Healthless Animal
Baikada animal hospital in the wild

サキシマスジオ剖検

Written on 2010/02/01 – 12:40 PM by baikada

個人のメモ的なPostです。

石垣島で2009年11月に路上で轢死していたサキシマスジオの死体を
友人に送っていただきました。

冷凍保存し、2010年1月に某所で解剖し、
皮を保存できるようにしました。
(開いて干しただけです)

冷凍解凍をした都合で弛緩していた可能性が高いですが、
大きさは198cm。(あまり正確でない)

解剖によりヘミペニスの存在を確認し、オスであることを確認しました。

臓器は、轢かれた際の損傷が激しく、
また冷解凍の繰り返しにより、病的か正常な判断はできませんでした。
(かろうじて各臓器を確認できる状態でした)

腸管内に寄生虫(主に蠕虫)の存在を確認したかったのですが、
肉眼で確認できた虫体は無し。
おそらく原虫などはいたと思われますが、顕微鏡も用意できないので
肉眼所見では原虫他は確認不能でした。

少し、興味を引いたことは脂肪の分布。
背面の皮膚と筋肉の間にかなりの脂肪を蓄えていました。
それに対して、内臓脂肪は目立つような形で見られず。

越冬に向けた脂肪貯蓄でしょうか?
年齢的にここまで大きくなるとこれくらいの脂肪が普通になるのでしょうか?

アオダイショウの幼蛇などを解剖したときは
皮下脂肪は殆どなく、内臓脂肪が多いの所見だったので興味深かったです。

冬の生活に向けて脂肪を貯蓄するのは皮下なのでしょうかね。
幼蛇が逆に内臓脂肪が多いのは、
体が小さいと貯蓄する場所が不足するからとか?
いろいろ考える機会をもらいましたが、
北海道のアオダイショウの幼蛇と石垣島の2mのサキシマスジオを
比較対象にするのはあまりよろしくないとも思います。

今後、機会があればこういうメモを取っておいて参考にしようと思います。

Picture
相当、凄惨だったので自主規制入れてみました

サキシマスジオの冥福を祈ります。

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サキシマバイカダの脱皮不全からの血行障害

Written on 2009/11/30 – 11:30 AM by baikada

2009.09のケース(サキシマバイカダ)です。

サキシマバイカダの脱皮殻です。
この脱皮殻、おでこの部分が濃い色になっているのがわかりますか?

ここには今回の脱皮の1回前の脱皮殻がくっついていて、
さらにその下の皮膚組織が壊死してくっついています。

鼻先は以前擦って付けてしまった傷で、
おでこにはまた生々しい傷が。(2009.11.30現在、ほとんど目立たないくらいに回復はした)
アオダイショウなどで脱皮不全は目の当たりにしており、
1回程度の脱皮不全ではあまり大きな影響を見なかったため、
次回の脱皮で一緒に脱ぐことを期待したのですが、
甘かったです。

脱皮不全殻が残った時には、
サラダオイルや蒸しタオルを用いてなるべく早く取り去った方が良さそうですね。

サキシマバイカダは細く華奢なので、
長時間触るのがためらわれ、様子を見ていたところ
脱皮殻のついていた皮膚部分が血行障害を起こして脱落してしまったようです。

見極めが難しいのですが、鱗や皮膚がアオダイショウより薄っぺらいところあたりが
結果を左右したのかもしれません。

いずれにしても、もともとの脱皮不全が湿度の低下から起こしていたので
それが大元の原因です。

個体差もあると思いますが、観察している限りでは
サキシマバイカダはそれほど好んで水に浸かる種類ではないようです。

だから、水入れだけでは湿度が不足し、脱皮不全を起こします。

ミズゴケに水を含ませ、固めに絞ったあとで床材として敷き詰めます。
乾いた部分も作らないと皮膚感染を起こすかもしれないので、
飼育ケージの半分は湿り場、水入れ。
もう半分は乾燥場、登り木、シェルターとして、
ようやく問題なく過ごせるようになりました。

現在は温度18-20℃(ちょっと低めだと思う)で休眠中だが、
湿度だけは落ちないように気をつけています。

今回の傷は膿まなかったので幸いでしたが、
膿んでしまうなどが起こった場合は、治療、消毒がかなり大変になってしまいます。

傷一つでもひやひやします。

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ガラスヒバァの条虫症

Written on 2009/09/19 – 5:06 PM by baikada

2009.05のケース(沖縄本島、ガラスヒバァ)です。

Picture

比較的よくみられるヘビの皮下にいる寄生虫です。
ぷよっと腫れているのが解りますか?

