時期や産卵場所もまだよくわかっていない。筆者が2003年7月に観察した個体が卵を持っていた可能性がある(腹にいびつな複数の膨らみがあった)。
さほど泳ぐのは早くない。


久米島中部産
成蛇
撮影 : ばいかだ

貴重度
日本固有種。
2017版環境庁レッドリストにて絶滅危惧IA類(CR)に指定、都道府県版のレッドリストの指定状況はこちらIUCN版のレッドリストでもCritically Endangeredに指定されている。
沖縄県の天然記念物。国内希少野生動物種に指定され種の保存法で規制されるので、捕獲等は禁止。
渓流のごく限られた環境に生息するため、環境の変化で絶滅する恐れは十分にありうる。

うんちく
筆者はこのヘビを見に行って沢で滑落、大怪我をして大変なことになりました。別の年に観察に行ってやっと撮影に成功、可憐なヘビでした。充分な確認はできなかったが、体の後半部に不自然なくびれがあり、卵(3~5個程度)を持っていた可能性があった。それが卵であれば7月8日で産卵直前程度の状態であった。島内の川が違うだけで個体群に多少の形態差(尾長率など)があるようだ。久米島内でも数箇所の生息が確認されている。

参考文献
日本動物大百科5 両生類・爬虫類・軟骨魚類 平凡社
日本のカメ・トカゲ・ヘビ 松橋利光・富田京一著 山と渓谷社

注意
当ページは「へび図鑑」及び「携帯へび図鑑」の1ページです。今後も新知見等出ましたら随時更新されます。
なお、内容(画像を含む)の 無断転記・転載は禁止です。
使用する際には「ばいかだ」に一報し、サイト名(へび図鑑)、撮影者、引用URLを掲示してください。

撮影、説明の作成は、ばいかだ(徳田龍弘)が行いました。
ご意見、ご興味などありましたら私のサイトもご覧ください。”Wild home

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