2017
04.10

シュウダ

シュウダ
しゅうだ

臭蛇
Elaphe carinata
(Keeled ratsnake)

沖縄県与那国島産(亜種ヨナグニシュウダ)
撮影:ばいかだ

棲息地
亜種シュウダ(E.c.carinata)は尖閣列島の魚釣島・南小島・北小島
亜種ヨナグニシュウダ(E.c.yonaguniensis) は与那国島

特徴
亜種シュウダの全長は150~260cm。体背面は黒~暗灰色、体の前半部には黄色~白い明斑が散在し、後半部は無斑もしくは細かな黄色~白の小斑点を持つ。


中国産(亜種シュウダ)
撮影:ばいかだ

亜種ヨナグニシュウダの全長は160~200cm、体背面はくすんだ黄緑色~オリーブ褐色~灰色。体の前半部には白い複雑な明斑が散在する。


繁殖個体(亜種ヨナグニシュウダ)
若い個体
撮影:ばいかだ

虹彩は両亜種ともに、濃黄色~淡赤色。首のくびれはしっかりある。成蛇では頭部、体躯ともに太く重量感がある。
亜種シュウダでは腹面はクリーム色~黄色の地に灰色の縁取りが見られる。そして後半に向かい、灰色一色になる。


中国産(亜種シュウダ)
左:腹部前半 右:腹部後半
撮影:ばいかだ

亜種ヨナグニシュウダでは腹面は白~クリーム色。細かな黒点を持つが目立たなく、ほぼ無紋に見える。


左:繁殖個体 右:沖縄県与那国島産 (亜種ヨナグニシュウダ)
腹部中央
撮影:ばいかだ

目つきはかなり鋭い。虹彩は濃黄色~淡赤色。


沖縄県与那国島産 (亜種ヨナグニシュウダ)
顔貌
撮影:ばいかだ

体鱗
シュウダで23列(まれに21列)、ヨナグニシュウダで25列。両亜種ともにキールがあるため、手触りはざらざら。また、腹板の両端にはアオダイショウ同様の側稜がある。


沖縄県与那国島産 (亜種ヨナグニシュウダ)
鱗とキール
撮影:ばいかだ

習性
基本的には昼行性、地上性。気温が上がりすぎる夏期には夜間にも行動し、必要になれば木に登ることも可能。基本的に気が小さく臆病で、捕まえると逃げ回ろうとして大暴れしたり、咬みついたりする。
捕まえると防御臭を総排泄口から出す。匂いは強烈で、洗っても簡単に臭いが取れない。

環境
低地から山地まで広く分布する。森林と比較的開けた環境の境界付近で目にする機会がある。

食性
ネズミ・小鳥・鳥の卵・トカゲ・ヘビ・カエルなど
筆者は3月末にシロハラ(鳥)を捕食しているところを観察しました。

幼蛇
両亜種ともに体背面は明淡褐色で上半身は細い横帯がある。背中を境にして、横帯は少しずつ前後にずれている。後半部には細い4本の縦条が走る。この縦条は背面全体に及ぶようにも見える。
亜種ヨナグニシュウダでは成長するにつれ横帯や縦条は薄れ、体の前半部に白斑が目立ってくる。


繁殖個体(亜種ヨナグニシュウダ)
亜成蛇
撮影:ばいかだ

幼蛇の紋様や、この色の変化はシマヘビのムギワラ型(無線型)とよく似ている。


無い

その他
一度怒らせると噴気音を盛んに出しながら威嚇姿勢をとり、咬んでくる。胴が太く、頭も大きいので、ものすごく迫力がある。
繁殖については亜種シュウダでは春に交尾、夏に8~14卵を産卵する。孵化まで1~1.5ヶ月かかる。母蛇は、孵化まで卵を守るらしい。
亜種ヨナグニシュウダについてははっきりとわかっていないが、繁殖に関するデータから6~14卵を産卵し、その卵は25~28℃で41~58日で孵化するとある。

貴重度
体感しにくいが、頻繁には見られず、見かける数は少ない。
ヨナグニシュウダは日本固有亜種とされるが、台湾や蘭嶼の個体群もヨナグニシュウダとする説もある。
シュウダ、及びヨナグニシュウダ両亜種ともに、2017年版環境庁レッドリストで絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されている。都道府県版のレッドリストの指定状況はこちら

うんちく
シュウダは「臭蛇」と書く。総排泄口から非常に臭い物を分泌するからだ。
こういった分泌物はアオダイショウでよくいわれているが、ヘビは基本的にこういった物を出す。
シュウダはこの中でとびきり臭い。以前、ヨナグニシュウダを捕まえたときに手についたら丸1日ニオイが取れなかった。
亜種シュウダの生息する尖閣諸島は、諸処の問題のため現在上陸できない状況。そのため、亜種シュウダは日本では見ることはできない幻のヘビです。

参考文献
日本動物大百科5 両生類・爬虫類・軟骨魚類 平凡社
日本のカメ・トカゲ・ヘビ 松橋利光・富田京一著 山と渓谷社
A Monograph of the Colubrid Snakes of the Genus Elaphe FITZINGER KLAUS-DIETER SCHULZ
Old World Ratsnakes A collection of papers Klaus-Dieter SCHULZ (ed.)
亜種ヨナグニシュウダの繁殖に関するデータは”The Ratsnake Foundation“から提供いただきました。

注意

当ページは「へび図鑑」及び「携帯へび図鑑」の1ページです。
今後も新知見等出ましたら随時更新されます。
なお、内容(画像を含む)の 無断転記・転載は禁止です。
使用する際には「ばいかだ」に一報し、サイト名(へび図鑑)、撮影者、引用URLを掲示してください。

撮影、説明の作成は、ばいかだ(徳田龍弘)が行いました。
ご意見、ご興味などありましたら私のサイトもご覧ください。”Baikada.com

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