カエルを食べるヘビ(日本ではヤマカガシ、ヒバカリ、ガラスヒバァやシマヘビなど)で時々見られます。
稀に、アオダイショウやグリーンツリーパイソンなど、
基本的にはカエル食のヘビではないが過去にカエルを食べた経験があると、寄生されていることがあるようです。

以下ではこのマンソン裂頭条虫の生活史について説明します。
条虫と言うのはいわゆる「サナダムシ」のことです。

マンソン裂頭条虫は人間にも寄生します。
だから、ヘビをむやみに生で食べないようにしましょう。

①哺乳類の多くの種類に、成虫(サナダムシ)として腸に寄生します。
そして成虫は腸の中で卵を産んだり、体の一部を切り離して
哺乳類のウンチに自分の卵を紛れこませます。

②産み落とされた卵は外界の環境に落ち、
雨などに流されて湖などに入っていたところで孵化します。
孵化した幼虫は第一段階の「コラシジウム」と呼ばれます。

③コラシジウムは水中のプランクトン、ケンミジンコ類(第一中間宿主)に
捕食され体内に侵入します。
そして成長し、幼虫の第二段階の「プロセルコイド」に成長します。

④ケンミジンコがこんどはカエル(第二中間宿主)に捕食(もしくは偶然吸い込まれる)され、
幼虫の第三段階「プレロセルコイド」になります。
プレロセルコイドはネバネバしたひも状のもの。
ふやけたイカそうめんみたいな感じ。

④’このプレロセルコイドに寄生されたカエルをヘビ(待機宿主)が食べると、
プレロセルコイドは成長せずにそのままヘビに寄生します。
この状態にあるのが写真のガラスヒバァの状態です。
プレロセルコイドは細長いのですが、丸まって皮膚の下に入っているので、
ぷよぷよした皮膚の下の腫瘤として見られます。

⑤プレロセルコイドに感染したカエルやヘビを哺乳類(終宿主)が食べると、
プレロセルコイドは腸内で成長し、成虫になります。
これで一周ですね。

人間は第二中間宿主のカエルや待機宿主のヘビを生で食べるようなことがなければ、感染は起こりません。

また、寄生されてもあまり強い病害は示しません。
濃厚に感染した場合に胃腸の動きが悪くなったり、
栄養を横取りされすぎて思うように栄養を取れないなどの障害は起こりますが。

治療は医師にかかるでもよし、
市販の虫下し(種類が違うと落ちないので注意)でも落とせます。

さて、ヘビへの病害ですが、これもあまり強い病害は示しません。
ただ、皮膚の下や筋肉の中で動き回るので腫れが移動して消えたり出たりします。

また、移動中に変なところに入って障害を起こす可能性はあるかもしれません。

治療はいくつか考えられますが、
ひとつは腫れた部分を小切開してプレロセルコイドを引っ張り出す方法です。
途中で千切れてしまうと残った部分が再生することもあるので、
取り残しに注意しますが、それほど難しい技術ではありません。

しかし、小切開でもオペなので麻酔が望まれるし、
その後の傷口が感染して炎症を起こさないように管理する必要があるので、
ヘビを治療できる獣医医院に掛かるのが間違いがないでしょう。

他に、条虫の虫下しも効きます(用量には注意)が、
プレロセルコイドの死骸が皮膚の下で遺残してしまうこともあるようです。

よほどの病害が感じられない場合は、
そのまま放っておくという方法がいい場合もあります。

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アカマタのダニ咬症

Written on 2009/06/19 – 3:17 PM by baikada

2009.05のケース(沖縄本島、アカマタ)です。

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アカマタの体に小石がついていました。
なにかの粘液質が出ていて体に石が付いているのかと思ったら、

Picture

ダニでした。

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吸血して膨れているのでわかりにくいですが、ダニの薄い褐色の部分は腹にあたり、
よこにちまちまとくっついてる線状のものが脚です。

口吻はアカマタの体内に刺さっています。

爬虫類につくダニは大別して2種類で、
ひとつが写真のようなマダニの系列。
もうひとつが小さなダニです。
(ツツガムシとか、昆虫についてるような奴とか)

