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ツシママムシ

和名:ツシママムシ(対馬蝮)
英名:Tsushima mamushi
学名:Gloydius tsushimaensis


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

生息地
対馬(長崎県)

特徴
全長40~60cm。灰褐色から赤褐色をしている。ニホンマムシとよく似ているが、胴体の楕円形の斑紋(銭形紋)には中心の暗色斑がない個体が多く、また斑紋自体がやや小さい。


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

中心の暗色斑がないと言われるが絶対の特徴ではなく、中には暗色斑が見られる個体もいる。これは個体差が非常に大きい。しかし、中心に暗色斑を持つ個体は多くはない。


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

舌はピンク色をしており、ニホンマムシの暗褐色とは異なる。


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

虹彩は黄褐色~赤褐色をしており、瞳孔は縦長。昼は縦長になるが、夜間は光を多く取り込むために瞳孔は丸みを帯びていく。これは夜行性のヘビ全般に言えることである。また眼線はアオダイショウより太く、境界がはっきりしている。


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

腹板は白~乳白色で黒い点が散在する。黒い点は大きさが個体によりばらつきがある。


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

体鱗
21列。キールがある。
ヘビの鱗はつるっとした外見が一般的だが、ツシママムシは一見ふわっとした鱗の表面の印象を受ける。(著者の主観です)


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

さらに近接撮影をしてみると、鱗の中央に走るキール以外に細かな白い粒が鱗に散見される。これがふわっとした外見の正体だろうか。


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

習性
夜行性・森林性・地上性。ニホンマムシの比較的温和な性格と違い、非常に神経質で攻撃的。扱いには注意を要する。写真は威嚇姿勢。


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ


環境

対馬では全島的にどこでも見られるが、森林や水田に多く見られる。春先のツシマアカガエル等の産卵期にはいたるところで見られ、道路でもよく轢かれている。

食性
カエルを好んで食べる。渓流の魚を食べていることも知られるようになった。他にネズミ類など。

幼蛇
ニホンマムシと同じ傾向を持ち、尾の先が赤や黄色の明色となる。その他の部分は成蛇と変わらない。ニホンマムシでは明色の尾を使い、餌をおびき寄せるルアーとして用いるとも言われている。


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ


ニホンマムシ同様の毒をもつ。

その他
動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)により特定動物(危険な動物)に指定されている。飼育や保管には都道府県知事、もしくは政令市の長の許可が必要。9月頃に5匹の小ヘビの出産が確認されている。体色にはバリエーションがあり、やや赤味を帯びた褐色のものや、


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

かなり赤味が強く、赤褐色と呼べそうなもの、


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

逆に赤味がない、灰褐色の個体などもいる。


長崎県対馬産
撮影:ばいかだ

また、銭形紋自体に変異を持つ個体もおり、銭形の円形の濃色の縁取りが上下左右で欠損し、銭形紋が四つの斑点になっている個体も見られたが、写真が撮れなかった。

貴重度
日本固有種。対馬にしか生息しないが、対馬ではわりと普通に見られる。限局的な生息なので環境変化で個体数が減る可能性はある。2018年版環境省レッドリストでは指定なし。2011年の長崎県版レッドリストでも指定はない。IUCN版(世界版)Red-List Ver3.1でも指定はない。

うんちく
地元の人はマムシと呼んだり、ヒバカリと呼んだり、ハミと呼んだりするので、情報収集時にはかなりの混乱がある(ちなみに対馬に生息する蛇は、ツシママムシとアオダイショウ、そしてアカマダラだけである)。

参考文献
日本動物大百科5 両生類・爬虫類・軟骨魚類 平凡社
日本のカメ・トカゲ・ヘビ 松橋利光・富田京一著 山と渓谷社
児玉知理 2017 野外におけるツシママムシGloidius tsushimaensisの魚食性 爬虫両棲類学会報2017(1):104

注意
当ページは「へび図鑑」及び「携帯へび図鑑」の1ページです。今後も新知見等出ましたら随時更新されます。なお、内容(画像を含む)の 無断転記・転載は禁止です。使用する際には「ばいかだ」に一報し、サイト名(へび図鑑)、撮影者、引用URLを掲示してください。文章作成にあたり、「津田堅之介」さんに御助言いただきました。御礼申し上げます。撮影、説明の作成は、ばいかだ(徳田龍弘)が行いました。ご意見、ご興味などありましたら私のサイトもご覧ください。”Wild home