2008
09.26

エラブウミヘビ

エラブウミヘビ
えらぶうみへび

永良部海蛇
Laticauda semifasciata
(Erabu black-banded sea krait)

鹿児島県小宝島産
撮影:化野廉十郎

棲息地
屋久島以南の沿岸だが、海流に乗ってもっと北で見つかることもある。
台湾、中国、フィリピン~インドネシア沿岸に分布。

特徴
全長 70~150cm。胴体は丸めでやや太い。尾は鰭状だが腹板は幅広く、陸棲の蛇に似る。
黄色味がかった薄青~鮮やかな水色の地に暗褐色~黒い横帯がある。
黒い横帯は背側が広く、腹側が狭い傾向があり、斑紋状になる。
このため、黒い横帯の太さの変わらないヒロオウミヘビアオマダラウミヘビとの識別は容易。


沖縄県宮古島産
撮影:化野廉十郎

老熟すると地色は青みが抜け、黄色味掛かる個体も見られる。また、横帯が不鮮明になりぼんやりした感じのものもいる。


産地不明
撮影:のら

虹彩は黒く、眼線は黄色味はほとんどなく、地色(薄青)であることがほとんど。

体鱗
21~23列。腹板は退化していない。
吻端板が上下二分され、近縁種(ヒロオウミヘビ・アオマダラウミヘビ)と区別されている。

習性
主に夜に海で活動する。昼には岩礁に上がって休む事が多い。海洋性。
ヒロオウミヘビほど攻撃的ではないが、掴むと咬みついてくる可能性があるため、注意。

環境
珊瑚礁・港・入江など穏やかな海。周辺の岩礁や洞窟。
エラブミヘビ属のウミヘビは、他属のウミヘビよりも陸上行動が巧み。

食性
魚類、長い魚(アナゴやウツボのようなもの)を好む傾向にある。

幼蛇
特に親と変わりはなく、そのまま小さい。強いて言えば黒色部と青色部の境界がより鮮明。


強い毒をもつ。ウミヘビの仲間の属するコブラ科のヘビは、神経機能に作用して呼吸麻痺など起こすことが知られるが、それ以外にも筋色素尿などの筋肉的な症状も知られる。ヒロオウミヘビほど咬む事は少ないとはいえ、無用に近づくのは避けるこ と。

その他
動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)により特定動物(危険な動物)に指定されている。
飼育や保管には都道府県知事、もしくは政令市の長の許可が必要。
青味の抜けた個体は、横帯の形とやや寸胴な印象からイイジマウミヘビと見間違う人もいるかもしれない。
しかし、イイジマウミヘビはとても大きな鱗を持ち、横帯の辺縁はとてもギザギザ感が強い。
また、同属のアオマダラウミヘビやヒロオウミヘビと横帯の形が違う(この両種の横帯は背側と腹側で太さに差がない)ので、見分けは容易。
交尾期ははっきりしないが秋に岩の間に1~8卵を産卵する。140日ぐらいで孵化。卵は非常に大きく、全長9.7cm、56gの記録がある。
姫路市立水族館では、エラブウミヘビの長期飼育に成功しており、2008年現在、40年をすでに超えている。
沖縄では「イラブー」と呼ばれ、燻製にしたものを食材とすることもある。また、卵の燻製も珍味とされる。

貴重度
エラブウミヘビは北琉球で目にする機会が多い印象。八重山では少ない。
2006年版環境庁レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。

うんちく
沖縄本島周辺の久高島のノロ(巫女みたいなもの?)による漁の神事がある。素手で船の上から海蛇をつかむというから驚き。
「イラブー」と称されて売られている燻製には、同属のヒロオウミヘビも混じっているかもしれない。(店頭なのでゆっくり観察できなかったのだが、そんな印象の燻製も入っていた)
また、「エラブウナギ」と呼ばれるのも本種のこと。でも魚類ではないので勘違いされないように。
さらに言うと、ウミヘビと名を冠する魚類もいるので、注意して欲しい。(ダイナンウミヘビ、シマウミヘビ、ミナミホタテウミヘビなど)

注意

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写真を提供してくださった「化野廉十郎」さんと「のら」さんに感謝いたします。
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その他、説明の作成は、ばいかだ(徳田龍弘)が行いました。
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