このダニはキララマダニの仲間と思われますが、
詳細は不明です。
(マダニにもシュルツェマダニ・ヤマトマダニ・オウシマダニなど様々な種類があります)

キララマダニの名前の由来は背甲板がキラキラ光ったり、
なんか綺麗な模様があったりなのでそう呼ばれるみたいです。

日本に産するキララマダニの仲間は地味だそうです。
ウミヘビキララマダニを研究していた方からお話を伺いました。
参考→画像検索(キララマダニ

画像に表示されているときの体型のダニは血を吸っていないときの大きさのダニです。

基本的にマダニはたっぷり血を飲んで飽血すると落下します。

病害としては、刺さった部分の炎症、脱皮時などには脱皮障害などが一時被害として考えられます。

また他の動物でも一般的ですが、
ダニは吸血時に、他個体から吸い出した病原体を吸血している動物に感染させることがあります。

哺乳類では原虫のような寄生虫(血液原虫)、リケッチアなどを媒介することが知られています。
ヘビではヘビの封入体病(こちらの記事で少し触れています)の媒介者としての存在が疑われています。

どちらにせよ、ダニに刺されていいことはありません。

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シマヘビのStar Gazing

Written on 2009/05/16 – 11:03 AM by baikada

2009.05のケース(関東、シマヘビ)です。

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このポストでは表題を「Star Gazing」(スター・ゲイジング)としてあります。

直訳すれば「星を眺める」ということですが、
ヘビが中空を仰ぎ見る様子を取って「Star Gazing」と呼びます。

普通に鎌首をもたげているわけではなく中空を仰ぎ見る角度で体勢を保っている場合、
病気があるかもしれません。

目的物がその目線の先にないのに「Star Gazing」を続ける場合、
ヘビは何らかの理由があってこの姿勢をしています。

獣医学的にわかっている範囲では、たとえば呼吸困難を起こしている場合や
脳神経系の障害(ヘビ封入体病など)によって「Star Gazing」することが
知られています。

写真の個体も「Star Gazing」の状態ですが、もっと上を仰ぎ見ることもあります。
また、写真の個体はずっと口を開けっ放しでした。(何かに対して威嚇しているのではありません)

ヘビは平常時は口を閉じているものです。
口を開け放すのにも理由があり、
口の中に障害を持つ場合や呼吸しやすいように開けている場合もあります。

写真では判別はつきませんが、
「Star Gazing」と開口維持は肺炎等が疑われるケースです。

また、5月初旬という低温時なので肺炎などの呼吸器疾患は起きやすい時期です。

重度の肺炎になるとレントゲンでも肺の炎症により確認することが可能だと思います。
また、呼吸器疾患の場合は口や鼻周りに粘液や漿液を分泌している場合があります。

症状が重度に確認される個体では予後が悪いこともあります。

抗生物質を投与し、呼吸器機能を回復させて食欲を取り戻さないと厳しいでしょう。

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エゾアカガエルの水中死体

Written on 2009/04/17 – 4:36 PM by baikada

2009.04のケースです。

最近、両生類の大量死する病気が発生する恐れが指摘されています。
カエルツボカビ症やラナウイルス症などが発生する恐れもあるので、
水辺でよく見られる別原因の死体を表示しておきましょう。

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これは上記のような感染症による死亡ではないと思われます。

白くモヤモヤしているのは、カビなどの繁茂ではなく未受精卵です。

このエゾアカガエルは産卵のために水辺に来たところを何かに襲われて死亡した模様です。

未産卵ですが、襲われて腹部が裂け卵が水中へと出てしまったようです。

おなかの中にあるときの卵は、水を吸っていないため、あまり大きくありませんが、
体内から水中へ出されると水を吸って大きくなります。

そのため、写真のようにとても腹の中にあったとは思えない量の卵が出てしまっているように見えます。

カエルやサンショウウオは一斉に集まって産卵することも少なくないため、
そこをいろいろな動物に襲われます。

イタチ類だったり猛禽類だったり、ヘビだったり。
こういうものに襲われた死体の残骸などは意外と産卵地周辺で見られます。

こういったものと、重要な感染症で死亡した個体を少しでも見分ける一助になれば幸いです。

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疥癬症のキタキツネ2

Written on 2009/04/17 – 4:32 PM by baikada

2009.02のケースです。

疥癬症のキタキツネと同様ですが、尾に強く症状の出たケースです。
このキタキツネは脱毛は尾が著しいですが、
下半身に強いかゆみを覚えており、頻繁にかきむしっていました。

