2011
04.02

ジムグリ
じむぐり

地潜
Euprepiophis conspicillatus
(Japanese Forest Ratsnake)

北海道産
撮影:ばいかだ

棲息地
北海道・本州・四国・九州・国後島・伊豆大島・佐渡島・隠岐・壱岐・屋久島・種子島

特徴
全長70~100cm。鼻先が丸く、上唇が下唇にかぶっている。首のくびれは無い。虹彩は褐色。


北海道産
撮影:ばいかだ

背面は淡黄褐色から淡赤褐色で、黒い小斑点が散在し、頭部には数本の黒条が入る個体もいるが一般的には成熟とともに薄くなっていく。(中には老齢でも黒条が残る個体もいる)


北海道産
撮影:ばいかだ

老熟すると小斑点は目立たなくなるものが多いが、北海道や高地産の個体では老熟していなくても斑点を持たないものも多い。


北海道産
撮影:ばいかだ

薄い暗縦条を持つ個体も時に見られる。その縦線は非常に不明瞭である。


北海道産
撮影:ばいかだ

また褐色味や赤味の強い個体が高地や北海道では見られ、俗にアカジムグリと呼ばれたりする。アカジムグリには斑紋が無い個体が多い。


北海道産
撮影:ばいかだ

普通のジムグリの腹面の基色は白く、黒と朱色のチェッカー(市松模様)が並ぶ。


北海道産
撮影:ばいかだ

なお北海道の個体の一部はこの市松模様が2本の縦の黒条になっているものも多い。


北海道産
(この写真の中央の個体は、無斑紋型である)
撮影:ばいかだ

無斑紋型(いわゆるアカジムグリ型)は、腹部にも斑紋がない。北海道では、幼蛇のうちは腹が白いのに、成長に連れて黒く変色していく個体が多い。


北海道産
撮影:ばいかだ

成長すると以下の通り黒くなるものが北海道にはがいる。


北海道産
撮影:ばいかだ

こうして例を挙げると、腹板は識別のポイントになりづらいと思えるが、本州・四国・九州の平地の個体群は多くが市松模様の腹板を持つものが多いので、やはり特徴的ではある。

タイプとしては、背面の色や模様より腹面の特徴(市松模様型・縦黒条型・無紋型・黒色型)から分けておいたほうが統一感がある。(背面がアカジムグリでも腹面が市松だったり、背面がノーマルでも腹面が無紋だったりするため、いわゆるノーマルとアカジムグリだけではタイプ分けが難しい)

体鱗
21列。背面中央部の鱗には弱いキールがあるが、目立たない。

習性
基本的に日中に地上及び半地中の生活をするが、夏季のように気温が上がる時期には早朝や夜間に行動するものも見られる。涼しい時期、時間帯に多く見られる。暑くなるとと見かけなくなる。(23℃あたりが限界か?)

環境
丘陵地から高地の林、竹林に多い。ネズミやジネズミなどが多く生息する環境に見られる。河川敷の芦原などで見られることもある。

食性
ネズミ、ジネズミ、トガリネズミ、ヒミズなど。生まれたての幼獣のような小さな獲物を好む。

幼蛇
背面が鮮やかな赤色で黒い小斑点がある。むしろ横帯になっているものもいる。黒いラインが顔にかかり「くまどり」に形容されるような容貌であり、成体とはかなり雰囲気が違う。


京都府産
撮影:ばいかだ


京都府産
撮影:ばいかだ

腹板は幼蛇の頃は朱色が入ることは少なく、白と黒の市松模様である事が多い。


京都府産
撮影:ばいかだ

ただし、寒冷地の幼蛇はあまり色も鮮やかでなく、斑紋が小さい傾向にある。


北海道産
撮影:ばいかだ

なおアカジムグリと呼ばれる個体は、幼蛇の時から体色は鮮烈な赤~朱色であり、体背面の斑紋は見られないとされる。

jimuguri-14
北海道産
撮影:ばいかだ

アカジムグリは腹板も幼蛇の頃から無斑紋であることがほとんど。


北海道産
撮影:ばいかだ

脱皮が近づくと体色はかなりくすんで、印象が変わる。


無い

その他
大人しい種類で咬みつかない個体が多いが、全てには当てはまらない。俗にアカジムグリと呼ばれる個体は高緯度、高標高地域で多く見られ、美しい。アカジムグリは昔、独立種とする説もあったが、ジムグリとアカジムグリの中間的な個体もいる。また同じ親から生まれた卵からアカジムグリとジムグリが生まれたこともあり、単なる個体変異とされる。4~6月に交尾し、7~8月に1~7卵を産む。日本固有種。
2009年末に学名がElaphe conspicillataからEuprepiophis conspicillatusへ日本爬虫両棲類学会で変更が承認された。


北海道産が産んだ個体の孵化シーン
撮影:ばいかだ

貴重度
自然状態の良い山に登れば多く見られるが、平野部では多くない。

うんちく
ジムグリの顔をよく見ると上の唇が下あごをくるみこむような構造になっている。これは柔らかい地面を掘り進んだりするときに口に土が入らないようになっているものだと考えられている。

おまけの写真はジムグリの口腔内細菌を調べたときに、ジムグリが我が家で産卵してしまったので、それらを孵化させて親ジムグリを捕獲した場所にリリースする直前に撮った記念撮影。


北海道産
撮影:ばいかだ

参考文献
日本動物大百科5 両生類・爬虫類・軟骨魚類 平凡社
日本のカメ・トカゲ・ヘビ 松橋利光・富田京一著 山と渓谷社
北海道爬虫類・両棲類ハンディ図鑑 徳田龍弘著 北海道新聞社
A monograph of the colubrid snakes of the genus Elaphe Fitzinger : K-D Schulz

注意
当ページは「へび図鑑」の1ページです。

今後も新知見等出ましたら随時更新されます。
なお、内容(画像を含む)の 無断転記・転載は禁止です。
使用する際には「ばいかだ」に一報し、サイト名(へび図鑑)、撮影者、引用URLを掲示してください。

撮影、説明の作成は、ばいかだ(徳田龍弘)が行いました。
ご意見、ご興味などありましたら私のサイトもご覧ください。”Baikada.com

Comments are closed.