2016
10.06

ひゃん
ヒャン

Sinomicrurus japonicus
(Hyan coral snake)

鹿児島県奄美大島産(亜種ヒャン)
撮影:化野廉十郎

棲息地
基亜種ヒャン(S.j.japonicus)は奄美大島・加計呂麻島・与路島・請島
亜種ハイ(S.j.boettgeri)は伊平屋島・沖縄本島・渡嘉敷島・徳之島
亜種クメジマハイ(S.j.takarai)は久米島

特徴
全亜種共にあまり首のくびれはなく、尾は尖っていて短い。目は小さく虹彩は黒い。腹部は白~クリーム色の地に大きな黒い斑点が縦に並ぶ。


鹿児島県奄美大島産(亜種ヒャン)
尾は尖っている
撮影:化野廉十郎

亜種ヒャンは全長30~60cm。ヒャンの体色はオレンジ色の地に黒い横帯が13~19本、規則的にに並ぶ。そして細い縦線が背中、体側部に1~5本走っている。頭部は吻端側が黒い。


鹿児島県奄美大島産(亜種ヒャン)
撮影:化野廉十郎

亜種ハイは全長25~50cm。基本的に模様パターンはヒャンと同じなのだが、横帯が細く、白く縁取られることもある。縦線が太く5本あるため、黒が多い印象となり、全く違うヘビに見える。


沖縄県沖縄本島北部産(亜種ハイ)
撮影:化野廉十郎
頭部は亜種ヒャンより黒い部分が多い。

沖縄県沖縄本島北部産(亜種ハイ)
撮影:化野廉十郎


沖縄県沖縄本島北部産(亜種ハイ)
撮影:化野廉十郎

同じ亜種のハイでも、沖縄本島南部の個体では、体の後半部に横帯がない個体が見られる。


沖縄県沖縄本島南部産(亜種ハイ)
撮影:寺田考紀

hai_fuke_r沖縄県沖縄本島北部産(亜種ハイ)
撮影:福家悠介

尾を巻いて威嚇的(防御的?)な姿勢を取ることもある。

hai_fuke-2_r沖縄県沖縄本島北部産(亜種ハイ)
撮影:福家悠介

尾を巻いたまま、体をくねらせる。

亜種クメジマハイは全長30~60cm。クメジマハイともなると横帯は全く存在しない。
亜種ハイと同じく、太い縦線が5本走っている。


沖縄県久米島産(亜種クメジマハイ)
撮影:ばいかだ

頭部は、吻端がオレンジ色で、亜種ヒャンや亜種ハイよりも明るい色に見える。


沖縄県久米島産(亜種クメジマハイ)
撮影:ばいかだ

kume_fuke_r
沖縄県沖縄本島北部産(亜種クメジマハイ)
撮影:福家悠介

体鱗
13列。キールはなく、なめらかで虹色の光沢を持つ。

習性
基本的に夜行性とされるが、早朝や昼間に出歩いている個体の発見も少なくない。
地上性であるが、臆病ですぐ隠れるため、半地中性のように倒木や岩の下に隠れていることがある。
性質は穏やか(咬みついてこない)だが、臆病で逃げ惑う。そうなっている個体はパニックに陥っているので、一般的には咬まないと言われるが万一を考えて深追いしないこと。

環境
山地の常緑広葉樹林に多いが、山に近接した花壇や耕作地などでも見られる。
基本的には薄暗い林床、落葉、石、倒木の下などブラーミニメクラヘビのいるような所の周辺に生息するが、森林の近くであれば、かなり乾燥した岩場のようなところでも見つかることがある。

食性
小型のトカゲ類やブラーミニメクラヘビなど、爬虫類食。

幼蛇
斑紋は親と変わらない。色彩がくすまず、鮮やかである。


毒を持つ。毒量は微量で、成分も強くないとされる。神経系に作用する毒成分が主と思われる。
また、性格が攻撃的でないため、まず咬み付かない。また、体が小さいため口も小さく、人を咬めるような大きさでない。
しかし、同属のイワサキワモンベニヘビの海外産亜種では死亡事故も起こっているので、取り扱いには非常に慎重に行わなければならない。

その他
動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)により特定動物(危険な動物)に指定されている。
飼育や保管には都道府県知事、もしくは政令市の長の許可が必要。
亜種ヒャンで4月に交尾し、6月に2~4卵を産卵、40日たらずで孵化という記録がある。
亜種ハイは沖縄の方言で「ななふさー」と呼ばれることもある。7つ節という意味のようですが、節(横帯)はハイでは6~14とされ、ほとんどの場合7つ以上あります。
また、標準和名では、全亜種ひっくるめて種名をヒャンとしますが、亜種名ヒャンと混乱を避けるためか、一部では「リュウキュウベニヘビ」と呼ぶ説もあります。
外敵に襲われると尾の先端を相手に押しつけて突いてきます。威嚇していると言われますが、逃げるのに必死になっているようにも見えます。尾で刺されても毒はありません。

貴重度
もともと数多いヘビではないと考えられるが、開発による生息地の破壊などにより生息数は減少していると思われる。発見は全くの偶然によることが多い。
2006年版環境庁レッドリストにて亜種ヒャンと亜種ハイは準絶滅危惧(NT)、亜種クメジマハイは絶滅危惧Ⅱ類(VU)、日本固有種であり、すべてが日本固有亜種。

うんちく
見つけるときはだいたい偶然の出会いである。狙ってない時に出てきたりする。おそらくミヤラヒメヘビタカチホヘビのように天気によって出現が左右されるんだと思うんだけど(久米島では1日に2匹見つけたことも)、見つけた日は私の場合、昼夜は問わなかったが晴れていた(クメジマハイ2、ハイ4)。

注意
当ページは「へび図鑑」及び「携帯へび図鑑」の1ページです。

今後も新知見等出ましたら随時更新されます。
なお、内容(画像を含む)の 無断転記・転載は禁止です。
使用する際には「ばいかだ」に一報し、サイト名(へび図鑑)、撮影者、引用URLを掲示してください。

写真を提供してくださった「化野廉十郎」さんと「寺田考紀」さん、「福家悠介」さんに感謝いたします。
化野さんのブログはこちら、寺田さんのサイトはこちらです。

その他個体の撮影、説明の作成は、ばいかだ(徳田龍弘)が行いました。
ご意見、ご興味などありましたら私のサイトもご覧ください。”Baikada.com

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