Picture

症状の詳細は疥癬症のキタキツネをご覧ください。

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奇形尾のアオダイショウ

Written on 2009/01/10 – 9:48 AM by baikada

飼育個体のアオダイショウです。
生まれたときから、尾が曲がっているということでした。

Picture

よりアップの画像をどうぞ。

Picture

ヘビの体が異様な曲がりをして固定されている場合には、奇形が強く考えられます。

他に起こりうる原因として骨折後、曲がって治癒したなども考えられますが、
ヘビの場合は骨折が起こるのは主に椎骨であり、
骨が治癒する(神経は断裂したまま治癒しないことが多いが)ときは曲がったまま固着するすることは考えにくい。
(患部を曲げたまま、ずっとじっとしていればこういう形の治癒もありうるけれど)

生活に支障のない部位なので、治療はしない。
(奇形の場合も、骨折の場合も)

スレなどの擦過傷は出来ることがあるので、飼育している動物でそういう事例が起きた場合には
飼育環境などを少し考えた方がいいと思われる。

この曲がった部分が体の上位であればあるほど、生活の支障が出るものと思われます。

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疥癬症のニホンタヌキ

Written on 2009/01/03 – 11:05 AM by baikada

2006.05のケースです。

疥癬症のキタキツネと同様の疾患ですが、今回はニホンタヌキです。
このニホンタヌキは、すでに脱毛や皮膚の発赤が見られます。

Picture

さらに症状が進むと、皮膚の肥厚が起こり、頭部以外ほとんど毛が生えていないような状態になります。

キタキツネの例も同様の経過をたどるのですが、被毛粗剛も症状の一つです。
症状の詳細は疥癬症のキタキツネを見ていただくとして、このタヌキの悲惨だったところは、
家族全部が疥癬にかかっていたことです。

皮膚が接する時間が長い家族が感染するのは仕方が無いのですが、
仔ダヌキの疥癬症は見てて結構、可哀想です。

1頭を徹底的に治療しても、家族にダニのコロニーが残っているので当然、再感染の可能性が高いです。

野生での根本治療は、難しいでしょう。
(野生でも普通にはある病気なので、治療する対象にはならないかな、という印象です)

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ニホンアマガエルの皮膚隆起

Written on 2008/12/09 – 12:44 PM by baikada

2007.06のケースです。

日本ではニホンアマガエルというカエルは非常に身近で個体数も結構多いカエルです。
種としてはどこにでもいるものなのですが、個体差の大きなカエルで、いろいろな変異が見られることがあります。

色彩変異や、地域変異(長崎県対馬産のものは大きくて目の線にも変異があることがある、など)も少なくない。

Picture

これは、全身の、特に背面の皮膚がぼこぼこしているニホンアマガエルです。
こういう個体は1年のシーズンで1~2匹くらいの頻度で見かける気がします。

ツチガエルや、ヌマガエルのように元来の種の形態として、
このような顆粒状の皮膚の隆起を持つものはいるのですが、
ニホンアマガエルの場合は基本的には背面はつるつるの皮膚です。

見かけることがある顆粒状の隆起のあるアマガエルは、
見る限りでは痩せていたりするようなこともなく、健康に支障があるのかわかりません。

ニキビのような皮膚の細菌感染で膿がこのブツブツの中にたまっているのか?
分泌されるべきものがうまく分泌されずに皮膚の下にたまっているのか?
寄生虫が皮下にいるのか?
内臓系の疾患で皮膚に症状が出てきているのか?
全身性のリンパ腫のような腫瘍なのか?
単にそういう形態を示す個体差なのか?

ぱっと原因を想像するだけでもこれだけ出てきます。

これらを整理していくためには
・顆粒状の隆起の中身を確かめる。
・飼育して健康状態に支障のあるものなのかどうかを調べる。
・この隆起の今後の動きを観察する。
・この個体を繁殖させて、この形態が遺伝するのか調べる。
・ちゃんと調べるならこういったことが必要とも思える。

私に出来る範囲で確認するのは一つ顆粒状隆起を切ってみて、中身を肉眼的に確認するくらいでしょうか。

カエルの皮膚感染症では、
劇症のカエルツボカビ感染症も今後監視しないといけないので出来うる範囲では協力したいと考えています。

あまりお金のかかることはできないのですが。
今後の課題でしょうか。

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